SEKIROSEKIRO2

 

2026年9月4日公開の「SEKIRO: NO DEFEAT」!

全世界で多くの賞を獲得したフロム・ソフトウェアによる和風アクションゲーム『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』を原作とし、全編手描きによるフル2Dアニメーション映画として制作された作品。沓名健一が初の長編監督を務め、脚本を佐藤卓哉、キャラクターデザインを岸田隆宏らのベテランが担当している。主題曲は坂本龍一の「Blu」(『The Best of ‘Playing the Orchestra 2014’』より)が起用されている。9月4日より3週間限定上映。

 

戦国時代、雪深い峠の先に「葦名」という国があった、“狼(声:浪川大輔)”は、戦場で拾われ、忍の技を仕込まれ、その卓越した力量によって「竜胤」と呼ばれる特殊な血を引く一族の末裔である御子の九郎(声:佐藤みゆ希)に仕えることになる。そして二人は、他に誰もいない孤独な主従関係となっていく。竜胤である九郎の血には不死の力が宿っていたため、それを狙い葦名氏の嫡男である弦一郎(声:津田健次郎)が襲い掛かり、九郎に血の盟約を迫るのだが……という展開。

 

ゲームの設定や内容も知らず、と言うかそのゲームの存在さえ知らずに「忍が幼い主を守る戦国時代の話」程度の認識で観た。そのためなかなか物語の中へ入っていけず、表面的な流れでのみを追う形になったが、それなりに面白かった。映像も略すところは略しながらも精緻に描くところは描いていて見応えがあった。序盤で“狼”が弦一郎に左腕を切り落とされた時、「隻腕の狼 → 隻狼 =せきろう」なるほど、そこからの題名かと私でも気づいたよ(笑。

ネバダ・スミス

 

今宵は1966年制作の「ネバダ・スミス」!

ハロルド・ロビンズ原作小説「大いなる野望」からのスピンオフ西部劇作品。監督は大物俳優(ゲイリー・クーパーやジョン・ウェイン)と絡むことの多かったヘンリー・ハサウェイが担っている。内容は、両親を殺された若者が、仇敵の殺し屋3人を追って復讐の旅に出るという西部劇にありがちなパターンだが、序盤から終盤にかけて変化していく若者の心情をスティーブ・マックイーンが見事に表現している作品。

 

鉱脈探しを生業とする白人の父とインディアンの母の間に生まれ育ったマックス(スティーブ・マックィーン)。ある日、父の旧友だと言う3人組の男がやってくる。疑うこともせずに住まいを教えるも男たちの不審な行動に疑念を感じ後を追い、家に辿り着くと残虐な手口で両親とも殺害されていた。マックスは3人組に復讐するために家を焼き払い、追跡を開始する。旅の途中で出会った鉄砲鍛冶屋のジョナス・コード(ブライアン・キース)に銃の手解きを受け、いっぱしのガンマンの腕前へと上達した後、マックスは再び復讐の旅に出ることに……という導入。

 

当時30代後半に入ったマックィーン、既にその風貌に貫禄があるのに本作では世間知らずの若造として描写しているのが何とも言えなかったが、復讐の旅の途中で、銃の腕前だけでなく、文字の読み書きを覚え、信仰についても学ぶと言った成長が描かれていて面白く観ることが出来た。ラストの後を妄想するとカイオワ族の娘ニーサ(ジャネット・マーゴリン)の元へ戻るのも良いんじゃないかなと思ったよ。

西部に賭ける女

 

今宵は1960年制作の「西部に賭ける女」!

原作はルイス・ラムーアが書いたの1955年の小説「ヘラーと銃」(但し、作中にヘラーなる人物は登場せず)で、それをダドリー・ニコルズとウォルター・バーンスタインが脚色。西部をしたたかに生きる女を描いたものなので、一応、西部劇のジャンルに分類出来るような出来ないような内容で、言うなれば借金を抱えた旅芸人一座とそこの看板女優を中心に描かれた西部劇コメディで、ソフィア・ローレンの西部劇初出演作。

 

1880年代頃、東部から借金を踏み倒して西部の中心地シャイエンの町にヒーリー劇団という旅まわりの一座が辿り着いた。座長はトム・ヒーリー(アンソニー・クイン)という堅物の男。対して看板女優のアンジェラ(ソフィア・ローレン)は、自由奔放でまずは“自分”という女だった。劇場主のサム(ジョージ・マシューズ)はアンジェラに惹かれ一座の興行を認め、ホテル住まいをさせる。当初の演目は「トロイのヘレン」の予定だったが、時期的にこの土地では相応しくないとの提言があり、「マゼッパ」という別の演目で講演したところ……という前振り。

