体外受精を提案されたものの、

すぐには決断できなかった。


なにせ外で受精させたものを

彼女の身体に戻す訳だ。


ちゃんと着床したとしても

無事に育ってくれるのか

育ったとしても、問題なく産まれてきてくれるのか…。


そんな不安ばかり抱えていた。


それに、費用が馬鹿にならない。


片田舎で働く僕は、そう大して稼いでる訳でもないし、彼女もパート勤めだったから、扶養の範囲内でしか収入を得られていない。


ハッキリ言って赤字だった。


「頑張って貯金してきたのに…できなかったらどうしよう…」


そう泣き崩れていた彼女の姿は今でも忘れられない。


相当なプレッシャーに押し潰されそうになり、辛かっただろうな…。


僕は男だから、変わってあげる事なんてできない。


彼女に寄り添い、支えてあげる事しかできないのが悔しかった。


とにかく今は、少しでも状態を良くするためにできる事をやろう!


そう言って、当日までに準備を進めていった。


・助成金の確認

・各々の生活習慣の見直し

・検査キットを使っての自己検査

・サプリメント等の見直し


できる事はなんでもやった。


それだけ必死だった。