メキシコのタコス道① 大行列の庶民派タコス編 | B級グルメを愛してる!

メキシコのタコス道① 大行列の庶民派タコス編

メキシコに行ってきた。

VIVA!メヒコ、アミーゴ、アディーオス、ってなもんである。

でもって、タコスをひたすら食べてきた。

タコス…自慢じゃないが私はタコスなるものをZEST 以外で食したことがない。

よってタコスはビールのツマミ、あるいはメキシコのファーストフードくらいにしか思っていなかったが、メキシコでは立派な主食だ。

朝タコス、昼タコス、夜タコス。

ホントに彼らは朝から晩までタコスを食べている。

アメリカンだって毎食、ハンバーガーは食べていないだろうし、コリアンだってキムチばっかり食べていない…いや、彼らは食べてるかもしれないな…なにせ朝からキムチを食べる民族だし。


ちなみにそれほどタコスに造詣の深くない私の思うタコスとは、

トルティーヤに具を入れて巻いて食べる。

具はビーフ、チキンをメインにトマト、オニオン、レタスなどスライスした野菜などなど。

それにハラペーニョやらソースを塗って、巻いて食べる。

サンチュに焼肉を巻いて食べる、あるいは北京ダッグを皮に巻いて食べるのに似ている…

がしかし、焼肉、北京ダッグとは違ってメインディッシュとしてはイマイチな食べ物、といったところだ。


果たして朝昼晩と3食食べても飽きないほど、タコスにはバリエーションがあるのか?

そして美味なものなのか?

真のタコスとは何ぞや?という命題を探るべく、メキシコへと赴いたわけだ。


成田-L.A-カンクンという15時間に渡る飛行機の旅の末、無事、メヒコに到着。

待ち受けていたのはギターを弾き、歌を奏でるマリアッチ…ではなく。

最近、芸能界のB級グルメ王ともっぱらの評判の友人Tであった。

「アミーゴ、灼熱の太陽とタコスが待ってるぜ」の言葉に乗せられてはるばるカンクンまで来てしまった私…

友人Tは一足先にタコス道を極めるべく、やってきていたのだ。

「いいタコス屋、見つけたよ。ダウンタウンに行列の出来るタコス屋があったのさ」

友人Tは一体をくまなく歩き、さまざまなタコス屋を見て回ったという。

で、見つけたのがカンクンリゾートからはちょいと離れたダウンタウン区域にある店であった。


地元のメキシカンたちが行列を作ってるぜ。きっとウマイに違いない…」

時は週末の午前9時。

ダウンタウンの土産物屋などが並ぶ市場の中にその店はあるという。

市場は昨年、10月のハリケーンの影響で多くの店が損壊、閉店している。

うす暗い閑散とした廃墟の中をうねうねと歩いていくと突然、その店は出現した。

確かに大行列が出来ている。

他にも数店、タコス屋は存在しているが、この店だけが混んでいるのである。


これこそがメキシカン・タコスさ。日本のタコスとは似ても似つかないもんだぜ。タコスの概念が変わること必死だぜい」とTは言う。(※ちなみに友人Tだが、実際にはこんな口調ではない)

どれどれ、店を覗いてみるとかなりデカイ容器に調理された肉が入っている。


takos2

(こんなデカイ容器に肉が盛られていた。これがあっという間になくなるのである)


バラ肉らしき物体がやわらかく煮られた感じで、どうもこいつのみをトルティーヤに挟んで食べるようだ。

確かに思い描いていたタコス像とは違う。

生っぽい。日本で食べたことのあるタコスに較べるとはるかに生っぽい感じがする。

チップス風のとうもろこしの皮に肉やら野菜やらをのせて食べる日本風タコスは、乾きモノの域を出ないが、こちら本場のタコスはほっかほっかの生タコスである。


で、友人Tが言うには「特別メニューがあるらしくて、レバが食えるんだ」とのことだ。

辞書なんかを見ながらカタコトのスパニッシュでレバを追加オーダーした。

レバね…なんか居酒屋の様相を呈してきた。

これが大衆派のタコスなのか?

リアルタコスとは酒のつまみ系なのか?

でてきたタコスはこんな感じ。


takos

(トルティーヤにてんこ盛りに肉がのった庶民派タコス。横の黒い物体がレバー)



ご覧の通り、トルティーヤに肉がてんこ盛りだ。

レタスの細切りやら、トマトやら、オニオンやらの具はない。

肉のみ、実にシンプルなタコスである。トルティーヤにはほんのりと味付けがされているようだ。

まずは何も付けずに食べてみる。

ふむ、見た目通り、肉はホクホクでジューシー。焼酎で一杯やりながら食ったらウマイだろうなと思いつつ、食す。

日本のタコスとは似て非なるモノ、といわざるをえないだろう。

次に唐辛子のチレソースを付けてパクリ。

うむ、ようやくタコスらしい味わいになってきた。

そして、最後に激辛ハラペーニョソースを付けてみる。

周囲のメキシカンたちから「ベリベリHOT」と掛け声が飛ぶ。

こりゃ辛い~

皆、コーラをがぶがぶ飲みながらを片手にタコスを食べていた。

味付きトルティーヤ、ホクホク肉、激辛ハラペーニョソース、コーラ、これが本場タコスの4点セットなのかもしれない。


ほとんどのメキシカンは3~4枚、中には5枚も一人でパク付いている強者もいた。

私ももう1枚チャレンジしようかと思ったが、満腹感よりも何より踏みとどまらせる大きな問題があった。

味のバリエーションがない、というか味に飽きてしまうのである。

確かに2種類のソースはある。

しかし、激辛ハラペーニョソースを塗ってしまうとなにもかもがハラペーニョテイストと化してしまうのだ。

これはキツイ。

友人Tは数日前よりタコス漬けで、やはりタコスに飽きてきたと言っている。

おそらく肉だけを酒のつまみで食ってる分には飽きないのだろうが…


そんなことを考えていると友人Tがさらなるレアなタコスがあることを教えてくれた。

ダンナ、もっとレアなナタコスがありますぜ。内臓たっぷりのモツタコス。これはレアでっせ、ヒヒヒヒ…」(何度も言うがTはこんな話し方はしない)

モツタコス…いったいどんな味わいなのか…

遠くメキシコの地で私の愛してやまないモツに出会えるとは感激だ。

つけあわせのレバーでその片鱗を見せたが、まだ見ぬ強豪に私の胸は震えた。

果たしてどんなタコスに出会えるのだろうか…


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(タコス屋台でオーダーをする友人Tの図)