地理感覚というものは、地図を見ているだけでは身に付かないものだと思う。

少なくとも僕はそうで、石和温泉に行った時には山梨県が物凄く起伏に富んだ地形だと身を以て理解した訳である。 


Jリーグの冬のオフシーズンの外国人移籍情報では、「Kashima Reysol」とか、「Kashiwa Antlers」といった単語が並ぶ事がしばしばある。

確かに南米やヨーロッパからみたら、柏市と鹿嶋市は比較的近いのかもしれない。

ただ東京駅が最寄り駅である鹿島スタジアムに比べたら、日立台の方が圧倒的にアクセスが良いに決まっているのである。

外国の人達の隣の県だから似た様なもんだと言う杜撰な割切りは、取り敢えず何となくイライラするので、フランス人にはナイジェリアとアルジェリアの名前について、あるんだがないんだかはっきりしろと因縁を付ける権利はあると思う(言うまでもなく、アルジェ-リア、ナイジェ-リアという文節になるのは理解した上でだけども)。


地理の問題ならば、先に挙げた様に笑い話に出来無い事もない。

ただある人物がどこの国の人であるのかを、恣意的に間違えるのは極めて失礼な事になりかねない。

そういう事を思わされるのが、このコラムの指摘である。

何でも集英社の「アジア人物史」シリーズでは、台湾の李登輝元総統や孫文、ダライ・ラマを、中国の人物として取りまとめており、台湾やチベットの方々から抗議を受けている。

正直アホ過ぎる分類としか言えない。


フットボールで例えて言うならば、マンチェスター市にいるプロ選手を、弱い方のマンチェスターとして有名なマンチェスター・ユナイテッドの選手扱いする様なもんである。

失礼にも程がある。


僕はこのアジア人物史を読んではいないけれども、この分類は正直中国共産党と闘った人達でさえ、その臣下扱いする様なものである。

更には編集している集英社側が、中国共産党の極めて時代遅れな侵略戦争を肯定していると思われても仕方ない。


総監修者の左派系の知識人である姜尚中さんも、そうした中国共産党のクソムーブを肯定していると思わされる、嫌な分類だ。

この騒動、日本人としては恥ずかしいし、もうちょっと問題にしなきゃいけないと思う。