社会恐怖と回避性人格障害
初めに、この記事を開いてくださった方はおそらく、自分の不安感と社会恐怖について悩みを持たれているでしょう。不安から恐怖は生じて、それは時に自分の意識だけではコントロールできなかったりします。

 

そのたびにうずうずしてしまうのはつらいですよね。

 

 

ただ、その仕組みを知ることによって、少しでも不安を和らげることができたり、正確による不安の感じやすさを調整することがきっとできると思います

 

。回避性人格障害を抱えていると、対人関係を避けてしまい、成功体験を積む機会が減ってしまう傾向にあります。

 

いままで挑戦を避けてしまっているのには原因があります。自分の不安を理解することは、自分らしく生きる第一歩となるのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

・社会恐怖とは
皆さんは人前で何か発表するときや、異性やよく知らない相手と話しているとき、集団内で自分の意見を言うとき、他人に見られながら日常的な行為するとき、

 

以下の場面で不安や恐怖を感じることが少なからずあると思います。

 

以下の場面で共通しているのは他人の評価が関与しています。

 

大事なピアノコンクールで失敗したら、親から、観客から無能だと思われたり、けなされるのではないかと考えたりします。また対人関係を送るうえでも、自分が変な見た目をしていて何か気の利いたことや面白いことを言わなきゃ嫌われるだろうと思って、相手に気を使いすぎ、かえって動作がぎこちなくなり、人間関係がうまくいかない場合があります。

 

 

社会恐怖とはこういった他人と何らかの形でかかわりあうときに過度に生じる不安のことだと言えるでしょう。

 

 

僕自身も思い当たる節があります。特に女性と話をするときは過剰に緊張して活舌が回らなかったり、動きが固まってしまうことがよくあります。昔から周りに流されて自己主張できなかった人間だったので、女性相手だと陰口も多いだろうとか勝手な妄想をしては、女性は恐ろしいと自分で思い込んで、なるべく異性とはかかわらないようにしていましたし、かかわってきた女性には以上に気を使っていました。しかも気を使いすぎて空回りして、関係が悪化したりそもそもお話にならないことがあって、かえって社会恐怖を強めていました。

 

 

 

 

・どのようにして社会恐怖が発生するのか?
人間が何かを感じ取れるのは脳のおかげです。

 

 

その脳の働きには情報を選別するというのがあります。

 

 

想像してみてください。真冬の寒い商店街を歩いていて、レストランを決め入店しようとしてドアノブに手をかけ店内に入りました。あなたは店内のあったかい空気や、店員の制服、席に座っているカップルや、パソコンを開いて作業をしているサラリーマン、料理のにおい、、、

 


この中で実際に本人が意識できているのはその中の膨大な情報のうちごくわずかです。

 

 

 

その中でどの情報を切り捨て、どれを意識するかは本人の無意識に支配された考え方で決まっています。

 

 

 

つまり異性との会話を例に挙げるのならば、女性と話すときに緊張してしまう時には、「僕みたいな背が低くて、おまけに面白くもないような人間なんて関わるのが嫌なんだろう」とか、「自分には堂々とふるまうことなんてできないよ」といったような思い込みがまず存在して、その誤った自己認知から、相手の表情なりうかがって、悪いところばかりが目につき、ああ嫌われちゃったかとか勝手に脳が解釈してしまうんですね。

 

 

思い込みが前提で、起こりうる未来のことを予測し不安になっているということなのです。ですから、ある状況において不安を感じやすい人間は過去において似た状況で失敗し、トラウマを抱えている可能性があります。また未知の体験をこれまでの自分の経験から推測している場合もあります。

 

 

社会恐怖も何らかの考え方によって脳が意味付けをして発生すると言えます。

 

 

このように私たちの脳は
・情報を選別し
・それに対して意味付けをするが

 

 

 

このプロセスは自分の考え方によって偏った選別と、意味付けを行っているということをおさえてください。

 

 

社会恐怖を感じる人の支配された思い込みは様々ではありますが、できた出来事を全部自分のせいにしたり、良いことを過小評価し、悪いことを過大評価する、たった一つの結果がすべてだと、思い込んでいることが多いです。
まじめで頑張り屋さんな方がこのような不安を感じてしまいやすいんですね。

 

 

 

脳にはこのような現実に対して誤った判断を下す癖があります。

 

 

ただ、脳の癖が分かったとして、どうやってその癖を直すんだと思いますよね?

