スタートレック4

 

今宵は1986年制作の「スター・トレック4/故郷への長い道(SPECIAL COLLECTOR'S  EDITION)」!

「宇宙大作戦」の流れを汲むスタートレックシリーズの劇場版第4弾で、前作の続編となっていて、監督もレナード・ニモイが続投している。当然、メインキャストは相変わらずのメンバー。80年代後半、日米貿易摩擦の時期に製作され、内容に反捕鯨の意図が見え隠れするため、一部で日本批判映画とも揶揄された面もあるが、それよりもエンタープライズクルーの人間臭さが前面に描かれた作品となっている。

 

カーク(W・シャトナー)提督たちは、ジェネシス星でのクリンゴンとの戦闘でU.S.S.エンタープライズ号を自爆させることで敵を葬り、逆にクリンゴンの戦艦「バード・オブ・プレイ」を奪って、スポック(L・ニモイ)の故郷であるバルカン星に移り滞在していた。しかし、カークたちは、一連の騒動での罪を軍法会議で裁かれるため帰国することを決めて地球を目指すことにする。その頃、地球では謎の探査船の接近により、電子機器が操作不能に陥ると言う危機に瀕していて……という導入。

 

今までの作品と異なり、光子魚雷一発も撃たずに難問を解決する内容となっているので、異色と言えば異色の作品だが、一気に観られるほど楽しめる作品。L・ニモイ監督がインタビューで“スター・ウォーズ”との相違点について「SWは戦闘場面を見たい人、STは人間味を感じたい人」と語っていた。まさに本作は、キャスト各々の人間臭さをとても良く表現する演出となっていたと思うし、スポックも例外じゃなかったので、「成程」と納得。

 

 

スタートレック3

 

今宵は1984年制作の「スター・トレック3/ミスター・スポックを探せ!(SPECIAL COLLECTOR'S  EDITION )」!

「宇宙大作戦」の流れを汲むスタートレックシリーズの劇場版第3弾で、前作「カーンの逆襲」の続編となっている。メインキャストは相変わらずお馴染みの面々が演じている。スポックのリボーンが主題となる本作品では、スポック役のレナード・ニモイが監督に名乗りを上げるが、確定まで結構時間を要した。その裏には、パラマウントの経営陣が、「ニモイはもうスポックを演じたがっていないから前作で死んだ。」と誤った解釈をしていたことが挙げられる。

 

カーク提督(ウィリアム・シャトナー)たちは、前作「カーンの逆襲」でU.S.S.エンタープライズの仲間を救うため、自らエンジンルームに入り、大量の放射能を浴び殉職したスポック船長の宇宙葬を行い、失意のなか帰途につく。その間にドクター・マッコイ(デフォレスト・ケリー)の言動がおかしくなってしまう。ベースに帰還したカーク提督らクルーを待っていたのは、建造から20年経過したエンタープライズのは廃艦の知らせであった。そんな中、カークはスポック声を聞き、半信半疑ながら彼が生きていると感じ、ジェネシスへ再度飛び立とうとするが……という展開。

 

前作の意味深なエンディングや本作のサブタイトルからスポックは生きているとネタバレはしているものの見事なまでのリボーンに楽しんで観られた。”多数の要求は少数の要求に勝る”の原則通り、スポックの自己犠牲で多くのクルーが救われた、しかし“そんなことなど”とばかりに「提督の地位、息子の命、エンタープライズ号」と多くを失いつつ、唯一無二の友人スポックを再び得たカーク、なんか考えさせられる流れだなぁ。

スタートレック2

 

今宵は1982年制作の「スター・トレック2/カーンの逆襲(DERECTOR’S EDITION 」!