 

馬(馬車)の疾走、ガンマン同士の銃撃、先住民の襲撃等々、西部劇らしい要素はしっかりと詰め込まれているので、確かに西部劇だ(笑。劇中劇を取り入れるなどのアイディアも面白く飽きることなく観ることが出来た。トムと対照的な男である殺し屋メイブリー(スティーブ・フォレスト)が、なかなか良い表情で演技していて良かったな。ま、ラストは落ち着くべきところに落ち着いたか、という感じだった。

ウマ娘

 

2024年5月24日公開の「ウマ娘 プリティーダービー  新時代の扉」!

Cygamesがコミックスからスタートさせ、スマートフォン向け育成ゲームアプリに仕上げたものが競馬を取り巻く全ての人や物に影響を及ぼした後、メディアミックスプロジェクトの一環として、CygamesPicturesが制作したアニメ作品。Webアニメとして公開された”RTTT(ROAD TO THE TOP)”の続編では無いものの、世界観は引き続いて共有しているので、一部の登場人物が重複して描かれている。

 

友人たちとトゥインクル・シリーズのレースを観るため中山レース場に訪れたジャングルポケット(声:藤本侑里)は、そこで目にしたフジキセキ(声:松井恵理子)の走りに心を奪われる。そして自ら日本中央トレセン学園に入学をし、かつてフジキセキの担当だった老トレーナーのタナベ(声:緒方賢一)の指導を仰ぐことにする。才能を開花させたジャングルポケットは夏のデビュー戦から無敗のまま、冬のジュニアGⅠであるホープフル・ステークスに駒を進めるが、そこでアグネスタキオン(声:上坂すみれ)に完敗して……という前振り。

 

この「ウマ娘」コンテンツは、往年の名馬から最近引退した有名馬まで幅広く登場させているため、競馬好きにとっては最高の存在(言い過ぎ?)なので、特に何も考えず“RTTT”の流れで観た。世紀末覇王テイエムオペラオーに陰りが見え始め、群雄割拠が名乗り出てきた時代だけに面白い題材ではあると思うし、楽しんで観られたが、今一つインパクトに欠けたようにも感じた。盛り上がりのためかポッケとタキオンとの戦いをGⅠ扱いとしているが、当時はまだGⅢのラジオたんぱ杯3歳ステークスだったしね。

殺しが静かにやって来る

 

今宵は1968年制作の「殺しが静かにやって来る」!

監督はマカロニ・ウエスタンの巨匠であるセルジオ・コルブッチが務め、音楽はこれまたマカロニ・ウエスタンに欠かせないエンニオ・モリコーネが担っている。西部劇にある荒野や砂塵は無く、雪原と降りしきる雪という異色の舞台設定とか、主人公が終始無言の設定とか意表を突いた作りになっている。また、過激な暴力描写があるため、数カ国で上映禁止処分を受けたという曰く付き作品でもある。

 
雪深いユタ州スノーヒルの町にロコ(クラウス・キンスキー)が率いる賞金稼ぎの集団と無実の者に罪を着せて賞金首にでっちあげる悪徳判事ポリカット(ルイジ・ピスティッリ)がいた。雪の中、スノーヒルに到着した駅馬車にロコと新たに保安官になったギデオン(フランク・ヴォルフ)と賞金稼ぎのみを獲物とする一人の男“サイレンス(ジャン=ルイ・トランティニャン)”が同乗してやってくる。そして、自分の目の前で無抵抗の夫をロコに射殺された未亡人ポーリーン(ヴォネッタ・マギー)は、“サイレンス”に1,000ドルでロコ殺しを依頼するのだが……という展開。
 
彼が通り過ぎた後には“死の沈黙”が 訪れると言われるモーゼル銃使いの殺し屋を見事に演じたJ=L・トランティニャンも金のためと割り切った狂気の賞金稼ぎを演じたK・キンスキーも見応え十分だし、設定が雪という異質な空間描写が雰囲気を盛り上げて良かった。ラストは「えっ?」と予想外だったが、映像特典でエンディングがあと2つ(グッドとバッド)見られる。3つの中では、やはり本作で採用されたエンディングが一番この作品の流れに合ってはいるとは思うが、納得はいかないなぁ(汗。

三人のあらくれ者

 

今宵は1957年制作の「三人のあらくれ者」!

