あまりにも、重く、深く考えさせられる物語であった。
強固なミッションを持ち、自らの意志で力強く行動する神父。
しかし、文化と価値観が全く違う当時の日本という現実の中で、
自分の行動の「意味」、そして生きる「意味」さえも大きく揺らぐ。
最終的に、自らが主体的に選択し意思決定を行うが、
その一助となるのが、ロールモデルとも言える人物の存在。
彼との会話、やり取りで、捉われを捨てる気づきを得たのか。
キャリアコンサルタントとしての観点から、
企業がダイバーシティを重要視する現代社会と重なる。
お互いの「違い」を知り、認め合い、共に創る共創。
また、働く意味、生きる意味の重要性を強く再認識させられた。
会社任せのキャリアではなく、主体的にデザインする重要性。
現代のビジネスの世界でも、最も変化が大きい部分。
一方で、文化・価値観の違いから、
欧米人の自己主張主義と、日本人の集団主義を感じ、
外資系企業で働いていた頃の苦労を想い出す。
「働き方改革」が日々進む、現代の我が国においては、
益々、自身のワークキャリアとライフキャリアに責任を持ち、
意味ある人生を、主体的に生きることが求められている。
時代は違うが、自分を見つめ直す良い作品である。