その2 「秋田」改訂版 | BAR.ブログ

その2 「秋田」改訂版

日本は秋田県鹿角郡(カヅノと読む)小坂町に一つの芝居小屋がある。



名前は「康楽館」



今年の8月に創建100周年を迎え、国の重要文化財にも指定される。

旧金毘羅大芝居や永楽館とともに、日本最古級の劇場の一つである。



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特徴として、下見板張りの白塗り、上げ下げ式窓と鋸歯状の軒飾りが並び洋館風の外観を持つ。


桟敷、花道、切穴(すっぽん)など典型的な和風芝居小屋の内装であるが、内部天井には中央にチューリップ型電灯と八角形の枠組みになっており和洋折衷の造りとなっている。


切穴(すっぽん)と呼ばれている花道上にあるセリ(昇降装置)と「盆」と呼ばれる回り舞台は現在も人力で動かしている。


また日本最古の芝居小屋を自認しているが、(正確には現在も利用されている木造芝居小屋として最古を自認しているものであるが)当館より9年古い1901年築の永楽館(現地に現存する劇場として日本最古)は現在も利用されている。なお日本最古の劇場は1835年築の旧金毘羅大芝居である。

歌舞伎大芝居などの特別な公演がある日と休館日(年末年始のみ)以外は常設公演の有無に関わらず施設内を見学できるようになっている。


桟敷は舞台に向かって緩く傾斜し後ろの人への気配りがされているほか、当時として画期的な電灯による照明設備があったことから、東北一の芝居小屋と呼ばれていた。



康楽館は、小坂鉱山の繁栄と鉱山町の都市基盤整備を物語る遺構のひとつとして貴重であり、近代の芝居小屋のうち、伝統的な形式を踏襲しつつ、優れた洋風意匠を取り入れた現存最古のものとして歴史的価値が高い。





秋田県が誇る芝居小屋・・・「康楽館」


もし秋田に行く機会があれば、一度足を向けてみる事をお勧めする。







BAR.企画ブログその1「火」
『秋田』

by.照屋 翼