カイさんは僕の顎に手をかけ、口移しでビールを注ぎ込んだ。


・・・突然の出来事に僕、ビックリ・・・。
それと同時に訳のわからない感覚が芽生えてきた。


それはなんつうか、突然愛情流し込まれてメロメロっていうか・・・。
イカン、脳溶けてるわ・・・。


カイさんは僕の椅子を回すと、固定していた両手を無言で解いた。
再び椅子を回して、彼は自分の正面に僕を据えた。


「ねえ、こないだの約束覚えてる?」


それは帰り際カイさんが言ったことだった。
覚えていないはずが無い。


「うん、覚えてる」


「じゃあ着替えてこなきゃ」


僕はカイさんに立たされて指定されたコスプレを着た。
セーラー服だった。





カイさんは、痴漢ごっこをすると言っていた。
冗談かと思っていたけど、カイさんはそれを覚えていた。


高校時代の知り合いが居るにも拘らず、僕はカイさんと遊ぶ気マンマンだった。
構うもんか。
カイさんとは何をもってしても遊びたい。





「なんか悪いね。飲みすぎた」


カイさんはジーンズを上げながらこう言った。
でも僕はそんなことはどうでも良かった。
手を吊られ目隠しをされ、カイさんに撫で回され、
囁くカイさんの声に僕は何とも言えない満足感を覚えていた。


カイさんは僕と絡んでいるとき、いつもしっかり僕を支えている。
それはこの人に深い愛情があるからだと、だんだんわかるようになった。
モンさんみたいに好きなのとは違うけど、僕はこの人が大好きだった。


「そんなの別にどうだっていい。
カイさんこないだ挿入が全てじゃないって言ってたじゃん」


「ああ、確かに」






僕らはまたビールを飲んだ。


隣に以前見かけたことのある男性が座っていた。
あ・・・コイツ・・・。
前、話やら態度やらが自己中心的なネガティブ男で、ムカつくから説教した奴だ。


挨拶とカイさんに紹介だけして、僕はさっさとカイさんと2人の時間を
楽しみたかった。
しかしカイさんは彼が気に入ったのか、結局テーブルへ移動して3人で飲む
羽目になった。


くそ・・・よりによってこんな奴と・・・。





このときのカイさんの意図など、僕は知る由も無い。





(取ったりなったりミイラ取り 5へ続く)





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