 

 

 

 

その脳の癖は、絶対的信念によって決定されているのです。これを心理学用語で「スキーマ」とい言います。

 

 

たとえでいうなら、「皆から嫌われないためには、人に迷惑をかけてはいけない」とか「ひとから好かれるためには、面白いことを言わなければならない」といった~すべき、―しなければいけないといった、自分の行動を支配する考え方の枠組みです。

 

 

 

この考え方の枠組みは非常に強固であり独力で変化させていくのは非常に困難であるので心理療法など外部の人間の助けを借りて修正していく必要があります。

 

長い人生の中で染みついたスキーマです。改善にはかなりの努力が必要になってくるのでしょう。

 

 

 

このようなスキーマも人間の承認欲求という社会的欲求を持っているのだから先ほど表記したスキーマを持っていたとしても何らおかしいことではないのではないかと考えます。

 

 

自分の信念をどれだけ意識しているかということも問題になってきます。

 

 

社会恐怖を感じている人の特徴として自意識が過剰になっているというのがあげられます。人から自分がどう見られているのか、どうせダメなんだろう、とか自分の考え方ばかりに集中してしまいます。

 

 

 

自意識が過剰であるがゆえに後で反省すれば、ああ、自分のことしか考えてなかったと反省する方も多くいると思います。

 

 

自分に注意が行き過ぎてしまいがちの自己中心的な性質の原因については先天的な問題と後天的な問題が複雑に絡み合っているためにはっきりと解明されていないそうです。

 

 

・どんな人が社会恐怖を抱きやすい?
社会恐怖は先天的要因(遺伝)と後天的要因(時代文化、家庭環境、過去の経験、)が複雑に絡み合っていることが多いためどんな人が社会恐怖を抱きやすいかは明確ではないです。

 


ただ、遺伝で生まれつき知らない場所に行くのを怖がったりして泣いてしまう感受性の強い子供はこのような社会恐怖を抱きやすいです。

 

 

このような特徴はほかの動物にも表れるという研究もあります。

 

 

しかし、生後数か月手人見知りや、内気の傾向を示したとしても、その後の家庭環境や経験によって社会恐怖を感じやすい性格は改善される余地があるので一概にこういう人が社会恐怖に陥るという決めつけができません。

 

 

 


・回避性人格障害について
人間は誰しも強い不安を感じる状況を避けようとします。

 

 

 

 

「苦手な状況からできることなら逃れたい」という気持ちはごく当たり前の感情です。

 

 

しかし、そのような行動が習慣化すると回避性の性格として固定化し、それが日常生活で大きな支障ををきたすようになると回避性人格障害という精神疾患になってしまいます。

 

 

 

回避性人格障害は普段行う回避行動と地続きになっています。

 

 

回避性人格障害の人は不安を感じる状況を何とかして避けようとしますが、そのせいで、彼らは実に大きな代償を支払うことを余儀なくされています。

 

 

 

 

また回避性人格障害の特徴として、常に身に起こる危険を先回りして考えるというのがある。

 

職場の会議や、パーティーがあるとき、自分にとって不安要素を事前にチェックして、何とかして、その状況を避けて何かと理由をつけては人と会う約束を断ろうとする。そのための口実づくりなら彼らは何でもします。

 

 


そして回避性人格障害の最大の問題点はその精密な口実づくりの繰り返しにより、自分の回避行動を正当化してしまうところだ。

 

 

 

 

回避性人格障害の人は自分の回避行動を決して批判しない。

 

こんなに疲れているんだから今は家で寝てもいいだろう、あそこにいる人間は私を快く迎えてくれるほど寛大ではないだろう。といったような状況から逃げる理由を自分以外のもののせいにするのだ。

 

 

彼らは自身の回避行動の理由を「怖いからできない」ではなく「そんなことはしたくない、する必要性がない」と理由をすり替えているのである。

 

 

 

こうすることで自分が何に不安を感じて何を恐れているのか、本当の問題に向き合わなくて済む。彼らは問題すら忘れて、他人のせいにし続けて最終的には他人に対し憎悪や倦怠感を抱くようになってしまうのだ。

 

 

 

こうしてどんどん自分の殻に閉じこもっていく。

 

 

 

ただここで彼らの回避行動の正当な理由付けはやがて破綻する。なぜなら彼らは決して本心で孤独になることを望んでいるわけではないのに、自分に嘘をつき続けて孤独になってしまうからだ。

 

 

回避性人格障害はある研究によると50%は社会恐怖とかかわりがある。専門家の中には回避性人格障害は実は存在せず、それは社会恐怖を抱えた人間が不安から逃げようとするときにその症状が現れるに過ぎないと主張するものも多い。

 

 

 

回避性人格障害と社会恐怖の特徴を比較してみる
回避性人格障害                              社会恐怖
回避行動を正当化する                      回避行動に罪悪感を感じる
他人に責任があると感じる                  自分に責任があると感じる
社会不安に関して誰にも助けを求めない         誰かに助けを求める

