騎兵隊

 

雇用は1959年制作の「騎兵隊」!

ジョン・フォード監督の手による「騎兵隊三部作」の三作目、ハロルド・シンクレアの1956年の同名歴史小説の大筋を元に脚本が書かれた。南北戦争の史実として残る戦いの一つである“ビックスバーグの包囲戦”で指揮をとったベンジャミン・グリアソン将軍をモデルとして描いた作品で、主演としてジョン・ウェインとウィリアム・ホールデンらが出演している。

 

南北戦争も真っ只中の1863年、劣勢を挽回するために北軍のグラント将軍はヴィックスバーグ攻撃強行を決定し、南軍の補給を断つため敵陣の中にあるニュートン駅破壊を立案、その任をジョン・マーロー大佐(J・ウェイン)に命じる。マーロー大佐は自分の騎兵隊を率いて敵地へ赴くことになったが、新たに軍医としてケンドール少佐(W・ホールデン)が配属されてくる。医者嫌いのマーロー大佐は、最初からケンドール少佐と些細なことで反目しあっていたが、命令遂行のため同行させ出陣するが……という導入。

 

題名に偽りなし、といった感じで、騎馬隊の行軍や戦闘は圧巻だった。互いの主義・主張によりアメリカを二分した戦争ではあったが、非戦闘員に対する振る舞いや16歳未満の士官学校の生徒との戦いは避けて撤退する様など、なかなか男気があって良いなぁと思いながらあっという間に観終わっていた。ただ、マーローにもケンドールにも感情移入する場面は皆無で、淡々と物語が進んでいくのは残念。勿論、映像的には盛り上がりはあったけど。あと、水に濡れて髪を下したコンスタン・タワーズが綺麗でそこは二重丸(笑。

君と花火と約束と君と花火と約束と2

 

2026年7月17日公開の「君と花火と約束と」!

元々シンエイ動画の梅澤道彦が2017年に見に行った長岡の花火大会に感動して、映画化を念頭に真戸香に執筆を依頼したのが始まりで書籍化は既定路線だった、真戸香によるライトノベルに、あかもくのイラストで世に出た後、ミックスメディアとして、りりうら世都の作画でコミカライズ化もされた作品。軸となる話は、東京に暮らす男女の高校生が“打ち上げ花火が描かれた一枚の絵”を目にしたことから始まる「81年の時を越えた儚く手切ないラブストーリー。

 

高校性になった夏目誠(声:佐藤勝利)は、下駄箱で初めて出会った葉山煌( 原菜乃華)から「ずっと君に会いたかった」と唐突に告げられる。しかも彼女は誠のフルネームどころかあだ名まで知っていた。煌によると幼少の頃から曽祖母より、一枚の花火の絵と共に「いつか必ず夏目誠と出会う。そしてお前のために絵を描いてくれるよ」と聞かされていたという。しかし、誠は中学時代に嫌な出来事を体験してから絵を描かなくなっていた。それでも煌のことが気になる誠は……という導入。

 

原作も知らず、映画館の予告だけで気になって観た作品。不思議な出会いから始まる青春ラブストーリー程度の気持ちで観ていたが、途中からSFチックになり、長岡空襲が描かれたりして、最後の花火で結実するという突拍子もないが、何故か涙腺が緩む展開でそれなりに面白く観られた。花火の絵の裏に書かれた日付(8月1日)は、実際に空襲のあった日付であったことを後で知った。ハルにフユにアキ、ん?ナツはどこいった? あ、ナツ目か(笑。

昼下りの決斗

 

今宵は1962年制作の「昼下がりの決斗」!

監督は、後に「血まみれのサム」と呼ばれるサム・ペキンパーで、本作が彼の西部劇映画2作目。引退が近いランドルフ・スコット、ジョエル・マクリーの二人に老いが近づいた元保安官とガンマンを演じさせ、まさに人生の終焉が近づいてくるさまを描き出している。この作品が切っ掛けかは判断できないが、この作品を最後にスコットとマクリーは映画界を引退している。

 

かつては名うての保安官として知られたスティーブ・ジャッド(ジョエル・マクリー)だったが、今では人々からも忘れ去られた存在となり、バーテンや用心棒をして暮らしていた。そんな時、シエラ山中のコース・ゴールドに金鉱が発見され、採掘者から掘り当てた金を預け入れるために銀行の出張要請が出ていたが、途中で強奪されることもあったため銀行は、ジャッドに輸送を依頼する。ジャッドはかつての部下であるジル・ウェストラム(ランドルフ・スコット)と、ジルの推薦によるヘック・ロングツリー(ロナルド・スター)を雇い……という前振り。

 

全体的に何となく緩さを感じる展開の中で話が進むのだが、正義を貫く男ジャッドが終始描かれなかなか渋い作品となっている。老練なスティーブとジルの演技に軽いノリのヘックを混ぜることで観やすくしている感がある。ラストも「えっ、そうなっちゃうのか」的な感じで、すっきりとはいかないが、岩場での銃撃戦や農場での決闘は合格点かな(と、上から目線で(笑)。本作では、まだ「血まみれのサム」の片鱗も見えない作風となっている。

キングダム5

 

2026年7月17日公開の「キングダム 魂の決戦」!

