KGBと宗教ってどうしたら結び付くんだろう。

それこそキリスト教の聖職者が東側のスパイだ工作員だっていう話なんて荒唐無稽過ぎてマンガや小説の編集者だったら問答無用で没にするんじゃないだろうか。


昨年ドイツで起こった情報量とツッコミどころが多過ぎて世間を震撼というか困惑させたライヒスビュルガーによるクーデタ一未遂事件をご記憶だろうか。 


先に書いた構図が事実として存在しており、更にはウクライナ戦争に別の側面を付加している事は結構重要なのである。


ロシア正教会はソ連時代でも政権と密接な関係にあった奇特な宗教団体である。

というかソ連自体が権力の正当化を計る為に、宗教的権威を取り込む事を平然と行っていた。

そんな冷戦時代に、あるロシア正教会の聖職者はKGBへリクルートされ、スイス・ジュネーブにある「世界協会協議会」にロシア代表として駐在し、キリスト教関係者を中心とした西側諸国の情報収集に当たっていたのである。

その人物こそ現在ロシア正教会のトップ総主教を務めるキリル1世である。

この辺は、この記事を読んで頂けると詳しい。 

キリル1世はサンクトペテルブルクの出身である。

つまりプーチン大統領と同郷で、KGBの元同僚でもあった訳である。

そして恐らくはきっと多分BL的なカンケーである事はおおよそ間違いはないだろうと思われる。

物凄く乱暴な表現をするならば、ロシア社会の世俗的権威と宗教的権威は共にKGBに支配されているという事である。

キリル1世はプーチン大統領をロシア正教会の首席エクソシストに任命している。 

アホみたいなニュースであるが困った事に事実であり、この任命によりウクライナ戦争はある意味でロシア正教会に対する異端者と戦う宗教戦争の側面を持つのである。


ゼレンスキー大統領の外遊でいの一番にフランシスコ・ローマ教皇に会談を持ちウクライナの方針に支持を得たのは、こうしたロシア正教会へ対抗する為の宗教的な後ろ盾が必要だったからである。

この指摘はあまりされてはいないが、結構重要である。

フランシスコ教皇は宗教的な側面からの和平を探っているが、まあ難しい。

ただこの宗教的権威がアホみたいなウクライナ戦争を正当化する構図に、できる範囲で抵抗しようとしているのだろうと思う。

こうしたウクライナ戦争の意外な側面は、きっと知っていても損はしないと思う。

さりとて特もしないかも知れないが。