量としての数、順番としての数 | がじゅまる教室のブログ

量としての数、順番としての数

 土曜日のがじゅまる教室でのMさんの実践から、ある発見!をした話です。

 

 Mさんは、下図のように数タイルカードを横に並べて置くと、基準物(お客さん人形)と同じ量のカードを探し、その数字をメモ用紙にしっかり書くことができ、お店屋さんからそれだけの対応物(消しゴムおもちゃのご飯)を自分で持ってくることができるようになりました。

 数が量を表す記号であることを理解し、それを道具として使いこなせています。

 半面、まだ数字と量が完璧に結びついてはいないので、ある量がどの数字だったかはあいまいです。3までは思い出しながら数字を書けますが、それ以上は数タイルカードが必要です。

 ちなみにまだ言葉は出ないMさんですが、いろいろよくわかっていて、私がお店屋さんになって「何個いりますか?」と聞くと、自分のお口の横に手を持ってきて「お!」と言ってくれてかわいいです。(聞くだけで、対応物は自分で用意してもらいます。)

 

 さてそのMさんに、5の箱の中に1から順番にキューブを入れてもらおうと思いました。

まずは1から。上手にいれることができます。

 

そして2にしてもらおうとしたら、なんとMさん、下のようにさらに二つキューブを持ってきました。

「2」を見て、二つの量を持ってきたのでしょう。

ところが、1から2にするには、ほんとうはもう一つだけキューブを追加したらいいだけですよね。

2から3にする時も、キューブを3個取って入れようとしていました。

「量としての数」はばっちり入っています。

1,2,3,4…と数えるとき、その量は一つずつ順番に多くなっているという「順番としての数」がまだ理解できていないようです。

 

これまでがじゅまる教室に通ってきた子たちの中では、学校などで数える練習ばかりをしてきて、「順番としての数」はばっちり入っているけど「量としての数」がわからない場合が多かったです。

例えば3人お客さん人形が来た時、メモ用紙に「1 2 3」と、背番号的に数とお客さんを一対一対応させたりします。

「〇〇〇」の量が「3」の一文字で表せるという「量としての数」をまだ知らないパターンです。

 

Mさんの場合は多くのパターンとは逆で、がじゅまる教室で「量としての数」から入ったので、「順番としての数」はこれからなのですね。

 

そこで発見がありました。

数えることのメリットは、覚えるのが「1,2,3,4,…」の一パターンでいいことなんだな。

「量としての数」だけで数と結びつけるには、1は〇の量、3は○○〇の量、と十パターン覚えなければならない。

量としての数をとらえやすくするために5‐2進法などの便利な方法もあるけど、いずれにせよ、順番の数を知っていたほうが楽に覚えられるんだ!

ということでした。

 

私たちは知らず知らずのうちに、順番の数から量としての数がつながり、順番と量とを行ったり来たりできていますが、そうではない子の場合、やはり両方からのアプローチが大事なんだな、と再確認しました。