アメリカで極端な自己決定論が容認されているのも、この政治思想が恐らく根底にあるからである。
思想史まで踏み込むと大変なので詳細は上のリンクを読んで頂くとして、超絶に要約すると他者の自由を侵害しない限り、各人の望む行動や思想は全て自由であるとする考え方である。
これだけならば、ある意味人は人、自分は自分という区切り位のお話なのだが、アメリカでは、とりわけ保守派はコレを拡大解釈して銃を持ちたがるのである。
それはさて置いて、この上記のコラムを書いている渡瀬裕哉さんはこの思想を根底に置いているので、左派だろうと右派だろうと自分が変だと思った事には容赦無くツッコミを入れる。
そこを想定して文章を読まないといけないけども、確かにバイデン政権のエネルギー政策はアンビバレントであると言える。
若年層が多い与党である民主党の左派は、やや理想主義的ではある。
実際のところ、欧米に降り掛かっているエネルギー価格の上昇、それに伴うインフレは渡瀬さんの指摘されているとおりにシェールガス・オイルを使えば、何とでもとは言わないがある程度補える状況ではある。
このコラムでは、それが出来ない理由について言及していないので補足させて頂くと、問題はその産地である。
アメリカのシェールガス・オイルの代表的な産地は、共和党が実権を握りお笑い政治が展開されているテキサス州である。
要するにコレを使う事は、政敵である共和党を経済的に利する事になる。
シェールガス・オイルは温室効果が非常に強いのもあり、その点でも左派を取り込んでいるバイデン政権では扱い難い資源でもある。
バイデン政権の進めようとしている巨額のインフラ投資については、僕は金額は確かに天文学的過ぎるとも思うけども、間違った政策だとは思わない。
アメリカ発のニュースを見る度に道路や水道等のインフラが驚く程に老朽化しているのが伺い知る事が出来るからだ。
これは日本もエラそうな事が言えない問題である。
これは公共事業によるインフラ整備を、社会主義的だという理由で共和党が一貫して拒否してきたからである。
環境を考慮した新たなインフラ整備で雇用を作るのがバイデン政権の目玉の政策であったが、このエネルギー価格高騰で難しくなってきた。
渡瀬さんの指摘にある様に、左派の圧力に屈したと言えるし、もう少し段階的に事を進めるべきだと指摘する事も出来る。
しかしこの状況はある意味昨年の大統領選で誰が政権を取っていても変わらないのではないかとも思う。
このコラムではバイデン政権の厳しい先行きを指摘しているが、誰がやってもこの苦境には陥ったであろう。
もしトランプ政権が続いていたならば、対外姿勢を強行化し、分断を煽る事で誤魔化しいたはずである。
山積した問題に頭を抱えながら批判も甘んじて受け入れながら、やれる事をする。
やや理想主義的な方向性であれども、この姿勢は長年調整役的な仕事をしてきたバイデン大統領ならではだろう。
だから僕はおかしいところも理解しながらも、政策にとっては概ね評価せざる得ないのだ。
海の向こうの人に何エラそーに講釈垂れてんだと言われたらそれまでだけども。