特別スポーツ走行から1日あきまして、

7月15日(日)は、いよいよ予選/決勝です。




朝の2時ごろ雨音で起こされます。

雨は次第に強くなっていき、出発する3時半頃には豪雨に・・・。




元々雨の走行はキライじゃないし、ドライがまだヘナチョコで、

雨のほうが上位入賞が見込めますので、

走るライダー心理からすると「どっちでも良い」のですが、

ドライでタイムを更新したい(30秒を切って、あわよくば28秒台に入れたい)と言う気持ちがありますので、

一番の理想はドライでタイムを出して勝つ、と言うパターンなのです。

雨だとレインタイヤも買わないといけないしね(^^;。


ただ、天気ばかりはどうしようもないので、一応雨のことも考えて出発します。






今回は、メカニックのH内さん、前回来てくれたA柳君、

接点の説明が難しいKさんが来てくれますが、前日の夜、急遽元FAST時代の先輩のM本さんも

来てくれることになりました。

M本さんはFAST時代にマシンのセットアップで色々とアドバイスをいただいており、

セットアップが決まらないSP-1に何かアドバイスがもらえるといいなぁ、と思っております。





鈴鹿に無事到着。

予選に先立ち、車検を受けなければなりません。

音量測定のほか、ワイヤーロックなどマシンの点検、装備の点検を受けます。

が、ここで波乱が。音量が規定の
105dbより大きいと言うのです。

右側はなんと108db。




暖気してなかったからかなぁ、と軽く考えて暖気して再検に行きますがNG。

音量測定は5000rpmで測定しますが、ピストンスピードから計算された回転数で測ることもあります。

どちらが有利?かはマシンのストロークによって変わりますが、

SP-1はピストンスピードから計算された回転数だと5200rpmになります。




オフィシャルからも色々アドバイスを受けますが、

できることといったら左右のサイレンサーを交換するくらいです。

SP-1はエキパイの向きからサイレンサーのそれぞれ外側の方が焼けます。

当然グラスウールも外側の方が飛んでいる可能性があるので、

左右を逆にすると効果があるんじゃないか、と言うものです。






そうこうしているうちに、ライダーブリーフィングの時間が迫ってきました。

ライダーブリーフィングに出席しないと走行ができません。

皆さんにマシンを託し、ブリーフィングに出席します。




ブリーフィングで同じSP-1に乗るバカッ速ライダーN村君と再会。

「音量測定でひっかかってなぁ」と話すと、色々と対策を教えてくれました。

後ろには同じクラスに出走するアプリリアのライダーI倉さんもおり、

I倉さんにも色々教えていただきました。

I倉さんはその後ピットまで様子を見に来てくれました。ありがとうございます。






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サイレンサー交換の図。




結局、A柳君が新品のグラスウールが入ったサイレンサーを貸してくれ車検は無事通過できました。

皆さんありがとうございます。みんなの手伝いがなかったら、車検落ちと言う結果だったでしょう。

N村君もI倉さんもありがとうございます。

オフィシャルの皆さんも車検の時間はとうに過ぎているのに待っていただいてありがとうございました。






ほっとしたのも束の間、予選です。

新品タイヤを投入しベスト更新を狙います。

タイヤウォーマーもO野さんに借りてタイヤもばっちり暖まってます。






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が、走り出しグリップ感がイマイチです。

ヘアピン進入ではトットットッと言う感じでフロントが流れます。

やっぱりタイヤは走って揉まんとアカンようです。




と言うことで出だしスローな感じでスタートしますが、

3周目くらいからいよいよ全開(ってそれじゃウォーマー必要ない気も・・(^^;)。

前を走る黄色いアプリリアを裏ストレートから130R進入で抜きます。が粘ってきよる。

「おいおい決勝とちゃうんやから・・」と思いつつ前に出て引き離します。




その後ペースを上げサインボードで30秒8が出たことを知りました。

サインボードは1周前のタイムが掲示されますので、

見た周はさらにペースが上がっています(そのはずです(^^;)。

いよいよ夢の20秒台かぁ。「もう1周いこうかなぁ」と思っていると

デグナー2個目立ち上がりミス。縁石をまたいでしまいます。

結構疲れていたのでその周でピットイン。結局30秒5がベストタイムでした。

残念ながら夢の20秒台には届きませんでした。






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予選結果は18台中、総合6番手。同じクラス(X-Fomula T-1)では3番手です。

ライバルのタイムは予選順位の一つ上に、特別スポーツ走行で遭遇した

アプリリアのライダーがコンマ4秒差くらいでおり、

総合3番手にドカティ(M1000)のライダーがなんと26秒台でおります。


今回は密かに?クラス優勝を狙っていましたが、26秒台は遠すぎます。




このライダー、いままでFUN&RUNには出てなかったはずですが、

「なんでこんなタイミングで出てくんねん」と思います。




しかも、予選で30秒台を出してしまったので、

次回からはX-Fomula T-1 EX(エキスパートクラス)に認定されてしまいました。

N村君達と勝負しなければなりません。

X-Fomula T-1で優勝が狙えるのは今回が最後なのです。

「無理や、降格させてくれ」と思いますが時すでに遅しです。








予選終了後。

みんなとマシンセットについて色々話し合います。

個人的にはフロント接地感に問題を抱えており改善したかったのですが、

・自己ベストが連続して出ている。

・特別マシンの挙動におかしいところはない。

と言うことから現状キープで行くことにしました。








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A柳君は今のままでも28秒台はいけるし、

26秒台のドカティのライダーも、レースは何があるかわからへんから頑張れ、と励ましてくれます。




そうなんですよ。

ライダーって傍から見てると豪快で、何も考えてないように見えますが、

結構チキンハートでネガティブなことばっかり考えるんですよね。

こうやって空気を入れてくれると助かります。

特にバイクレースはメンタルな部分が大きいです(特に年を取ると・・・(^^;)。








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決勝レース、スタート前チェックへ向かいます。






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スターティンググリッド。濡れたタオルで首を冷やしています。






