彼はそれからすぐに移動になり、中距離恋愛になった。
一度は彼の住む街でデートをし、そのあと僕の住む街でデートをした。
最初と、最後に引導を渡した日を入れれば、半年で4度だけの逢瀬だった。
電話とメールのやり取りは楽しかったし、彼は連絡を苦にするタイプではなかった。
しかし、僕等がこれしか会うことが無かったのは彼がよく連絡を取れない状況に
陥ったからだ。
それは携帯電話の紛失。
作業をしに行った公園に埋めた、二重扉、半地下の武器庫に忘れた、
自分が運転するトラックで轢いた、主に思い出せるのはこれくらいだが、これが常だった。
「あいつはやめといたほうが…」
友人の旦那は言った。彼は自衛○の名物男であり、また、問題児でもあった。
酔っ払って手当たり次第に看板を壊して歩き、信号がまだ変わってない交差点に飛び出し、
急ブレーキをかけて回避した車のボンネットの上で飛び跳ね破壊行為に及んだという。
「まあ…だいたいどんな奴かはわかってるよ。あたしもそう長く続くとは思ってないし」
「あ、でも優しいとこもあるよ、夜勤の連中全員に牛丼買ってきてくれたり」
どうやって外出してるかのほうが問題だろ…。
後日、本人に聞いた話だが、寮内にビールサーバーを設置して一杯売りもしていたらしい。
寮内は禁酒である。
とにかく僕は彼の話が毎度毎度面白くて仕方がなかった。
こんな話もあった。
「クリスマスの頃、みんなで海の近くの旅館に泊まったの。仲居さんに
『あの、今、海は』 って聞いたらスゴイ変な顔されてさ。
だいたいにして鈴木は海パン持って来ないし、全く意味がわかんないよなぁ」
全く意味がわかんないのはお前の思考回路だ。
「…一応言うけど、君は泳ぐつもりだったんだよね。気温、零下だと思うけど」
「だから筋トレして身体あっためてから行くじゃん。腕立て腹筋スクワット各200やってさぁ。
まあ、俺が先に飛び込んだよね。でも平泳ぎで移動してたらだんだん手足が
動かなくなってくるんだよ」
彼は手をだんだん遅くかいて見せた。
和歌山の新春初泳ぎの海の温度は14度。しかし彼が話しているのは東北での話だ。
「まずいと思った時はもう遅くてさ。身体が動かないからとりあえず浜に残ってる
鈴木たちに手振ったの。そしたら楽しそうに手を振り返してくるんだよ」
海で手を振るのは救難信号だってお前らそういうのは勉強してないのか?
「泳いだよね。必死でさ、あいつらの話によると浜に着くまで30分時間経過してたらしい。
そんで100メートルくらい流されてたらしい。マジ死ぬかと思ったわ」
神様、どうかこのバカをお召しください。
彼と僕が別れたのはお金が原因だった。
彼は○衛官の先輩に頼まれ、借金の連帯保証人になり見事にそれを被っていた。
最終的には彼は僕の貸したお金をなんとか返してくれたが、以来、行方は知れない。
彼にもいいところはあった。
それは、僕と別れる気は無かったことだ。
一生一緒に居る気持で、彼は僕に接していた。
大切にされていたわけでもなかった気がするが、その信念は今思い出しても少し嬉しい。
少しの思い出もよく覚えているのは、もしかしてそのせいかもしれない。
行方は知れない、と書いたが、本当に行方がわからなくなっていると数年前に聞いた。
自○隊もやめてしまったそうだ。一番仲が良かった子でさえ連絡先を知らないという。
僕が彼につけたキャッチフレーズは 「神に忘れられた男」 。
僕は、彼が本当に召されたか刑務所に居るかのどちらかだと思っている。
(ロケットランチャーの男 巻きで終わり)
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一度は彼の住む街でデートをし、そのあと僕の住む街でデートをした。
最初と、最後に引導を渡した日を入れれば、半年で4度だけの逢瀬だった。
電話とメールのやり取りは楽しかったし、彼は連絡を苦にするタイプではなかった。
しかし、僕等がこれしか会うことが無かったのは彼がよく連絡を取れない状況に
陥ったからだ。
それは携帯電話の紛失。
作業をしに行った公園に埋めた、二重扉、半地下の武器庫に忘れた、
自分が運転するトラックで轢いた、主に思い出せるのはこれくらいだが、これが常だった。
「あいつはやめといたほうが…」
友人の旦那は言った。彼は自衛○の名物男であり、また、問題児でもあった。
酔っ払って手当たり次第に看板を壊して歩き、信号がまだ変わってない交差点に飛び出し、
急ブレーキをかけて回避した車のボンネットの上で飛び跳ね破壊行為に及んだという。
「まあ…だいたいどんな奴かはわかってるよ。あたしもそう長く続くとは思ってないし」
「あ、でも優しいとこもあるよ、夜勤の連中全員に牛丼買ってきてくれたり」
どうやって外出してるかのほうが問題だろ…。
後日、本人に聞いた話だが、寮内にビールサーバーを設置して一杯売りもしていたらしい。
寮内は禁酒である。
とにかく僕は彼の話が毎度毎度面白くて仕方がなかった。
こんな話もあった。
「クリスマスの頃、みんなで海の近くの旅館に泊まったの。仲居さんに
『あの、今、海は』 って聞いたらスゴイ変な顔されてさ。
だいたいにして鈴木は海パン持って来ないし、全く意味がわかんないよなぁ」
全く意味がわかんないのはお前の思考回路だ。
「…一応言うけど、君は泳ぐつもりだったんだよね。気温、零下だと思うけど」
「だから筋トレして身体あっためてから行くじゃん。腕立て腹筋スクワット各200やってさぁ。
まあ、俺が先に飛び込んだよね。でも平泳ぎで移動してたらだんだん手足が
動かなくなってくるんだよ」
彼は手をだんだん遅くかいて見せた。
和歌山の新春初泳ぎの海の温度は14度。しかし彼が話しているのは東北での話だ。
「まずいと思った時はもう遅くてさ。身体が動かないからとりあえず浜に残ってる
鈴木たちに手振ったの。そしたら楽しそうに手を振り返してくるんだよ」
海で手を振るのは救難信号だってお前らそういうのは勉強してないのか?
「泳いだよね。必死でさ、あいつらの話によると浜に着くまで30分時間経過してたらしい。
そんで100メートルくらい流されてたらしい。マジ死ぬかと思ったわ」
神様、どうかこのバカをお召しください。
彼と僕が別れたのはお金が原因だった。
彼は○衛官の先輩に頼まれ、借金の連帯保証人になり見事にそれを被っていた。
最終的には彼は僕の貸したお金をなんとか返してくれたが、以来、行方は知れない。
彼にもいいところはあった。
それは、僕と別れる気は無かったことだ。
一生一緒に居る気持で、彼は僕に接していた。
大切にされていたわけでもなかった気がするが、その信念は今思い出しても少し嬉しい。
少しの思い出もよく覚えているのは、もしかしてそのせいかもしれない。
行方は知れない、と書いたが、本当に行方がわからなくなっていると数年前に聞いた。
自○隊もやめてしまったそうだ。一番仲が良かった子でさえ連絡先を知らないという。
僕が彼につけたキャッチフレーズは 「神に忘れられた男」 。
僕は、彼が本当に召されたか刑務所に居るかのどちらかだと思っている。
(ロケットランチャーの男 巻きで終わり)
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