久しぶりの、それもこれが最後の寝台特急での旅行になるかもしれないという思いとで、何らかの形で今回の旅を記録に残したいと考え、文章にしてみたのですが、見事にぐだぐだになってしまいました。
お読みくださった方、拙い文章にもかかわらず6回にわたりおつき合いくださり、ありがとうございました。



夜行列車は日本国内においては、ほとんど絶滅危惧種という状況です。

また、可能性は低いものの、何らかの形で夜行列車が国内の移動手段として復権したとしても、今回利用した開放型のB寝台は今後、恐らく製造されないのではないかと思います。
というのも、観光客が利用するような列車では豪華さを売りにして全車個室寝台となるでしょう。
また、ビジネス客が多く利用するような列車の場合、開放型B寝台はあまり安くない上にあまり快適でないとされる中途半端な存在なので、東京~高松・出雲市を結ぶサンライズ瀬戸・出雲のようなコンパクトな1人用・2人用個室とリーズナブルなカーペット車(あるいは座席車)だけになる可能性が高いでしょう。

過去に2回、開放型B寝台を利用したことがありましたが、そのときは出発時刻が遅く、他人と会話を楽しめる状況でもなかったのもあって、そこまで楽しいものだとは思いませんでしたが、今回はB寝台の楽しみ方を知ることができました。


ところで九州では「ななつ星」という寝台列車が運行されています。
この列車は日本一豪華で、切符も取りにくい列車なのですが、その列車の一番安い部屋の利用でも、北斗星のB寝台のほぼ10倍の費用がかかります。
それだけのお金を払って利用したところで、今回の北斗星のような楽しみ方はきっとできないでしょう(もちろん、「ななつ星」には「ななつ星」の旅の楽しみがあるのでしょうが)。
また、「ななつ星」はクルーズトレインといって、列車で観光コースを巡った後は出発地に戻ってくる列車のため、移動手段としては利用できません。
今回の北斗星は比較的手頃な価格で楽しめて、おまけに移動手段としても利用できて、コストパフォーマンスも最高でした。



入試の帰りに利用したい列車の第一希望であった試験翌日出発のトワイライトエクスプレスの切符は取れませんでしたが、その列車は悪天候で運休となってしまったので、結果として私にとってはその方がよかったことになります。


また、北斗星も周りに気兼ねなく利用できてより快適だろうということで、私は個室寝台を希望していましたが切符は取れませんでした。
これも結果としては良かったと、今では思っています。

確かに、個室の方が快適なところはありますが、もしも個室を利用していたら食堂車待ちの列に並ぶタイミングが遅すぎて(早めに並んでおく必要があるという“模型鉄”の情報がなければ、食堂車の利用は厳しかった)、食堂車を利用することができず部屋で1人弁当を食べていたことでしょう。
また、北斗星に乗っていた17時間、ほとんど誰とも話すこともなかったでしょう。

初対面の人達との会話や食堂車での食事を楽しむという、これぞ古き良きブルートレインの醍醐味というものを味わうことができました。

今回の北斗星の旅行は、少なくとも過去10年くらいの旅行では1番楽しい旅行でした。
ただそれは、“鉄親子”と“模型鉄”の3人と一緒のボックスであったことが最大の要因です。
こんなブログをご覧になっていることはまずあり得ませんが、“鉄親子”ことKさん親子、“模型鉄”ことMさん、本当にありがとうございました。

また、駅の窓口に空席を調べに行ったときに対応してくれた駅員さん。思えばこの駅員さんが「ご希望の寝台のタイプではないのですが、B寝台なら1席だけあります」とすすめてくれたのが、幸運のすべての始まりでした。今では、その駅員さんが幸運の女神に思えてなりません。

そして運転士さん、車掌さん、食堂車クルーの皆さん、その他にも車両の整備をはじめ北斗星の運行に関わった大勢の皆様方、楽しい旅をありがとうございました。
誰もご覧になっていないことは承知しておりますが、心からお礼を申し上げます。




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ひどい画像で申し訳ありません。精一杯言い訳しますと、ロープが張ってあったり、人が多かったり、おまけに携帯電話のカメラなので全体が写るようにするにはかなり後ろに下がる必要があったのとで、こんな無惨に車体が切れた写真となってしまいました。こんな写真でも一応、記録は記録なので載せました。