侵略戦争を始める意図って何だろう。
当然の事ながら、そこを抑える事の経済的または軍事的な意義がないといけない。
侵略を侵して(馬から落馬みたいな表現だ)、そのエリアを併合したならばその後に付いて回るのは管理・運営だ。
その侵略・占拠後の極めて複雑なフェイズを、出来るだけ容易にする為には、戦闘にも細心の注意が必要な様に思う。
現在進行系のウクライナ戦争の前哨戦だったクリミア侵攻では、その点は教材に出来る程度には上手く行ったと言える。
親露派だった当時のウクライナ・ヤヌコビッチ大統領が退陣に追い込まれた革命を口実に、親露色を強めていたクリミアの住民が蜂起を起こした。
そのタイミングでクリミア自治議会をロシア軍が住民保護の名目で掌握、自治議会を共和国議会に格上げして暫定政権を擁立した。
もちろんこの不明瞭な権限移行のオペレーションは国際社会では疑問視されたが、クリミア共和国議会の後ろ盾であるロシアは併合の是非を問う住民投票を実施し、晴れてクリミアはロシア領となった。
無論、銃を突きつけられながら強制させられる投票にどんな意味合いがあるのかは言うまでもない。
ただクリミアローカル世論の操作が上手く行ったお陰で、いつから仕込んでいたのか分からない遠大な併合計画は成立してしまった訳である。
併合するエリアの世論操作とその名目作りが仮に上手く行ったとて、そこで反対派の排除の為に戦闘を構える正当性は素粒子程度にしかない。
ただその素粒子程度のモノに縋って、ロシアは実質的な武力侵攻を行ったというのがクリミア併合だったと言える。
日本の左派には民族自決という観点から、このクソムーブをエクストリームに擁護する連中がいる。擁護までは行かなくとも、複合的な要因で勃発した戦争であり、ロシアの責を軽く見る言説も多い。
そしてロシアが言う停戦協定に実効性があると思っている人達がいる。
僕はその理屈を理解する気も聞く気も無いが、意見は意見である。
ただ、このクリミア併合でのロシアのクソムーブ、現在進行系のウクライナ戦争での様々な非人道的行為、先日起きたカホフカダム崩落事件をじっくりとみても未だそういう寝言が言えるならば、実に優秀な親露派になれるだろうと思うし、そーでなければ戦争や武器の無い主観的世界を謳歌して、客観的な事実をシャットアウト出来る素晴らしいスキルの持ち主なんだろう。
前者であればロシア政府もそれなりの金一封を下さるし、後者であっても的確な申請を出せばきっと生計を立てる術はあるだろう。
そうした生き様の多様性を、ロシア併合下のクリミアやロシア領内では奪われる事を知らなければいけないのではないか。

