「遠い空の向こうに」という映画が大好きだ。
今ほどクドく無い、若かりし頃の爽やかなジェイク・ギレンホールが主役の青春映画である。
後に「キャプテン・アメリカ/ザ・ファーストアベンジャー」のメガフォンを取るジョー・ジョンストンの作品であり、メインキャストのジェイク・ギレンホールとクリス・クーパーは世代は違うけどもスパイダーマンに出演している。
あらすじは炭坑街に住む高校生がロケット制作を志し、色んな壁や課題にぶつかりながらも進んでいくという作品である。
主人公の一人であるホーマー・H・ヒッカムJrの回顧録を元に制作された映画である。
彼は後にNASAの技術者になり、ロケット開発に従事する事になるのだがそれはまた別の話。
宇宙への憧憬、科学技術への敬意と学ぶ事の醍醐味を教えてくれる映画である。
が、本質的にロケットとは何かという事も思い知らせる映画だ。
第二次世界大戦中、フォン・ブラウンのV2ロケットはイギリスとベルギーを恐怖に陥れた。
ロケットとミサイルは何が違うかという問いには、本質的にはおんなじという解答をせざるを得ないのだ。
一応積んでいる物で区別は付けられるけどもね。
上記のリンクは中国の巨大ロケットが、やっぱり案の定爆発して大変な事になったというニュース記事である。
大気圏突入の際にある程度燃え、海上に落ちたので埋めなくて済んだのは、中国共産党にとって手間的に僥倖だっただろう。
二度ある事は三度ある、どうせ次もこうなるだろう。
あっちこっちから技術を盗んでも技術レベルが上がらず成功しない理由は明々白々だ。
技術への敬意・憧れ・畏れといった、「遠い空の向こうに」の主人公達が持っている物がないからだ。
宇宙開発に対する野心は有っても、そこ止まりだから失敗に学ぼうとしない。
いやロケットの本質を理解してるから、あえて技術をブラッシュアップしないのかもね。
中国共産党と産業スパイ様に対する嫌味はともかく、この「遠い空の向こうに」は本当に良い映画です。
この重苦しい状況はまだ暫く続くだろうけども、そんな状況下でも学ぶ事の大事さや楽しみを教えてくれます。
レンタルの名作コーナーで多分100円で借りられると思うので是非ともご観賞下さい。