たまっていたストレス?なのかなんなのか、一気に身体にきてしまい、胃は痛いし目の上が真っ赤になってしまった。

 自分は忙しいとおおっぴらに披露してしまう人間ってのは、自分の中にある忙しいという領域に達したために忙しいと言っているだけであって、傍から見ればそんなの忙しいの領域に入らないんじゃねえかと。自分で自分の限界を勝手に決めてしまっているだけ。そういう奴の下で働くのは本当に無駄だと思った。

 また、人間として魅力のない奴に従えるわけもなく、っていうか22歳のお子様が何をいっとるんじゃと言われるかもしれませんが、社会人経験が浅い程、人を見る直感が優れているわけです。世間の荒波にもまれて免疫が出来ていない分。

 それから、それから、やっつけ仕事で物を作っていく人たちも許せない。そういうのは、スケールの大きくなってしまった同人誌を作っているのと同じであって、そんなものに値段をつけて売っているのが信じられない。

 というわけで、お洒落トラベルカルチャー雑誌のアシスタントをスピード退社で辞めた。1日13時間の仕事は別に苦もなくこなしていたが、私の上に立って指示する人間にキレてしまい、辞めることになったのだった。

 前は、好きな事をやっていていいなぁ、とそういう人をうらやましく思ったりもしたが、実際のところ好きな事を好きだからって自分の感覚でやっている人には、到底いいものを作れっこないという事に気がついた。それはただ単に趣味の世界で生きてしまっているということ、それから嫌な事や色々な人間を受け入れない限り、どんどん自分に甘ったれていくんだと思う。好きなことだけども時には自分の思う善い物とは反対のことでも仕事は仕事として割り切ってやっている人が世間の評価を得られるのだと解かった。

 私ももう少し我慢すればよかったかなーと思うが、スピード退社のおかげで大事な事を知れてそれは本当に善い経験になった。仕事を辞めたあの日がまるで月9のようで、私でもヒロイン気分で面白がってあんなことを言ってしまった、とも思える。

 これからまた仕事探し。出版業界は懲り懲りです、てなると思いきや、次はもっと賢く仕事をしていけると、気持ち悪いくらい自信がついた。あの人は成功していいなぁ、私は運がない、と運があるとかないとか言ってしまう時点で終わってしまう。やっぱり、自分の努力次第で何にでもなれるんじゃないかね。今の私にはどんなことでもできる気がするんだわ。これが終りじゃなくて、これからが本当の始まりのようです。