前作で終わったかにみえた作品のシリーズ第5作目。当然、原作は原泰久の同名漫画「キングダム」で、監督は佐藤信介、主演は山崎賢人。天下の大将軍になる夢を抱く少年・信と、中華統一を目指す若き王・嬴政らが織りなす壮大な物語を描き続ける作品で、今回描かれるのは「合従軍」の話で、“函谷関の戦い(秦 vs 楚・趙・魏・韓・燕・斉の六国連合軍)”と言った方が分かり易いかもしれない。さすがに本作のみで全てを描き切るのは難しいのか、“函谷関の戦い”の初日のみ描いた作品。

 

秦の大将軍・王騎が“”馬陽の戦い”で亡くなってから3年が経過していた。信(山崎賢人)は王騎の思いを受け継ぎ、成長を続けて千人将に昇格、飛信隊も大所帯になり、“山陽の戦い”でも活躍をしていた。秦の攻勢に歯止めをかけるべく、趙の宰相・李牧(小栗旬)が締結した秦趙同盟の裏で、秦以外のすべての国が手を組み、総数50万からなる「合従軍」として秦へ侵攻をする策略を練っていた。咸陽の王宮では嬴政(吉沢亮)を中心に昌文君(髙嶋政宏)、呂不韋(佐藤浩市)、昌平君(玉木宏)らが軍議を行うが……という展開。

 

原作どおりなら本作は“山陽の戦い”が主軸となると思われていたが、そこはさらっと流して“函谷関の戦い”が描かれている。これには1年1作のペースで制作したとしても年数が掛かり、俳優陣の年齢が上がってしまうことを懸念したからとのことなので致し方ないが、ちょっと残念。とは言え、本作もスケールの大きさや豪華な俳優陣で見入ってしまった。万極(山田裕貴)の鬼気迫る演技や、騰将軍(要潤)の剣捌き等々観る場面はたくさんあって大満足。戦いもまだまだ続くので次作が待ち遠しくて仕方ない。

キングダム4キングダム3運命の炎

 

2024年7月12日公開の「キングダム 大将軍の帰還」!

原作は原泰久の同名漫画「キングダム」、監督:佐藤信介、主演:山崎賢人のシリーズ第4作目として制作された。本作は各種ラージフォーマットとしてIMAX、MX4D、4DX、Dolby Cinema等に対応しており、より迫力のある映像、音響で楽しめるようになっている。公開に関して、正式発表より3カ月前に主演の山崎賢人と吉沢亮が発表していた。前作「キングダム 運命の炎」の続編でありシリーズ最終章と位置付けられた。

 

「馬陽の戦い」で敵将・馮忌を討ち取った夜、喜びながらも英気を養っていた飛信隊の前に突如として謎の男が現れ、次々と飛信隊の仲間を倒していく。その男こそ自らを“武神”と名乗り、存在が隠されていた趙国の総大将である龐煖(吉川晃司)だった。信(山崎賢人)と羌瘣(清野菜名)が二人がかりで応戦するが、その圧倒的な力の前に二人とも重症を負って戦闘不能状態に陥ってしまう。そこへ更に、趙将・万極から夜襲をかけられた飛信隊は、重傷を負い意識を失った信や羌瘣を守りながら戦線を離脱すべく決死の脱出劇を試みるのだが……という前振り。

 

相変わらず壮大なスケールで描かれていてワクワクしながら観た。本作は王騎将軍を掘り下げて描いているので戦闘場面も王騎がメインだが、大迫力だった。大沢たかおって、役柄によって演技や雰囲気もあんなに違うんだな(特に動かない「沈黙の~」の海江田と比較)、さすが素晴らしい役者なんだなと感心してしまった。また摎役の新木優子やカイネ役の佐久間由衣など、相変わらず綺麗どこが出てくるのもお決まりで、男臭い中に清涼感が漂うよな(笑。

 

キングダム3キングダム4大将軍の帰還

 

2023年7月28日公開の「キングダム 運命の炎」!

