「アンサーゲーム」は小説にあらず、文字の単発バラエティ番組 | アズーロのブログ

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「アンサーゲーム」(五十嵐貴久)を読みました。

 

一日で読み終えられた。

 

ネタバレにならない程度に言うと、結婚式を

終え、ハネムーンに出かける前夜の新婚夫婦

がホテルから拉致され、監禁された部屋で

10問のクイズに答えていく、というストーリー。

 

展開自体は面白いのですが、あまりにも不明

な部分が多すぎて小説の体を成してない、と

いうのが僕の正直な感想です。

 

犯人はどうやってホテルから連れ去ったのか。

そしてどうやって密室に監禁したのか。

 

どうやって新郎新婦の過去の行動を把握し、

当時の画像やメールなどを手に入れたのか。

 

監禁場所はどこだったのか。

 

チェックアウト時には露呈するであろう彼らの

行方不明の事実を警察がどう扱ったか。

 

何よりも、犯人の目的は何だったのか。

 

最後にまったく彼らと無関係のカップルを次の

ターゲットに選んだ理由は何か。

 

最後まで読んでもわからないことだらけであり、

まったく答えを提示しないまま終わっています。

 

「人狼ゲーム」というバラエティ番組がありますが、

あれの放映部分だけを書いたような感じでした。

 

五十嵐貴久氏といえば、「リカ」シリーズの作者。

けして細かい描写や物語の背景の構築に手を

抜く作家ではないんだけどな…。

 

なんとも妙な読後感を味わった一作でした。