一年ほど前だったろうか。
高校時代の友人からフェイスブックのインビテーションのメールが来た。彼をA君としよう。
A君からはミクシーの友人追加リクエストをかなり前に貰っていてずっとほったらかしにしていた。フェイスブックの仕組みが良く解らなかったのだが、あまり無視を続けるのも申し訳なく思い、とりあえずフェイスブックの世界で断ろうと思ってアカウントを開いた。
アカウントが出来た途端、もしかしたら知り合いですか?と言うメッセージとともに、二人の人物の名前が出てきた。
一人は一度だけ会ったことのある某新聞社の記者、もう一人は30年以上音信不通の高校時代の同級生、この同級生をBとしよう。
新聞記者氏とは何度かメールのやり取りをしている、しかしBとは仲が悪かったし、都合が悪くて同窓会にも行っていないので高校卒業以来会っていない、しいて共通点を言えば同じ業界で仕事をしているということだが・・・。なぜだ、なぜこの二人と私の関係をフェイスブックが知っているのか?
そのうち会社の後輩や友人から、私からのインビテーションが来たという連絡が来た。ここでどうやら私のメールシステムのアドレス帳が勝手にフェースブックに利用されているらしいと気が付く、私のメールアドレス帳にのっている全部のアドレスに勝手にinvitationが送られている!
友人と後輩には「私の意志に反しているので無視してほしい」と連絡して、フェースブックのアカウントを閉鎖する作業に入る。
もしかしたらBの件もA君のアドレス帳から分析したのかもしれない。
ブログなどもそうだが、こういう枠組みというかシステムはアカウントを開くときは解りやすく、すぐに開けるようになっているが、アカウントを閉鎖する方法はすぐにはわからないようになっている。
フェースブックも例外ではなく、散々探しまくってやっとアカウントを閉鎖、それでも『好きな時に直ぐに再開できます』という捨て台詞のようなメッセージ付きで。
ちょっと詳しい人間に聞いたところでは、フェースブックにリンクするというアイコンがどこかにあって、それをクリックしているとこういう現象が起きるのだそうだ。
しかし、たいていの場合フェースブックとのリンク・・・と言うことがどういう意味だか、ここまでやってしまうという意味だとは理解していない場合が多い・・・・そうですかSさんもFB閉鎖ですか・・・。
利用規定だの利用約款だのを良く読めば多分書いてあるのだろう。しかし、アドレス帳から定期的に招待メールを出すのは明らかにやりすぎ、100歩譲ってアドレス帳の利用は理解できるとして、そこにインビテーションを発信するのは完全にやりすぎ。アドレス帳にはかつて仕事上の必要があって連絡を取ったが、人間的に軽蔑すべき人間も載っている。そんな人間にまでわたしが『招待状』を送ったかと思うと虫唾が走る。
フェースブックの意義はある程度認める。
私の知り合いでも仕事上有効に使っている人もいる。
しかし、私はその運営方法が納得できない。
アメリカの企業はダイレクトメールを出すときに差出人を印刷しないという方法を取るのが通例だ(9.11以降すたれているとも聞くが)。差出人がない郵便物を受け取った人に「なんだろう?」と思わせて開封させるといういわゆる『ひっかけ』の手法、姑息な方法だ。
フェースブックにはこれと同様の思想を感じる。誠に姑息である。だから嫌いである。