丸川大臣の放射線量の発言が問題になっていて、それが
「何の科学的根拠もなく時の環境相が決めた」

と言うのであれば、あまり間違っていない気がする。

 

その後の国会でのいろいろなやり取りがあって、

「根拠がないといういい方は間違いだったと思う」と

発言を訂正されましたが、それではその科学的根拠とは

何なのでしょうか。

社会的根拠と混同しているのではないでしょうか?

 

被災地の線量に関することはデリケートな問題です。

大臣にはたとえ地元の講演であっても当時の民主党を

揶揄するかのような発言は避けるべきです。

責任ある立場としては発言に根拠を持っていただきたい。

 

また民主党も当時は与党で被災対策に指揮を執ったのですから

その責任を感じていただき、言葉尻をとらえる議論ではなく

国民生活に焦点を当てた議論をお願いしたい。

 

 

一般的「安全基準」について以前にも書いたと思いますが、

危険を感じた場合、当初は基準を厳しく設定し国民の安全を確保し

その後、科学的検証を基に現状に合わせた安全基準を

設定しなおすことが適切だと思います。

 

当時1ミリシーベルトと国が決めたのは

IAEAでは1~20ミリシーベルトという基準を

示した中で、最も厳しい数値を採用したという

ある意味政治的判断だったのではないだろうか。

 

 

人が一般的な生活をする中でリスクがゼロと言うことはありません。

移動手段では車も電車も飛行機も事故のリスクがあります。

醤油は接種が多すぎれば健康被害を起こします。

餅を食べればのどに詰まることもあります。

生活の中でのリスクはいくらでもあります。

 

体の検査でレントゲンやMRIを受ければ被爆します。

飛行機に乗れば高い放射線を浴びます。

パイロットや客室乗務員は私たちより

多くの線量を浴びています。

そして私たちは広島と長崎に原爆を落とされた

経験を持っています。

 

被災地の状況も長期化し、線量に関して「安全基準」を

示すということは今後難しいかもしれません。
その基準が正しくても国民が信じるのか、ということが
課題になります。

線量の国際基準がどのようになっているかは分かりませんが

国は科学的データを基に「線量対リスク」を示しては

どうでしょうか。

福島の被災された皆さんをみる時に、線量による実際の

健康被害以上に、不安による健康被害の方が心配に思えます。

 

 

国会で線量等について議論するのであれば、

その貴重な時間を真に被災された皆さんに視点を置いた

ものであってほしいと思います。