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ウォームアップラップ3分前。メカニックは退場です。









決勝。周回数は7周です。

天候は心配された雨はなく、快晴です。暑いです。7周体力が持つか不安です。

グリッドは2列目、イン側からのスタート。

例によってロケットスタートです。前にはN村君と最大のライバル ドカ(M1000)がいます。

3番手で1コーナー進入。






今回は1周目のペースアップが課題と考えており、1周目から全開で行きます。

が、予選総合2番手のドカ(1098S)が抜いていきます。

流石に1周4秒の差があると違いますわ・・。




ただ、その1098Sはクラスが違い今日の敵ではないので、気にせず当面の目標M1000を追います。

M1000は2周目に入っても遠くに見えています。予選のタイム差からだともっと差がつくはず。




こっちのペースが速いのか、向こうのペースが遅いのか分かりません。頑張って追います。


3周目のホームストレート、サインボードで29秒台が出ていることを知りました。

ドカ(M1000)との差はあまり変わらず、ちょっと縮まったか?と言う感じですが、まだ遠いですが、

明らかに向こうのペースが上がってないようです。




これはチャンスと3周目、4周目を頑張って走ります。

4周目は確実に近づいてきました。

ダンロップからデグナーでは一気に縮まります。

その先ヘアピン、MCシケインは苦手なので、極力離されまいとキレイに走ります。

200Rからスプーン進入では真後ろに、スプーン立ち上がりは明らかにこっちのほうが速いです。






レースは7周あります。

あまり早めに前に出ると抜き返してきますし、

前の方が疲れるでしょうから、できれば最終ラップで抜きたかったのですが、

スプーン立ち上がりスピードが違いすぎるので抜かざるを得ません。

スプーンをイン側で立ち上がり、加速。

徐々に右に寄せて、やや相手をブロックします。

130Rからシケインを無難にこなします。






前に出て引き離しますが、サインボードはラップタイムのみの簡単なもの。

後続との差が分かりません。


前に出るとやっぱり精神的にはきついです。

目標物もありません。

200Rで水温を見ると88度くらいまで来てます。




あぁ水温も上がってきたなぁ、なんてレートは関係ないことを考えていると、

スプーン進入で突っ込みすぎ。頑張って曲げようとしますがオーバーラン。




スプーンのオーバーランは経験済みですが、今回はペースも違い、粘ったと言うこともありコースアウトのラインが違います。

前回はアスファルトの部分だけで戻れましたが、今回は行く手にグラベルが見えます。

やばい、こけると思いましたがスピードが乗っていたせいか、そのままアスファルトに戻れました。

後ろを見るとM1000と別クラスのGPZが見えます。早く戻ろう、と思いますが彼らの走行ラインと重なりそうだったので先に行かせコースインします。






手に握っていた勝利を逃した喪失感です。

が、前のペースも決して速くありません。再度気持ちを切り替えて追います。






最終ラップ。

GPZ、M1000、わたしの順でS字を駆け上がっていきます。

ダンロップ。M1000はGPZのイン側を狙っていますが、そのラインではスピードに乗らないのは明白です。

わたしはダンロップがチャンスと考え、逆バンク立ち上がりから有利なラインを取っていました。

3速全開から4速、5速まで上げ、GPZのインでスピードに乗らないM1000をアウトから並び、デグナー進入でパス。

その後は集中力を切らさずゴール。

最終コーナーを立ち上がるとチェッカーが見えます。

ピットクルーが手を振っているのも見えます。

チェッカーを受け、わたしもガッツポーズです!最高の瞬間でした!






クラス別ではありますが、生涯初優勝です。

レーシングチーム・ドンガメとしても初優勝です。






レース後、いつも手を振ってくれるオフィシャルの方々。

いつもはこちらも手を振って感謝の気持ちを示します。が今回はガッツポーズでしょう!

「やったぜぇー」って感じです。

2位、3位も嬉しいですが優勝は格別です。

各フラッグポストでガッツポーズをしてしまいました。




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決勝レース終了後、車両保管場にて。






ピットに戻ると、今回はピットクルーが車両保管場で迎えてくれます。

皆と握手をし無事走りきった充実感を味わいます。

N村君ともがっちり握手。VTR1000SP-1が両クラス優勝と言うのも嬉しいです。

まだまだドカやアプリリアには負けへんでぇ。




ラップタイムは手元計測では29秒0いくつかだったのですが、

公式リザルトでは28秒999。冗談みたいですが28秒台が出てました。








今回のレースは本当にできすぎでした。

優勝もできたし、タイムも出せた。

まじめにやっていればこういうこともあるんかなぁと思いますが、

実力以上の結果だったようにも思います。








レースはライダー一人が走ってるんじゃなくて、

色んな人の協力で成り立ってます。

そういう人たちの声援に応える、見に来てくれた人に「良いレースだったね」

といってもらえることが、なによりもライダーとしては嬉しいですから、

協力してもらうと言うことはライダーの成長にも繋がるんやなぁと感じました。






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表彰式。残念ながら2位の方はいらっしゃいませんでした。








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3位のライダーが「かけます?」って聞いてきたんで、


「普通に・・」といったんですが、彼の目は「かけます」オーラ全開だったので応じましたが、


場所が高いのでわたしのほうが有利でした(^^;。








今年のレースはこれで終了です。

来年に向けて充電します。









最後になりましたが、いつもレース運営に心を砕かれている鈴鹿サーキットさん。

オフィシャルの皆様、レスキューの方々、その他関係者の皆さんありがとうございました。








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