レオナード・プラスキンスの原作をジェームズ・エドワード・グラントが脚色し、ルドルフ・マテが監督した西部劇。題名に付いている「三人」とは、愚直で考え方の固い元南軍大尉コルト・ソンダース、偽った貴婦人を演じる元酒場の女ローナ・ハンター、隻腕でいつも兄の陰にいたシンチことボーレガード・ソンダースを指している。原題の“VIOLENT”にしろ、邦題の“あらくれ”にしろ、インパクトはあるが、映像内の人物像とは異なっている。

 

南北戦争終結後、故郷のテキサスへ戻る途中でダラスの町に滞在していたコルト・ソンダース(チャールトン・ヘストン)は、駅馬車で到着した客の一人であるローナ・ハンター(アン・バクスター)が北部の人間に揶揄われているのを見て助けに入るが、殴打され気を失ってしまう。その際、財布から零れた金貨を見てローナは駆け付けた騎兵隊にコルトの妻と名乗り、部屋まで入り込むことに成功して、900ドル近くを手に入れるが、元雇い主である酒場のオーナーのルビー・ラサールにコルトの正体を告げられると策略を練って……という展開。

 

C・ヘストンが、女性に免疫のない真面目な男を演じていてちょっと笑えるし、A・バクスターのスタイルの良さに目を奪われるし、隻腕で厄介者のトム・トライオンは片腕どこに隠したのと気になるし、三者三様の言動が気になりながらも楽しんで観られた。どちらかと言うと、会話で物語を進めていく描写が多く西部劇風人間ドラマと言えなくもないかな。映像の中では、馬の大群が疾走するシーンが迫力があって良かったと思う。ラスト以、「で、この後は?」って気になる終わり方なので、ちょっとモヤモヤ(笑。

おおかみこども

 

2012年7月21日公開の「おおかみこどもの雨と雪」!

細田守監督による長編オリジナル作品第2作目で、脚本も細田自身が手掛け、製作はこの作品を世に出すために設立されたスタジオ地図が行っている。物語は“おおかみおとこ”と恋に落ちた主人公である19歳の女子大学生の男との出会いから始まり、恋愛、結婚、出産、子育て、そして二人の間に生まれた“おおかみこども”の成長と自立までの13年間を描いた作品となっている。本作の根幹をなすテーマは「親子」それも「母と子」を軸とした母子愛が描かれている。

 

娘の雪が、母である花の半生を語る形式で幕が開く。東京郊外の大学に通う女子大生の花(声:宮﨑あおい)は、大学の講義に潜り込み聴講していた「彼(声:大沢たかお)」と出会い、恋に落ちる。しばらく付き合ううち「彼」は自分がニホンオオカミの血をひく“おおかみおとこ”であることを花に告白する。花はそれを受け入れ、共に暮らして、やがて2人の子供を産むが、娘の「雪」も息子の「雨」も人間でありながら、おおかみの姿にもなれる“おおかみこども”であった。雨の生後間もなく、「彼」は突然亡くなってしまう。そこから花は独力で“おおかみこどもの”の育児に取り組むのだが……という導入。

 

母の愛を感じられる作品で、涙腺が緩む場面もありつつ、子供の成長を共に見守っていく感覚を受けとれる良い仕上がりになっている。当然ラスト以降が気になるのだが、映画や原作では明確に描写されておらず、あとは各々が自分の人生を歩むといった感じで余韻を残していて、観る側に委ねている流れが心憎いね。母子が移住した先の里山が、細田監督の故郷である富山県の里山をモデルにして描かれているらしく、山並みや雪、木々の描き込みが実に写実的で良かった。

さらば荒野

 

今宵は1971年制作の「さらば荒野」!