原作は原泰久の同名漫画「キングダム」で、監督は佐藤信介が継続し、主人公も山崎賢人が続行したシリーズ第3作目。本作では「馬陽の戦い」と「紫夏編」が描かれている。「馬陽の戦い」は史実では無く、キングダム内での架空の戦いであるが、全てが創作では無く、一部史実の引用もされている。また「紫夏」も史記や戦国策の中で名を見ることは無いので架空の話と思われる。全編を通し、「何故、中華統一を目指すのか」というテーマで描かれている。

 

蛇甘平原での魏との戦いで勲功を挙げた信(山崎賢人)は、兵卒から100人の歩兵を従える百人将に取り立てられる。そこで王騎将軍(大沢たかお)の城を訪れ、修行を頼み込む。王騎は信に厳しい試練を与えるも、信は半年ほどで見事に成し遂げていた。同じ頃、秦国に対して積年の恨みを抱える隣国:趙の大軍が国境の町「関水」に攻め込み、住民全てを惨殺し、更に「馬陽」を目指し進軍を始めていた。秦王:嬴政(吉沢亮)の前で武官・文官が集まり、どう戦うか軍議を行っているところへ王騎将軍が登場し……という前振り。

 

本作は2部構成となっていて、前半は嬴政の回想話で男前な姉さんである紫夏(杏)が登場し、後半では信が率いる“飛信隊”という王騎直属の特殊部隊の活躍を描いていて、うるっと来つつもワクワクして観られる作品。それも単なる戦闘アクションものではなく、しっかりと人物の内面を描いているなかなか奥行きのあるものだと感心させられた。終盤、内容も盛り上がったところで次作へ続くような終わり方なので、楽しみが増してしまう。

キングダム2キングダム2遥かなる大地へ

 

2022年7月15日公開の「キングダムⅡ 遥かなる大地へ」!

原作は原泰久の同名漫画「キングダム」で、原作の5巻後半から7巻にあたる部分を実写化したシリーズ第2作目。脚本自体は製作発表時点で既に出来上がっていたが、撮影の方はCOVID-19の影響を受けて大きく変更を余儀なくされた。そのため、国内や中国の撮影も一気に行うことが出来ず、段階的に仕上げて行ったとのこと。2022年公開の邦画作品における興行収入5位(ワンピ、呪術、すずめ、コナンとアニメが上位)だったが、実写部門では興行収入1位を記録した。

 

王都奪還から半年。秦王:嬴政は王宮内で2人の刺客に襲われるも、駆けつけた信が返り討ちにする。刺客を送り込んだのが誰なのかを考える間もなく、隣国の魏から魏火龍七師である呉慶が率いる大軍が秦へと進攻中との伝令兵から報告が入る。それを迎え撃つため秦軍は大将軍:麃公が率いる部隊が蛇甘平原へと歩を進めていた。信も従軍し、伍長:澤圭の元、羌瘣(清野菜名)・尾平・尾到らと共に「伍」を組み。ひたすら蛇甘平原へと走り続け、やっと到着したのだが……という前振り。

 

いやあ、信くん、相変わらず強い強いって感じ。それに前作と比較すると戦闘の規模等、スケールが大きくなり見応えがあったし、国 vs 国の戦いが始まり、いよいよもって乱世突入感がありワクワクしながら観られた。演者もどんどん貫禄、雰囲気、味のある人々が増えて、そっちもワクワク。前作では楊端和:長澤まさみに見惚れたけど、本作では羌瘣:清野菜名に見惚れちゃったよ。でもなぜか、河了貂:橋本環奈には見惚れるってより、はいはい頑張れぇっていう応援目線になっちゃう。(笑。

 

 

キングダム1キングダム

 

2019年4月19日公開の「キングダム」!

原泰久の同名漫画を原作とし。2018年4月のコミックス第50巻達成記念として実写映画化された作品。連載10周年記念動画で信役を務めた山崎賢人がそのまま主演となった。2019年公開の邦画実写作品における興行収入1位を記録した。内容的には、紀元前の中国、春秋戦国時代の中華西方の国:秦にいた戦災孤児で奴隷の二人の少年が「天下の大将軍」を目指すことを夢見た話を軸に話が進んでいく。

 

