今日の朝、愛犬は天へと旅立った。

ペットショップで一目惚れしてお迎えした黒柴。
初めて家に来た時は手のひらにのるぐらい小さかった。

5月に17歳になる予定だったおじいちゃん犬。
沢山の思い出はあるけど、それは心の中にしまっておく。

14歳になってから脳梗塞を2回やって、2回持ち返した。目も少し前から白内障で見えなくなってきていたし、足腰も弱くなっていた。

それでも頑張って生きていた。

1ヶ月半前に調子が悪くなって、そのうちに寝たきりになった。様子を見ながらもう今までのように持ち返さないと薄々感じていた。

日に日に痩せていく愛犬。

見ていて辛かった。
辛くて目を逸らしていた。
残された時間はそう長くはないかもしれないと感じていながら。

最後の前日、連日の寒波の中、その日はとても暖かい日だった。
愛犬を外で日向ぼっこをさせた。
とても穏やかな顔で寝ていた。

周りで作業してても寝ていた。
とにかく気持ちよさそうで、この暖かな中で穏やかに召されたら愛犬にとって幸せな最後だろうなと思っていた。


次の日の朝、愛犬は旅立った。
体はまだ温かかった。

まるで寝ているようだった。
寝息が聞こえてきそうなぐらい、生きているような寝顔だった。

最後の時、近くにいてやれなかった。
1人で逝かせてしまった。
きっと寂しかったろうな。

ごめん。

今まで大した事をしてあげられなかった。
愛犬にとってこの17年はどうだったんだろうか。
幸せだったのだろうか。辛くなかっただろうか。

そんなことばかり考える。

妻が言っていた。可哀想だと思ったら、本当に可哀想な犬生になってしまうよと。

はっとした。

だから身勝手な飼い主だけど、きっと幸せだったと信じたい。苦しまず穏やかに逝けたと信じたい。

そしていつか僕も天に旅立つ日がくる。
その時に嫌じゃなきゃ迎えにきて欲しい。
いった先で僕を待っていて欲しい。

ありがとう。
忘れない。君はこれからも僕の心の中で一緒に生き続ける。最後の時まで。

ありがとう。

2006年5月23日生まれ
2023年1月30日没(満17歳)