何回も何回も入れようとするのだけれど、そのたびに額に当たったり、まぶたに飛んでいったりと、フリスクは口の中に入ってくれないのだった。
そうこうしている内に、行きつけのカフェに着いてしまった。店内を覗くと、そこは南米のジャングルのようになっていた。
木々の間に、かろうじてカウンターを確認する。
レジの横にはいつもの店員さん。
あぁ、ただ店の雰囲気を変えただけか、と安心し、カウンターに近づく。
「あら、いらっしゃい、片山さん」
「こんにちは。ブレンドください」
「それより今日はいいものがあるんです」
店員さんは、そばに咲いていた花を、一輪摘んだのだった。見たことのない花だ。
「これ、何の花ですか?」
「これ?コーヒーの花ですよ」
そう言いいながら、店員さんは、花をコーヒーカップの上に傾けた。すると、その花の中から、熱いコーヒーが注がれたのであった。
「へぇー、コーヒーって、こうやって淹れるんですねぇ」
僕が感心していると、店員さんは、もう一輪の花を摘んで、差し出した。
「片山さんも、淹れてみます?」
僕は花を受け取り、同じようにカップに傾けてみたのだけれど、全然コーヒーは出てこないのだった。
「あはは、片山さん、下手ねぇ」
と、言われたところで目が覚めた。
起きるとすごい疲労感で、体がだるかった。
こういう時は、風邪を引いていることが多いんだよなぁ、と思ったその日、やはり喉が痛くなったのだった。
それが先週末のこと。
おかげで、行きたかった師匠のライブも、絵の展示も断念。
絶版で手に入らない本を、やっと図書館で見つけたのに、最後まで読めず返却。
そんな最近であった。
未だに声が思うように出ない。
この週末も、おとなしくしていよう……。

この頃、晴れた金曜日は、仕事場の近くにあるベーカリーカフェでお昼を食べる。
昼休みに仕事場を離れるのは、気分転換になって良い。