林の中の海のような苔の広がり、石は島に見えます。
苔寺といえば京都ですが、これは奈良の古寺の境内です。
この寺を訪ねる人はたいていは本堂(写真・国宝)内のある仏像が目当てです。
しかも東門から出入りする人が多いので
この苔の海に気づかない人も多いのではないでしょうか。
南門から入るとこの苔の海を十分に味わいながら参拝できるのです。
この写真は4月の撮影ですが梅雨時だったら苔がもっと美しいでしょう。
南門の外から西を眺めると屋並みの向こうに生駒山をが見えます。
さてこの寺の名は?
前回の “新緑の古寺に登る” の答
室生寺と大野寺です。
室生寺は山門を入ると幅の広い急な石段を登って金堂へ
あとは堂と塔を結ぶ石段をいくつも登って奥の院に行きます。
貴重な建物群と平安時代初期の素晴らしい仏像群が魅力的です。
土門拳の写真集も知られてますね。
大野寺は宇陀川の畔に建つ古寺で
鎌倉時代初めの弥勒菩薩大磨崖仏としだれザクラが有名です。
後鳥羽上皇の発願で、盛大な開眼供養が行われたと伝えています。
北方の笠置寺や当尾の里の磨崖仏との関係に興味が湧きます。