中華西方の国・秦に「天下の大将軍」を目指す夢を抱いた2人の戦災孤児で奴隷の信(山崎賢人)と漂(吉沢亮)という少年がいた。彼らは、日々の仕事の合間に独学で剣術修行に励んでいたところ、ある日、二人の前に大臣・昌文君が現れて漂を王宮へ仕官させると言って引き取っていった。残された信は二人の終着点は同じだと言って見送り、日々の鍛錬を続けていた。そんなある夜、信の小屋に漂が深手を負った状態で戻ってきて、地図を手渡してここへ行けと言い残し命を落としてしまう。訳も分からぬまま地図に示された場所に行くと……という導入。

 

中華の乱世の話だが興味深く、楽しんで観られた作品で、原作漫画の1巻から5巻前半の「王都奪還編」が上手く映像化されている。また俳優陣も豪華なので見応え充分(ってか、この後もどんどん豪華になっていくが)で満足。王騎将軍役の大沢たかおって、あんなに恰幅よく、デカかったかなぁと思いつつ「ムフッ」の一言で持っていかれた(笑。あと、楊端和役の長澤まさみが、勇ましいうえに妖艶で思わず見惚れてしまったよ。

 

 

 

ファイトクラブ

 

今宵は1999年制作の「ファイト・クラブ」!

原作は1996年に発表されたチャック・パラニュークの同名小説で、それをデビッド・フィンチャーが映画化した作品。内容的には、小説は終始「僕(I)」の視点で物語が進行し、随所に「僕」のモノローグを挿入する形で語られる形式で、映画もそれに倣って制作されている。映画版のクレジットでは「僕」=「ナレーター(Narrator)」と表記され、名前は明かされないという扱いになっている。四半世紀経過しても色褪せず人気の高い作品で、ある意味で社会派作品とも受け取れる。

 

大手自動車メーカーで全米を飛び回り、リコール調査を担当する「僕」(エドワード・ノートン)は、高級コンドミニアムで暮らし、家具や調度品、衣類まで高級ブランドで買い揃え、物質的には何の不自由もない生活を送っていたが、日増しに不眠症の症状が悪化していた。「僕」が精神科を受診すると、医者は「より大きな苦しみを持っている人がいる」と言い、睾丸ガン患者の集いへ行けと指示をする。偽患者として集会に参加し、そこで涙したことで、「僕」はその夜、深い眠りにつくことが出来たのだが……という導入。

 

ラストシーンをチラ見させてから、遡って物語を始めるという演出だったので、「おっ!」と思ったけど、タランティーノやノーランも使ってる手法だった。物語は「僕(E・ノートン)」とタイラー・ダーデン(ブラッド・ピッド)の2人で進行して行くのだが、中盤を越えたあたりの言動から想像がつくようになっている。それでも引き込まれて観てしまうのは流石フィンチャー。劇中でタイラーが映画に仕込みをする話があるが、それを本編の中でもやってるってのは洒落が効いている。

死亡遊戯で飯を食う死亡遊戯で飯を食う2

 

2026年7月10日公開の「死亡遊戯で飯を食う。 44:CLOUDY BEACH」!

原作は鵜飼有志によるライトノベルで、イラストをねこめたるが担当。2026年2月時点で電子書籍を含むシリーズ累計部数は60万部を突破した作品で、以降メディアミックスとしてコミカライズされ、テレビアニメ化もされたもの。主人公の幽鬼が、デスゲームの賞金で生活しながら、デスゲームでの連勝(99回のクリア)を目指す物語で、その“44回目”のゲームが題材となっている。7月10日~23日の2週間限定で劇場公開された作品。

 

とあるいかれた世界の話。生き残りを懸けた殺人ゲームのプロプレイヤーである幽鬼(声:三浦千幸)は、プレイヤーの生存率が極端に減少するジンクス“三十の壁”を乗り越えた後も更に歩き続けていた。今回も、いつものように睡眠薬で眠らされている間にゲームの舞台へと運ばれていた。舞台となったのは絶海の孤島、集められたのは8人のプレイヤーで、中には幽鬼が見知った熟練者もいた。今回のゲーム内容を誰も把握していないため、一行は島を探索した結果、何らかの脱出サバイバルゲームであろうと推察し……という展開。

 

原作も読まず、アニメ版も視聴せず、簡単な前知識だけで観に行ったが、それなりには楽しめた。ただ本作はアニメ版の延長線上という位置づけで作成されている感が強いため、作品の世界観に浸ったり、主人公:幽鬼の言動や思いを考えたり、「防腐処理」と呼ばれる白い泡の存在等々、物語に没入するためには予習が必要だったと痛感(笑。そこで帰宅後、アニメ版を視聴したことで、本作の内容の捉え方や、伏線回収場面等に納得いった次第である。アニメも奥が深い。