直情径行な言動の無知で野蛮な無法者と彼に誘拐された人妻、そして文明に浸った男の異常な人間性を対比させながら、復讐の執念と愛の姿を描いた西部劇で、緊迫感に満ちたバイオレンス作品となっている。60年代後半から興ったニュー・シネマ時代の中では異質な存在として位置づけられている。監督は「夜の大捜査線」のドン・メドフォードが務めた。

 

無法者のリーター格のフランク・コールダー(オリヴァー・リード)は文盲で無口だが、統率力に優れていた。彼は今の放浪の生活ではなく、地に足を付けた新たな人生を夢見ていた。その第一歩として文字を覚えるため郊外の学校に赴き、そこで子供たちにアルファベットを教えていたメリッサ(キャンディス・バーゲン)を拉致する。ただ、この誘拐した女性がただの教師ではなく、町の有力者ブランツ・ルーガー(ジーン・ハックマン)の妻だったため、ブランツの怒りを買って……という前振り。

 

無法者でありながら実直なフランク、夫のDVに耐えていた貞淑な妻メリッサ、権力者で金持ちで独善的なブランツといった三者三様の姿を上手描写してあり、なかなか見応えはあったが、すっきり面白いとはいかない内容だった。G・ハックマンが変態下種野郎のブランツを見事に演じているのは流石だね。あと、C・バーゲンが髪をストレートに下した姿は結構良かった。何でこんな終わり方なの?っていうラストシーンが気になってしまう、不思議な西部劇だった。

 

オークストリートオークストリート2

 

2026年8月14日 日本公開の「オークストリートの異変」!

映画のコマーシャルや予告編の編集を手がけたデヴィッド・ロバート・ミッチェルが監督・脚本・共同製作によって作り上げたSF・サバイバル映画。平穏な町を襲った異変から生き延びようと奔走する家族の運命をスリルに満ちた壮大な映像で描いた作品。主演はアン・ハサウェイで2026は他に“プラダを着た悪魔2”や“隣人たち”に“オデュッセイア”に出演と何だかアンばっかしの当たり年(笑。夫役には自然と役柄に馴染むユアン・マクレガーが好演している。

 

夫婦仲が悪くなりつつあったプラット家では、娘も息子も親の離婚の危機を薄々感づいていた。ある夜、不可解な光に包まれたかと思うとオークストリートの住宅街が停電してしまう。不安を感じながらも朝になればと一家はリビングで就寝したが、朝になっても電気は復旧せず、それどころか水道さえ出なくなっていた。町を包み込む不穏な気配を感じたグレッグ(E・マクレガー)とデニース(A・ハサウェイ)は町の中を探索すると……という導入。

 

まず、A・ハサウェイ好きにとっては、いろいろな表情や姿が観られて楽しかった。映画の内容的には恐竜映画になるのだが、まぁジュラシック・パークやワールド系統に近い感じで、単に舞台が1980年代の町という点が異なるくらいかな。それなりに結構ドキドキして観られたけど、意外とグロい場面もあるから小さい子は止めておいた方がいいかもね。ラストに関しては、個人的には一過言あるけど観た人各々がどう感じるかで評価が分かれる所かな。

ウエスタン

 

今宵は1968年制作の「ウエスタン」!

監督は「荒野の用心棒」、「夕陽のガンマン」、「続・夕陽のガンマン」の所謂「ドル箱三部作」を世に送り出したセルジオ・レオーネ。本人は異なるジャンルの作品を撮りたかったが、ハリウッドが求めたのは従来のマカロニ・ウエスタンであった。そんな葛藤の中、S・レオーネはヘンリー・フォンダと組み、善人イメージのヘンリーに悪役を演じさせるという新たな方向性を見出した。そのため本国ではヒットしなかったが、欧州や日本では大ヒットした。

 

西部のアリゾナ州にある物寂しい駅のホームで何者かを待ち受ける屈強な3人の賊。誰も下車しないかに思えたが、汽車が走り抜けた後、レールの向こう側にハーモニカを吹きながら飄々とガンマン(チャールズ・ブロンソン)が立っていた。そして銃撃戦で賊達を倒すが、自らも銃弾を食らっていた。場面は変わり荒野の荒れ果てた土地に建つ一軒屋、そこでは開拓者のブレットが後妻を迎える準備を家族総出でしていたが、突如として現れたフランク(H・フォンダ)とその手下達によって一家四人が皆殺しにされてしまう。その頃、駅に降り立ったジル(クラウディア・カルディナーレ)は……という導入。

 

乾いた空気感が映像に上手く描写され、如何にも開拓時代の西部という印象を感じさせて良かった。物語が2つの異なる起点からスタートするので、取っつき難い感じだったが、観ているうちに交差してどんどん引き込まれて、なかなか面白く観られた。フォンダにしろブロンソンにしろ表情というか、視線と言うか、顔の演技が渋かったのが印象に残る。でもって、シャイアン役のジェイソン・ロバーズも良い味だしているし、“CC”ことC・カルディナーレも色気漂っていたので、ちょっと長い(165分)かなと思いつつも飽きなかった。