教師間でのいじめが世間を騒がせている。
それを見て、高校時代を思い出した。
あれは高校2年の時だったか。
新任の先生が私のクラスの担任となった。
彼は若く、教育に対する熱意を持っていた。
だが、小学校低学年生相手ならまだしも、反抗期真っ只中の高校生が相手だ。
熱意が空回りしている節もあった。
それを露骨にからかう教師が一人いた。
彼女は学校に長く勤務し、たまにやんちゃをするような明るい子供たちを纏めることに長けていた。
彼女は学校にいなくてはならない存在だった。
彼女は彼の熱意に対し、「ったく、金八じゃねーんだからよ」と生徒の前で罵った。
金八とは当時流行っていたドラマだ。
熱血で心優しい金八先生と彼が勤める高校の生徒との心温まる物語だ。
教育の現場は綺麗事だけではないと教えたかったのか…それにしても生徒を巻き込み笑い者に仕立て上げる行動はいかがなものかと感じていた。
また、彼女は彼の容姿(特に顔の作り)についても「気持ち悪い」と言った。
彼は言葉のはじめに「あ、」とつける癖があり、彼女はそれも大げさに真似してみせた。
彼は時たま涙し、周りの生徒は笑っていた。
私は戸惑ったが、周りに合わせて苦笑いするしかなかった。
彼は一年もたたないうちに退職した。
今の今まで、教師間の派閥はあれどいじめはないだろうと考えていた。
生徒に「いじめはやめよう」と教える立場で、いじめをするはずがないと考えていた。
では高校時代に見たものは何だったのかと、ずっと腑に落ちずにいた。
今回のニュースでようやく、あれはいじめだったのだと理解し、納得する事ができた。
私は9年間通った母校のイメージが激変してしまうのを感じた。
私の母校を受験しようとしている子がいたら、待ったをかけてしまうかもしれない。