テキサス州と言えば、アメリカ有数の修羅の国である。
破綻寸前と報道されていた全米ライフル協会(NRA)の移転先とされる程度に、みんな銃が大好きで何か揉め事がある度にきっとタンブルウィードがコロコロと行き交う中で早撃ちデュエルで正しい事を決めるに決まっているのである。
いや、もちろん冗談1割で言ってるのだけども、それだけとても控えめに言って保守的な土地であり、ブッシュ元大統領親子の出身地であり、共和党の岩盤支持者がとても多いという事がその事実を物語る。
そんなテキサス州では、共和党の強い州特有の妊娠中絶に対する新法が成立した。
事実上の妊娠中絶を禁止するこの法案は、民事法であり一般人が原告になる事が出来る。
その被告は中絶した女性本人ではなく、幇助した人となる。
もう既に訳が解らないのであるが、つまるところ善意の一般人が中絶手術を行った産婦人科の医師や看護師、病院職員やその件について相談したカウンセラーや病院に行くのに乗った交通機関の運転手まで訴える事ができるのである。
しかも被害が無くても、その中絶手術をした女性や案件に関係なくても、だ。
このコラムでパックンことパトリック・ハーランさんが解説されている様に僕も訳が解らないのである。
この法案について、僕やパックンが納得する法学的な説明が出来る人は、きっと優秀な法曹界の住人になるだろう。
閑話休題、このコラムの風刺画がネタにしているのは共和党の支持基盤であるキリスト教保守派というか原理主義者である。
こうした人達は特にアメリカ南部に多い。
そしてアメリカ国内でさながらタリバンの如く、自らの教義を押し付ける。
現代の、ごく一般的な倫理や常識を押し退けて。
洋の東西を問わず、原理主義者のやる事は自らの信じたい事を教典や神の言葉を借りて他人に押し付ける事に変わりはない。
ある意味で世界を自分と同質化させたいのだろうが、それが行き着くトコまで行くとどうなるか。
もはや自明であるが、そうした視点がないのも洋の東西を問わないらしい。
こうした同じ事や似た事に対する洞察がなされなければ、違う事に対する洞察も出て来ないのだろう。
こういう事、ネタにして笑い合うと意外と自分の姿を俯瞰で観れるのにね。