劇場版第2弾も前作同様のキャストが集結し制作されたが、スポック役のレナード・ニモイだけが諸般の事情で即答ではなく、二つ返事だったらしい。テレビシリーズの中の“宇宙の帝王”編で、カークたちと戦い、セティ・アルファ第5惑星に追放されたカーン(リカルド・モンタルバン)が、カーク(ウィリアム・シャトナー)への20年越しの恨みを晴らそうとする復讐劇を主軸に構成されたSFスペースもの。

 

建造から20年が経過し、U.S.S.エンタープライズ号も老朽化して今や練習艦となっていた。その間にカークは提督になり、スポックはエンタープライズの艦長となっていた。今回のカーク提督の任務は、査察の名の元に同艦に乗船して候補生達の訓練航海に同行するという平穏なものであった。その頃、チェコフ(ウォルター・ケーニック)は、U.S.S.リライアント号に乗り、ジェネシス計画の実験に適した星を探して、セティ・アルファ第6惑星に降り立っていたのだが……という前振り。

 

かつてエンタープライズ乗っ取りを計画し、セティ・アルファ第5惑星に追放されたカーンが再登場。テレビ版からの続編の様で楽しめた。展開的には単調な面も観られるが、カーク、スポック、マッコイの三者三様の言動や思いが伝わってきて楽しかった。制作当時は最高峰の技術だったCGも今ではちょっと弱く見えるというのは、技術の進歩と言うか、視聴者の要求が上がったと言うか挙がったというか…。意味深なラストもトレッカーの心を擽りつつ、ネタバレとかやってくれるなぁ。

 

 

 

 

 

 

スタートレック1

 

今宵は1979年制作の「スター・トレック(2001 DERECTOR’S EDITION 」!

原作はジーン・ロッデンベリーで、元々はSFテレビドラマのシリーズとして「宇宙大作戦」のタイトルで放映された。このシリーズの主題は、人間と機械、異生命体との交流、未知との遭遇であった。テレビ放映終了後、20歳前後の男性の熱烈な支持を受け、テレビシリーズも第二期に入ったが、途中で本作の映画作成がメインとなった。しかも本作のヒットを受けて、以降は映画化が主流となっていった。79年作品を01年にロバート・ワイズ監督の全面監修で手直しを入れたもの。

 

巨大な雲状の「何か」が銀河系に向かってきていた。その進路、迎撃を試みたクリンゴン艦や調査をしようとしたステーション・イプシロン9は何らかのエネルギー攻撃を受け、消滅してしまう。このままでは地球自体が雲に飲み込まれてしまう状況のため、もっとも雲に近い宇宙船であるU.S.S.エンターウライズ号が、迎撃に向かうことになる。すると、一度は退艦して提督になったジェームズ・T・カーク(ウイリアム・シャトナー)が再び指揮を執るため乗船してきて……という導入。

 

カーク船長以下、スポック、マッコイ、スコット、ウフーラ、スールー、チェコフといったテレビ版でお馴染みのキャストを本作でも同じ俳優たちが演じているので、違和感ないどころか、はまり役で安心して観ることが出来た。当時、テレビ吹替版だと必ず耳にした「航星日誌、宇宙歴XX年~」と言う決まり文句にワクワクしたけど、字幕版だとそれが感じられなかったのが残念。あと、ふとその昔にU.S.S.エンタープライズのプラモデルを飾っていた記憶が蘇ってきてしまった(笑。

 

 

 

クスノキの番人

 

2026年1月30日公開の「クスノキの番人」!

原作は、累計発行部数“100万部”突破の東野圭吾の小説。東野作品は今までいくつも映画化されてきていたが、今回は初のアニメーション映画化となる。主軸は「その木に祈れば願いが叶う」と伝承があり、多くの祈りを受け止めてきたクスノキと、その番人となった青年が織りなす人間ドラマとなっている。アニメ化にあたり、伊藤智彦監督(ソードアート・オンライン等)以下、脚本、キャラデザ、背景美術、映像表現に至るまでここ数年のアニメ界では名の通った人と会社が集結している。
 
直井玲斗(声:高橋文哉)は、理不尽な理由で一方的に解雇されてしまった後、悪友に唆され窃盗の罪を犯し逮捕・拘留される。特に将来への夢もなく格子の中にいた彼の元に突然、「依頼人の命令に従えば釈放する」とある弁護士が現れる。人生運任せの玲斗はコイントスで依頼を受けることを決める。弁護士に連れられて依頼人のもとを訪れると、身寄りがないと思っていた自分の伯母と名乗る柳澤千舟(声:天海祐希)がいた。そして条件とは、月郷神社の“クスノキの番人”になることだと告げられるが……という導入。
 
