最近衝撃を受けたニュース

 

血液製剤は、読んで時のごとく血液成分を精製して作る薬品である。


「ゲ謎」をご覧になられた方ならば(サブスク解禁されてるからいいじゃないかというネタバレ)、ご存知だと思う。

広く知られている用途として、血友病患者の為の凝固剤として血液製剤が用いられていた。

先にも挙げたように、血液を用いて作られるという事は、原料となるソレがウイルスのような感染症に汚染される可能性があるという事である。


通常であれば加熱処理を行ってウイルスや病原体を無毒化するのだが、いくつかの製薬会社がコストカットの為にその処理をせずに血液製剤を作って、肝炎やAIDSを拡めたのが薬害エイズ事件や薬害肝炎事件である。


AIDSウイルスや肝炎ウイルスが何で原料の血液に混ざっていたのか、僕は今まで然程深く考えていなかった。


どうも「ゲ謎」で出て来た血液銀行がアメリカでは80年代にはごく普通に存在しており、そうした病気の感染者が小遣い稼ぎで血液提供をしていたのが真相の様だ(血を売る層というのがどんな人達なのかはまあ皆まで言うまい)。


そうして流通する事になった感染者の血液を原料とした血液製剤は世界中に拡がった。

アメリカや日本、そしてフランスではこの問題がある程度報じられているが、しっかり隠蔽を決め込んでいた国が、イギリスである。

この度イギリス議会でこの血液製剤薬害の報告がなされたが、当時のNHSの隠蔽とその薬害の犠牲になった人達があまりにも酷い。

血友病を始めとした血液製剤が必要な子供達が集まっていた医療センターを事実上の実験施設にしたのである。


今回提出された報告書では、当時の政権とNHSのクソムーブを「面子を保ち、経費節約の為に様々な真実が隠蔽された」とまとめられている。


考えてみるとこの問題がリアルタイムで進行していたのは、新自由主義が華やかなりし80年代だった訳である。

この数々のクソムーブは、マーガレット・サッチャーとその取り巻きの、あらゆるものへの無関心のなせる業だったのだろう。


ただそんな事で上手くまとめようとも、現実に間接的に殺された人達がいる。

その事実を省みる事は、イギリス人の上級国民の性格上あり得ないのだが、そこで終わらせてはいけない。

 

 

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