僕はイスラエルがあんまり好きじゃないけども、国の成り立ちとネタニヤフと超正統派と保守派のクソムーブが嫌いな訳で、反ユダヤ主義という訳ではない。
でもユダヤ系の人達が大昔に成立した御伽噺に基付いて、元から住んでいた人達を武力で追い出すという行為はやる方も許す方も、そのキッカケを作った連中に怒る権利は誰にでもあると思う。

ただまあそんな国家成立経緯なので、イスラエルは地理的に四面楚歌な国である。
そんな国が敵対宗教に囲まれながらも存在出来るのは、大国に住むユダヤ系の住民のロビィ活動の結果とイスラエルの主要産業のお陰である。
NHKのドキュメンタリーでイスラエルのセキュリティ会社の日本への営業に密着するというのを観た事があるが、兵器やセキュリティのいずれもモサドという世界有数で厄介な諜報機関のOB達がそうした企業の立ち上げ、そこで絡みのあったところに売り込むという事が日常的に行われている印象であった。

兵器はともかく、情報セキュリティ系の企業にはスタートアップ企業も多く、軍OBやモサドOBがそのスキルを活かして起業する事も多い。
という事は国防でもその伝手が使われている事も多く、ある意味構造的には中国やロシアといった軍民融合政策に近いスタイルが取られている。
その辺の基幹産業と国防のシームレス化が血なまぐさい中東でも我が物顔していられる理由にもなっている。

さて上記の東洋経済の記事は僕が書いた様な、ややネガティブな側面とは違ったイスラエルの起業に関するエピソードがつづられている。
実際このイスラエルで行われているある種のクリティカルシンキングや交渉の仕方などは結構参考になるし、コレが家庭レベルで浸透しているのであれば教育レベルが高くなるのはもちろん、そのスタンスは産業的にも商業的にも、そして政治的にも発言力を得る人達が出てくるのもうなずける。
だがまあ国内政治ではその限りではなく、ネタニヤフ首相は自分が罪に問われない為に判事の指名権を国会が握る事で司法の独立性を奪い、強権化を進めている訳である。

こうしたイスラエルの政権の強権独裁化、およびユダヤ教の強硬派や超正統派というクソニートを取り込んだ極右化は支援国であるアメリカとしても頭痛の種であり、過度な極右化と独裁国家化に関してブリンケン国務長官が中東を歴訪して様々な協議をする羽目になった。
そしてネタニヤフ政権における強権化に対して反体制デモがそれなりの規模で起こっており、参加者の懸念は基幹産業である情報産業やスタートアップ企業の資金調達がままならなくなる事である。

ある意味で、このイスラエルのネタニヤフ独裁政権の樹立はセルフ経済制裁になりかねないのだが、そんな事よりも重要な事はネタニヤフと彼の票田になったユダヤ強硬派には数多ある。

その点において同じ様な価値観を持つキリスト教福音派を票田に持つ共和党及びトランプ支持者がイスラエルの様々な蛮行に対してだんまりなのは、そういった側面もあるのだ。ロシアや中国、イランあたりと同じようなクソムーブをするネタニヤフ政権を信用するのはちょっと難しいと思うのだが、さりとて切り捨てる訳にもいかないのが国際政治の難しいところである。