武蔵五日市駅を最寄りとする月郷神社とクスノキは当然フィクションだが、佐賀県武雄市の武雄神社と奥にある「武雄の大楠」がそのイメージにぴったりだとか、一度は行ってみたいもんだ。内容はミステリーのような、でもスピリチュアルな要素が強めのような描かれ方をしているので、それが余計に観るものを引き付けていた気がする。全体的に面白い作品だった。なお、入場者特典として、原作者・東野圭吾書き下ろし小説でアニメの後日談となる「クスノキの裏技」が配布されて、そちらも面白かった。[

アルゴ

 

今宵は2012年制作の「アルゴ(Eextended Version」!

79年~80年にかけて実際に発生したイランのアメリカ大使館人質事件が題材となっている。原作は、CIA工作員トニー・メンデスの回想録とジョシュア・バーマンの記事『大脱走:CIAはテヘランからアメリカ人を救出するためにいかにして偽SF映画を使用したか』を脚色したもので、異色の歴史サスペンス映画。ベン・アフレックが監督・制作・主演と大活躍をしている。

 

イラン革命によりホメイニ率いる反体制勢力が、パフラヴィー国王をイランより放逐。元国王はアメリカに亡命をし、米国が受け入れたことで、反発するイスラムの学生を中心とした反米デモ隊が発生することになる。そして、79年11月にテヘランのアメリカ大使館を占拠し、多くの人質にとる大事件が発生

。その際、6人の大使館員が脱出し、カナダ大使公邸に匿われていた。この6人救出のためCIA工作員のトニー・メンデス(ベン・アフレック)が呼ばれ……という導入。

 

脚色があるとは言え、本当に偽SF映画クルーを装って救出劇が行われたという史実に驚愕。大胆と言うかなんというか、CIAも凄いが、ハリウッドも凄いと感じさせられた。映像の随所・細部に至るまえ時代考証がしっかりとなされていて、当時のイランの緊迫感を引き出している。それがひいては観る者にハラハラ感を与え、十分見応えがある作品で面白かった。

 

 

 

マネーボール

 

今宵は2011年制作の「マネーボール」!

オークランド・アスレチックスのGMであるビリー・ジーンが野球に統計学を応用して、主力選手放出や引退で成績も低迷、球団の予算も限られるという経営危機に瀕した球団を再建した史実をマイケル・ルイスが「マネー・ゲーム 奇跡のチームをつくった男」と題して執筆したものが原作。単なる野球映画ではなく、ビリーの野球人生を描いたヒューマンドラマでもある。

 

ビリー・ジーン(ブラッド・ピッド)は、高卒ルーキーとして大学進学を蹴ってNYメッツに入団するも思ったような結果は残せず現役を引退し、スカウト業務を経てオークランド・アスレチックスのGMに就任していた。前年に活躍していた3選手のFA移籍が明確となり、今年度の戦力補強に奔走するも、弱小球団のため資金に余裕が無く難航していた。トレード交渉で赴いたクルーブランド・インディアンズのオフィスで統計学を用いて選手を客観的評価するピーター・ブランドと出会い……という導入。

 

スカウトの言葉と契約金につられた自分の野球人生を顧みながら、スカウトの主観ではなく統計学によるセイバーメトリクスを用いた客観的評価にのめり込んでいったビリーの言動が上手く描かれているし、一番身近なスポーツである野球が舞台なので楽しんで観られた作品。ボストン・レッドソックスからの破格のオファーを断ったビリーの哲学やビリーの統計的手法を踏襲したレッドソックスが2年後のワールドシリーズを制覇したことは、“事実は小説より奇なり”なのかな。

 

 

 

グランドイリュージョン2

 

今宵は2016年制作の「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」!

