【徳洲会事件】
有権者ランク分けし票読み 徳田氏親族、総出で陣頭指揮
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昨年12月の衆院選で、医療法人「徳洲会」グループの各病院が
徳田毅衆院議員(42)=自民・鹿児島2区=陣営に職員を派遣、
日当などを支給していたとされる公職選挙法違反事件で、徳田氏の
親族が運動員が戸別訪問した際の有権者の感触をランク付け
して分析し、細かい票読み作業を行っていたことが21日、関係者の
話で分かった。親族は「徳田家から総理を出す。倍以上の差で勝つ」
などと鼓舞。家族総出で陣頭指揮を執り、運動員に指示を出していた。
■「親族専用トイレ」
「指宿地区で一票でも多く」「谷山地区で勝てなくては勝ったことに
ならない」
関係者によると、選挙期間中、徳田氏の親族は鹿児島入りし、
事務所に常駐。運動員が戸別訪問で得た有権者の感触を「◎○×」
などに分けたうえで票読みをしていた。その上で、具体的に地区名を
指定し、重点的に巡回するように運動員を叱咤(しった)していたという。
その中で「徳田家から総理」というフレーズも飛び出した。
主に陣頭に立ったのは徳田氏の母や姉など徳田ファミリーの女性
たちだ。病床にある医療法人徳洲会理事長、徳田虎雄・元衆院議員
(75)の“名代”として振る舞っていたという。「その態度は『理事長
そのもの』のように見えた」と、グループの地方病院幹部は話す。
選挙事務所にはファミリー用の部屋が用意され、専用の洋式トイレも
設置された。「他は全部和式。事務所には足の悪い高齢者もいたが、
洋式トイレを使いたくても使えなかった」(グループ関係者)
■「パパ」は禁止
虎雄氏が一代で打ち立てた徳洲会グループで、虎雄氏の息子や娘は、
主要企業・法人の役員に就任。ファミリーによるグループ支配を盤石の
ものにしていった。
虎雄氏は著書で「家族を治められない者は国を治めることはできない」
とするなど、家族の結束の重要性を主張。幼少のころから、帰宅した
父を正座で出迎えさせるなど厳しい教育を施したという。
グループ元関係者は、虎雄氏の“教育方針”を振り返る。「虎雄氏は
子供たちに『お父さん』『パパ』と呼ぶことは禁じ、理事長と呼ばせていた。
毅氏も『お父さんと呼んだことはない』などと話していた」。子供たちに
グループの一員であるという意識を、普段から徹底させていた。
東京地検特捜部は、こうした結束が強い虎雄氏の子供たちを事件の
キーマンととらえ、20日には数人の子供の東京都内の自宅を家宅捜索。
今後、選挙運動の指揮系統を確認するため、ファミリーから任意で
事情聴取を進めるもようだ。
ファミリーをよく知る地方病院幹部はこう話す。
「特に虎雄氏が病気に倒れて以降、一族による専横は激化した。『徳田
総理』という願望も結構だが、その野望のために公益性の高い医療法人を
私物化していたという事実は重い」
◇
【用語解説】徳洲会グループ
66の総合病院を運営するほか、診療所や老人保健施設など計361の
施設を抱える国内最大級の医療・福祉グループ。グループ全体を統括する
「一般社団法人徳洲会」、病院を運営する「医療法人徳洲会」、全病院が
調達する物品を一手に仕入れる「株式会社徳洲会」など計51の法人で
構成される。
(msn.産経ニュース 2013.9.22 10:30)