21世紀のファーストガンダムを目指す作品として製作された「機動戦士ガンダムSEED」は、僕が始めてほぼリアルタイムで観たガンダム作品である。
この作品、当時はという前置きを敢えてするのだが、非常に賛否両論を集めた。
メインキャラデザインである平井久司氏の画風は結構好き嫌いが別れるだろうし、振り返って見ればアニメ誌の扇動的な報じ方もあんまり良く無かった気がする。
ただ先に記事の書き方に嫌味を言ったアニメ誌は、福田己津央監督とメイン構成の両澤千晶氏のインタビューをしっかり載せていた。
それを読んだ際、ご夫妻がこの作品にどんな思いを込めたのか良く解った。
ただ同時にキャラクターの版権画を目当てにアニメ誌を読む人達は、このインタビューをどれだけ読んでいるんだろうとかも思ったのである。
敢えて言うならば、SEEDは結構不親切な作品である。
更に言うと世界設定的には、ガンダムXよりかろうじてマシレベルで色々終わっている世界である。
その事について、古参のガンダムファンはあり得ない設定とか大人がいない世界と論評していた。
僕としてはあの9.11同時テロ直後の時代的な社会情勢で同じ事を起こしている連中がいた事を指摘しないといけないし、更にはそれから20年経ってそうした分断がより明確化されている事も併せて指摘しておきたい。
ただまあ、その後を受けた「SEED DESTINY」は、MSとシンとルナマリアがリアルで結婚した位しか、いいとこが無かったのだが。
働き始めた頃だったかと思うが、SEEDの劇場版の企画が進行中という速報を聞いた際には続きが無いと困るという感情と、でもああいう作品が続きをやって面白く出来るのかなという不安が入り混じっていた。
ただ2016年に両澤千晶氏の訃報が報じられた際には、まあ企画流れたんだろうとも思ったのである。
そんな際、昨年夏に「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」の公開決定の報を聞いた際には正直に言って嬉しかったのである。
あの外伝が出てくる度にどんどん終わっている設定が出てくるのと、外伝の登場人物が底抜けの有能バカ(誉め言葉)ばっかりだからどーにかなっている世界をどーやって締めるんだろうと思っていた。
そんな期待と一抹の不安を抱きながら、「ゲ謎」を観た際に前売りのムビチケを買った。
時間が合わなくて行きそびれたという、MCUで僕がやった見逃ムーブを自身に許さない様に。
そしてFREEDOMの公開を待つ事にしたのである。