ホテルに着くと、僕はちょっと緊張した。なにせ久しぶりだし…
なんかこの人やたら笑うし…会話の糸口がなぁ。
「そういや、こないだカルアちゃんに久しぶりに会ってね」
口をついて出たのはハプニングバーの住人についてだった。
しもた、寄りによって僕と彼がぎくしゃくし出した原因の子じゃん。
彼は彼女と2度遊んでいる。
「…え?」
モンさんが首をひねる。あ、こいつ…彼女のこと忘れてやがる。
「マジか!楽しい思いしたろうが!」
しばしの間のあと「ああ…」と思いだしてケタケタ笑い始めた。
つーか君カルアちゃんのこと結構気にいってませんでしたか…?
そのあと彼はしばらく笑い、また僕が話す言葉ひとつひとつに反応していた。
どうも彼を笑い上戸にさせているのは日々の仕事のせいみたいだ。
忙しすぎて笑いに飢えていて、ハンターちゃんと居る=楽しいという方程式が
彼をそのようにしてしまっていた。
喋りすぎた僕は唇が乾き、リップを塗り直すためにベッドのヘッドレストに置いてある
ティッシュを取りにいった。
ちょっとカッコいい取り方がしたくて、ベッド上に飛び込み前転しながらティッシュを取る。
「頭打つぞ、俺だったら絶対打つ」
モンさんはベッドの端に腰を下ろした。わかってる、彼なりに積極的にしているつもりだ。
「君みたいに長い身体じゃありませんから」
僕は彼のすぐ横に座り、彼の首に手を回した。
視線は外して彼の首筋に顔を埋める。鎖骨にキスをすると、彼もそうした。
まったく…オウム返ししかできないんだから。変わらないね、ほんと。
「今何時?」
ソファーに戻った僕らはまた談笑していたが、モンさんが時間を気にし出した。
え、どうしたの?
「選挙選挙」
この日は某有名なあの選挙の日だった。チャンネルはこぞって速報を流している。
モンさんは苦労して民報のチャンネルを合わすとそのまま動向を見守っていた。
「…モンさんてこういうのも気にするんだね」
「そりゃそうでしょ、歴史的な結果になるかもしれないんだから」
「てーか…半端なくね?こんなに大敗する予定だっけ?」
「うーんここまでじゃなかったはずだけど…あれじゃない?
時流に乗って『俺くらいこっちに投票してみよ』みたいのが、みんなだったっていう」
政治にボンクラな僕に楽しそうに解り易く彼は説明してくれた。
なんだか父を思い出した。僕が小さい頃はよくこんな話をしてたな。
まあ民報じゃなくてうちはいつもNHKだったけど。
急にモンさんと茶の間に居るようでおかしかったが、投票に行っておいて良かったと
少し思った。
トイレから出ると彼はベッドに横になっていた。
「何寝てんのぉ」
僕が彼の横に寝転がると彼は自分の長い腕を伸ばし、僕に腕枕した。
僕は彼にすり寄って薄い胸に頭を当ててしばらく横に丸まった。
彼がよく着ているそのシャツの柄を見ていたら急に身体を波が襲ってきて、
僕は欲に弾かれるように、彼の上にガバッとのしかかった。
唇、顎のライン、首筋にキスをしシャツのボタンに手を掛け現れた二の腕や
Tシャツの下の胸をまさぐった。
イヤ落ち着け自分…まず何は無くても…。
「シャワー浴びようか。せめてケツ周りだけでも」
わかった、とモンさんは笑って了承しベッドの両袖に分かれて服を脱ぎ始めたが
レギンスを下して僕は絶望した。
すね毛がモッサリ生えてます!!
