ハウルの動く城
2日間で日本映画歴代1位の興行収入を記録したらしい。宮崎駿パワーすごいなー。それだけの重みをどうやって処理してるんだろうっていつも思ってしまう。そしてやっと感想。単刀直入に言うと、期待を超えるものでは決してなかった。期待の大きさの所為ももちろんあるんだろうけれど、これが待ち焦がれた宮崎駿の最新作だと思うと、熱烈なジブリファン、というより超熱烈な宮崎ファンとしては少し淋しいものがある。映像から溢れ出す世界観や映像自体の綺麗さはやっぱり最高なんだけれど、それがこの作品のいちばんの見所かも。映像の美しさは宮崎作品の魅力の構成要素の一部であって、魅力それ自体ではないはずなのに、そうあってほしいのに。
キャラクターに着眼すると、根っからの悪役が出てこないのは宮崎作品の持ち味のひとつだけれど、サリマンと荒地の魔女はお互いを損ね合っている気がする。もちろんソフィーは魅力的な女の子ではあったしイケメン魔法使いハウルの不敵さも後半の人間くささも好感はもてた。キムタクの声も予想よりは全然よかった。
なんだけど、やっぱり、メッセージ性の弱さと、ストーリーの薄さは否めない。とっても自分勝手な意見だけれど、宮崎駿に単なるラブストーリーなんて、もとめてない。
宮崎駿が監督した作品である、ということは、作品それだけを観ることをとっても難しくする。こんな重圧のなかで、作品を作り上げること。たいへんだなあ。
(11月22日、チネチッタ川崎)