まず呆れたと言わざるを得ない。

コレだけの機密文書を私物化しているのを正当化出来る図々しさは一体どこから来るのだろうか。


アメリカ前大統領ドナルド・トランプが37件もの容疑で起訴されているのは、まあ周知の事実である。

この起訴内容について前政権の司法長官・ビル・バー元司法長官も、「起訴内容が正しければトランプの政治生命はオシマイ」という旨のコメントを、よりにもよってアメリカ保守派の大本営であるFOXニュースで述べている。更にはその起訴内容と罪状も実に妥当だとも。 

元が付くとはいえども腹心にこういう事を指摘され、更には自身の支援者・支持者が熱心に観ているだろうチャンネルでここまで言われるもは気の毒に思わないでもないが、こういう逆襲を喰らう程度には一緒に働いた人からの人望がないのだろう。
というか主がいくらアレでも司法長官という法を司る最重要ポストの人だからこそ、ここまでキツい内容の事を、相手にダメージが入りそうなところで穏当な表現で言わざるを得ないのだろう。

上記のリンクの記事にある様に、トランプはとんでもない量の機密文書(と思われる)を持ち帰って私物化していた訳である。
公文書の所有権は言うまでもなく、それを作成した国家にある訳なのだが、トランプにとってそれは私物だった様である。
アメリカ大統領は法の上にあると言って憚らないトランプであるが、今回の起訴についてはそんなアホな事は無いと明言して検察は動いている。

公文書の私物化という行為の政治倫理的な意味合いは実は結構重い。
公文書の所有権はもちろん国家に帰属するが、その事実は翻って公文書は納税者、つまり国民に帰属する事を意味する。
つまるところトランプは自身の支持者さえも、ビジネスの燃料にしようとしたという事になる。
このお持ち帰りした公文書で何をしようとしたかは本人のみぞ知るが、現在出てる情報からすると何だか公文書にある機密を面白可笑しく周囲に触れ回っていたらしい。
そして恐らくはその機密に誰かに値段を付けていたんじゃないかと思う。

まあもちろん、この機密をネタにという事なんだろう。


デヴィッド・ボウイの曲に「世界を売った男」という曲がある。 

トランプについての真実は一体何処にあるのか見当も付かないが、事実から鑑みるとバー元長官が言う様に「彼はオシマイ」だろう。

その事をトランプ当人が認める事は無いだろうが、その客観的事実をアメリカ社会がどう利用するかを見守らないといけない。