第2作目は、監督をジョン・M・チュウ変更し作成され、舞台もアメリカのみなSらず、マカオにロンドンと移り、映像的にも美しく仕上がっている。主要キャストは第1作目とほぼ変わらないので前作の内容や心情がそのまま引き継がれているが、“フォー・ホースメン”の紅一点だったヘンリーが抜け、新メンバーとしてルーラ(リジー・キャプテン)が加入している。

 

“フォー・ホースメン”の面々は、1年以上の潜伏期間を過ごしていたが、“アイ”からの接触は無く、焦りが出ていた。そんな時、オクタ社が発売するスマートフォンが勝手に個人情報収集の機能が付いていることを知り、オクタ社主催のイベントを乗っ取り、携帯電話事業の裏に隠された陰謀を暴き出そうとしてイリュージョンを仕掛けるのだが……という導入。

 

監督が代わってっても、展開のスピード感やイリュージョンは健在。健在どころか進化していて面白く観られた。日時のズレに気付かないとか突っ込みどころはあるけど、これは楽しんだもん勝ちだし、マジック後のタネ明しもあり、満足のいった作品だった。今年の5月には、なんと10年ぶりに第3作目「グランド・イリュージョン/ダイヤモンド・ミッション」が公開されるので、今から楽しみで仕方がない。

グランドイリュージョン

 

今宵は2013年制作の「グランド・イリュージョン」!

マジックを駆使して完全犯罪を行う4人組“フォー・ホースマン”をFBIとインターポールの合同チームが追い詰めるクライムサスペンスにトリック・エンターテインメントを加味して仕上げた作品。監督はトランスポーターシリーズのルイ・レテリエが務めた。

 

J・ダニエル・アトラス(ジェシー・アイゼンバーグ)、メリット・マッキニー(ウディ・ハレルソン)、ヘンリー・リーブス(アイラ・フィッシャー)、ジャック・ワイルダー(デイヴ・フランコ)という4人のマジシャンの元に謎のタロットカードが届き、導かれる様にある部屋に招かれる。1年後、4人はイリュージョニストグループ"フォー・ホースメン"として名を挙げ、ラスベガスでパリの銀行を襲うと宣言し……という導入。

 

これでもか、というくらいマジックやイリュージョンを見せつけてくるので、ワクワクして観ることが出来た作品。先の読めない展開が多く、途中で謎解きするのも忘れて見入ってしまった。イリュージョンとサスペンスが見事に融合された出来栄えだと思った。モーガン・フリーマンは流石の演技だし、ICPOのフランス人捜査官役のメラニー・ロランがなかなか美しくて良かった。

ドラキュラZERO

 

今宵は2014年制作の「ドラキュラ ZERO」!

15世紀のトランシルヴァニアに実在したヴラド3世の史実とアイルランドの小説家ブラム・ストーカーの古典「吸血鬼ドラキュラ」を融合させて制作されたアクション・ホラー映画。“串刺し公”の異名と“ドラキュラ”のニックネームを持つヴラド3世が、如何にして吸血鬼となっていったのかを描いた内容で、「単なる悪ではなく、その実、正義のために自ら悪に染まっていった」という描写がされている作品。

 

オスマントルコという強大な帝国が権勢を誇っていた15世紀、自国の兵力増強のため「支配した国の子供を1000人差し出させ、兵士として育てる」という掟があった。トランシルヴァニアのワラキア公国の君主ヴラド(ルーク・エヴァンス)も幼少期にオスマンへ差し出された過去を持っていた。その後、戦いを学んだヴラドは“串刺し公”の二つ名を持ち、敵を震え上がらせる非情な戦士へと変貌し、その功績で恩赦が与えられ祖国に還る事を許されていた。そして公国で妻や子と穏やかな生活を送っていたが……という前振り。

 

吸血鬼ドラキュラというと美女の生き血を吸うとか、闇の眷属を増やすといったイメージが先行するが、本作ではそれを覆すような作りとなっている。勿論、日光や銀が苦手といった部分は踏襲されているが、今までとは異なる視点から描かれているので、面白く観られたし、同情の余地もある仕上げとなっている。強国に支配、翻弄される国の盛衰が描かれていたり、武具や馬具など時代考証のしっかりとしていたので見応えはあった。また、不死となったヴラドの意味深でお洒落なエンディングはなかなか良かった。