残念な自分にガッカリする。肝心なときに僕は…僕は…
…まあ、そんな間抜けな話も彼は知っているしな、もう、宣言しておこう。
「…すね毛、生えてるかも」
恥ずかしくなってベッドから降りるのをためらう僕を見て、
モンさんはパンツ姿で靴下を下ろしながら真面目な顔でこう言った。
「ああ…俺もかなり生えてるよ…うーん…まずいかな…」
モンさんは顔の割には毛深い。僕はベッドの上を転がって笑った。
(忘れ得ぬ日 3へ続く)
なんかこの人やたら笑うし…会話の糸口がなぁ。
「そういや、こないだカルアちゃんに久しぶりに会ってね」
口をついて出たのはハプニングバーの住人についてだった。
しもた、寄りによって僕と彼がぎくしゃくし出した原因の子じゃん。
彼は彼女と2度遊んでいる。
「…え?」
モンさんが首をひねる。あ、こいつ…彼女のこと忘れてやがる。
「マジか!楽しい思いしたろうが!」
しばしの間のあと「ああ…」と思いだしてケタケタ笑い始めた。
つーか君カルアちゃんのこと結構気にいってませんでしたか…?
そのあと彼はしばらく笑い、また僕が話す言葉ひとつひとつに反応していた。
どうも彼を笑い上戸にさせているのは日々の仕事のせいみたいだ。
忙しすぎて笑いに飢えていて、ハンターちゃんと居る=楽しいという方程式が
彼をそのようにしてしまっていた。
喋りすぎた僕は唇が乾き、リップを塗り直すためにベッドのヘッドレストに置いてある
ティッシュを取りにいった。
ちょっとカッコいい取り方がしたくて、ベッド上に飛び込み前転しながらティッシュを取る。
「頭打つぞ、俺だったら絶対打つ」
モンさんはベッドの端に腰を下ろした。わかってる、彼なりに積極的にしているつもりだ。
「君みたいに長い身体じゃありませんから」
僕は彼のすぐ横に座り、彼の首に手を回した。
視線は外して彼の首筋に顔を埋める。鎖骨にキスをすると、彼もそうした。
まったく…オウム返ししかできないんだから。変わらないね、ほんと。
「今何時?」
ソファーに戻った僕らはまた談笑していたが、モンさんが時間を気にし出した。
え、どうしたの?
「選挙選挙」
この日は某有名なあの選挙の日だった。チャンネルはこぞって速報を流している。
モンさんは苦労して民報のチャンネルを合わすとそのまま動向を見守っていた。
「…モンさんてこういうのも気にするんだね」
「そりゃそうでしょ、歴史的な結果になるかもしれないんだから」
「てーか…半端なくね?こんなに大敗する予定だっけ?」
「うーんここまでじゃなかったはずだけど…あれじゃない?
時流に乗って『俺くらいこっちに投票してみよ』みたいのが、みんなだったっていう」
政治にボンクラな僕に楽しそうに解り易く彼は説明してくれた。
なんだか父を思い出した。僕が小さい頃はよくこんな話をしてたな。
まあ民報じゃなくてうちはいつもNHKだったけど。
急にモンさんと茶の間に居るようでおかしかったが、投票に行っておいて良かったと
少し思った。
トイレから出ると彼はベッドに横になっていた。
「何寝てんのぉ」
僕が彼の横に寝転がると彼は自分の長い腕を伸ばし、僕に腕枕した。
僕は彼にすり寄って薄い胸に頭を当ててしばらく横に丸まった。
彼がよく着ているそのシャツの柄を見ていたら急に身体を波が襲ってきて、
僕は欲に弾かれるように、彼の上にガバッとのしかかった。
唇、顎のライン、首筋にキスをしシャツのボタンに手を掛け現れた二の腕や
Tシャツの下の胸をまさぐった。
イヤ落ち着け自分…まず何は無くても…。
「シャワー浴びようか。せめてケツ周りだけでも」
わかった、とモンさんは笑って了承しベッドの両袖に分かれて服を脱ぎ始めたが
レギンスを下して僕は絶望した。
すね毛がモッサリ生えてます!!
残念な自分にガッカリする。肝心なときに僕は…僕は…
…まあ、そんな間抜けな話も彼は知っているしな、もう、宣言しておこう。
「…すね毛、生えてるかも」
恥ずかしくなってベッドから降りるのをためらう僕を見て、
モンさんはパンツ姿で靴下を下ろしながら真面目な顔でこう言った。
「ああ…俺もかなり生えてるよ…うーん…まずいかな…」
モンさんは顔の割には毛深い。僕はベッドの上を転がって笑った。
(忘れ得ぬ日 3へ続く)
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