気がつくと、僕は公園にいた。


人気もなく、遊具もなく、

こじんまりとした感じ。


僕が立ってる側には、

一本の桜の木が立っていた。


桜は八分咲きといったとこか。

満開ではなかった。


しかし、妙だ。

なんでこんな時季に桜なんか咲いてんだ?


今は2月、桜なんか咲いてるはずもない。


そしてすぐに気がついた。


「そうか!これは夢の中だ」


どことなく、見た事のある景色だったが、

現実世界と明らかに違いがあった。


だから夢だと気づいたのだ。


辺りを見回した時、急に目の前が光に包まれ、

子供位の人物が姿を現した。


しかし、光に包まれているため、

本当に人間かどうかは識別できない。


でも、その人物は僕のところに近づいてきたのだ。


僕は膝をつけて、目線を合わせてみた。


すると、その者は何かを話し始めたのだ。


夢の中の出来事だから、何を話してたかは覚えていない。


しかし、これだけははっきり覚えてる。


その者の話を聞いてた僕は、

大粒の涙を流したのだ。


地面に滴る程の大粒の涙。


何か…感動する様な話を聞いていたのだろう。


しばらくして、涙を拭おうとした途端、

ハッと目が覚めた。


目を覚ましてすぐさま顔に手を当ててみたが、

涙は流していなかった。


「どうかしたの?」


隣で寝ていた彼女に聞かれたが


「いや…なんか…変な夢見てさ」


「もしかして、死んだあの子が出てきたのかな…。それとも…」


と、流産した子が出てきたのではないかと言ってきたのだ。


でも違和感があった。


なぜなら、その子が死んだのは、

妊娠して僅か3ヶ月後…。


人の形などほぼしていなかったはずなんだ。


でも夢で見た時は、明らかに人の様な形をしていた。


ひょっとして…。


僕は京都で見た、あれを思い出した。


京都で見た、あの地蔵の事を。