見事な犬公方様っぷりである。
トルコ議会は7月9日、「動物の権利法」を可決した。
この法律によりトルコでは動物はモノや商品ではなく、「生きてる存在」として「権利」を有する事になる。
これによりトルコ国内では動物を虐待したり故意に殺した場合に「犯罪者」として半年から4年の懲役刑が科せられる。
この懲役刑を罰金や保釈金で代わりにする事は出来ず、犯罪歴として記録が残る事となる。
またこの法律により闘犬や闘鶏の様な動物を闘わせるスポーツも禁止となり、それ用の犬種(ピットブルや土佐犬)のブリーディングも禁止された。
いちおう例外もあり、動物園や農場では適応されない。
もともとトルコ、主にイスタンブールやアンカラの様な都市部は野良というか地域犬・地域猫にとても寛容な国である。
これについては「世界ふれあい街歩き」や「岩合光昭の世界ネコ歩き」でその様子を御覧になられれた方も多いのではないか。
実際地域犬・猫に対する予防接種や避妊手術といった飼育に必要な処理が為され、トルコの人達の多くは地域犬・猫を隣人というか友達として扱っている様子が上記のドキュメンタリーから伺える。
とにかくネコ歩きでは人馴れ過ぎてつれない、媚びない様が魅力的だった、やはりトルコでも猫が人間よりはるかに上位種であるのは変わらないのである。
思い切った法案の採決だと個人的には思う。
動物虐待にこうした刑事罰を科すという事は、それだけ社会問題化しているか、もしくはもともとみんなそんな事しないけどそういう事が起きた場合の罰則を明確化しておこうという事かなと思う。
いちおう上記リンク記事にある様に、動物虐待から犯罪がエスカレートしない様に割れ窓理論的なアプローチというか社会実験も兼ねているのだろう。
ただこれを採用する国が、かの偉大なるエルドアン一世の統治であるという事を考えると別の側面も見えて来る訳で。
取り敢えず怪しい奴をこの動物の権利法で打ち込んで罪状は幾らでも付け足せるぜ的なエルドアン一世様の狙いも感じてしまう訳だ。
この法律が暴君の恣意的な運用がされない事を祈りたいのと、トルコの方達が地域犬や地域猫といっそう仲良くなって欲しいなと思う訳だ。