夏休みはあっとゆうまに過ぎ去り、東京での学校生活が始まった。私は4年前に罹ってしまった、怠け病という脳みそから指の先まで動きたくないあれもこれもしたくないという症状が出る病気のせいで、今学期残された卒業までの数ヶ月間を週6で学校に通うことになってしまったのだった。

 学校は先週の金曜から始まり、勉強生活も1週間が経過した。金曜日は隣の県にあるキャンパスまでわざわざ行かねばならなく、けちけちな性格の私としては通学に費やす交通費がもったいなく思ってしまい、電車やバスに乗るたびにふぅとため息をつく日々である。

 相変わらず毎日を何かに急かされながら生きていて、そんな時間のふとした瞬間、秋の気配を感じるようになった青空を眺め、心地よい冷たさの夜風にあたると、今まで生きてきた人生を振り返りたくなってしまうのであった。こんな人生を振り返り無理やりに自己肯定してしまいたくなるのは、秋という自然界の生命たちが終焉を迎える時期特有の現象なのではなかろうか。