社会不安の自覚がない                   社会不安から生じる苦しみを自覚している
自我同調性(私はこういう人間であるという自覚)    自我異和性(私はこういう自分が嫌いだ)
有人が少なく、外出が少ない             何人か友人がおり、用事がなければ出かけることある
 

両者を比較してみると社会恐怖から耐えられなくなって、その防衛行動として、回避を繰り返してくると回避性人格障害に移行する感じがしないでもない気がします。

 

 

・誰でも不安は感じるもの
不安という感情は人間の生活には欠かせない機能です。大昔から人は、危険から逃げるために進化してきました。この不安をどうにかしようとしても無駄ですし、勝手に不安が沸き上がってきて自分自身が無気力になってしまっていては体力を無駄遣いします。不安と向き合うより、目の前の状況を自分がどう解釈しようとしているのか、その解釈が本当に正しいのか、しっかりと見極めて自分の奥底にある認知のひずみをとらえるようにしましょう。

 

 

 

 

・社会恐怖の克服方法
社会恐怖を克服する方法は大きく分けて薬物療法と心理療法があります。しかし薬物療法については副作用とか怖いところが多いので割愛して心理療法について解説します。

 

心理療法は認知行動療法と精神分析療法があります。
認知好悪同療法とはその人の味方と行動様式を変えるためお治療法であり、社会不安を含む多くの心理的障害が非合理的な考え方が染みついてどうしてもやめられなくなっていることが原因になっています。その考え方の根っこを変えようとしたものが認知行動療法です。

 

 

しかし精神分析療法にいうその障害が起きた理由の解明は認知行動療法では二の次にされています。その人の幼少期や深層心理を探っていくより、もっと具体的で現実的な部分に働きかけるほうがずっと効果的なのである。

 

 

 

セラピストの使命は、社会不安を感じる人々が苦手と感じる状況に積極的に立ち向かい、対人関係を改善していけるようサポートすることである。
そこで重要なポイントは三点ある。

 

 

 

1、 逃げ出さないこと
2、 上手なコミュニケーションの仕方を学ぶこと
3、 物の見方や考え方を変えることです。

 

 

 

 

 

僕はこのポイントを見て少しがっかりしました。確かにって思いますけど、あまりにもシンプルな提案すぎてどうしていいかわかんないんですよね。

 

とは言え具体的に見ていきましょう。

 

 

まず1については見てムッと着た方が多いと思います。自分が不安を感じる状況から逃げない、不安を克服するためには不安と向き合わないといけないなんて嫌だなーって感じると思います。僕もそうでした(笑)

 

 

人が集まる場所に行くと逃避したり、うつむいてその場にいても、コミュニケーションを回避したくなってしまいます。

 

 

 

ですが、本気で変わりたいと思っているのなら、問題から目をそらしてはいけない、逃げようとするから不安になるけど、向き合うと決めたら不安は少しでも楽になります。覚悟決めろってことですね。

 

 

 

 

 

 

2については実際、セラピストと一緒にシチュエーションを決めて、その役割を演じながらコミュニケーションをとっていきます。ここでは話し方とか、聞き方、表情や動作を添削してもらいます。

 

録音などをすることによって自分で添削することも可能です。

 

 

また職場であった不安を感じる場面でとったコミュニケーションを見直してみて不安を感じていた時にどう考えていたのか見直す必要があります。

 

 

 

3ですが、1、2の延長で初めて成り立つ反省です。自分が何を考えて不安を感じるかをノートにとっていき自分の考え方のスキーマを見つけていきます。

 

それを自分自身でじっくり疑いつつ批判していき、認知のひずみを修正していきます。

 

簡単なようですが考え方が変わるまでに多くの不安が伴い、失敗もすることが多いでしょうが、最後は本人の変わりたい思いと、反省して改善策を考えていく新しい思考が必要になってくるわけですね。

 

 

ただ一人でやってしまうと客観的な判断が下せず、挫折することも多いのでセラピストだけではなく、家族や、親しい友人の協力が必要になってくるでしょう。

 

 

認知行動療法は魔法ではないので本人の行動をコツコツ積み上げていくことで初めて恐怖を乗り越えられる治療であると言えるでしょう。

 

 

 

 

社会恐怖の克服は簡単ではありませんが克服してらっしゃる方も多くいます。

 

 

 

まずは医師に相談して信頼関係を気づきあげながら少しづつチャレンジしてみて、社会恐怖を克服していくのがいいってことです。

 

 

 

 

 

 

 

最後まで読んでくださりありがとうございます。