医者のつっこみ | 松本風民の催馬楽ライカ

医者のつっこみ

生まれたてのころ。


ぼくは、ふすまの上の段で寝かされていた。

フトンなんかをしまうあれね。


扱いが、雑じゃない?


・・・もうなんか、この時点で、

親を疑いたくなるんだけど、さらに

両親の良心を不信に思う出来事が・・・


ある真夜中、


「んぼとっ!」


という音がした。

両親が電気を点けてみると、

ぼくは畳の上に転がっていたらしい。


母 「いやっ!どうしょ!ふーみん落ちてるで!あんた」

父 「ん~?どれどれ (と、ぼくの呼吸を確認)、

   まー大丈夫やろ。息してるし」

母 「そーやな、おとなしゅう寝てるし。大丈夫か」



大丈夫やあるか~い!

めちゃ高いとこから落ちてんねん!

赤ん坊やぞー!俺は!

なんぼほど楽観的やねん!

なに、めんどくさがっとんねん!


瀕死の状態かも・・・っていうふうに

心配せーへんのかい!おのれらわっ!

もっと言うと、おのれらの

初めての子どもなんちゃうんかいっ!


という怒りも冷めあらぬまま、命に別状なく

一ヶ月が過ぎたある日のこと・・・


ぼくは風邪をひき、熱を出していた。

さすがの両親も、今回は病院に連れていき、

ぼくを診てもらったらしい。


父母 「風邪ですかね~、先生」

医者 「んー。風邪やね。まー大丈夫や。熱もこれで下がるやろ」

父母 「ありがとうございます」

医者 「まーそれはえーんやけど・・・

    それよりあんたら、この子・・・・・・どっかで落としたやろ?」

父母 「(ギクッ!)えーっつと・・・どーやったかな・・・」

医者 「あかんで、ごまかしても。こっちの方が重大やわ。

    落としたときにちゃんと連れてこんかい!」

父母 「はい。すんません・・・」


こっぴどく叱られたらしい。


この話しは、ぼくが大学生のころに、父が食事中に

ポロッと口をすべらせた形で聞かされだのだが、

バツが悪いのか、父も母もそれ以上、詳しく話そうとしない。

だから今だに、ぼくも、これ以上詳しいことを知らない。


・・・なんじゃ!?この親子。