読書の秋。

書籍については、ほとんど購入することはなく、地元の図書館で定期的に借りている。一度に10冊、2週間。

ジャンルは問わず、自分の興味と感性(?)に任せ、書棚の間をゆっくりと練り歩きながら、ランダムに書物を手に取る。タイトル、装丁、著者、等々、目に飛び込む情報も大切だ。


最近出会った書物の中で、心の琴線に触れたもの。



TUDO AZUL ao Infinito-四雁川流景


『川のそばの町を舞台に、人間の生死を問う珠玉の短篇集』

玄有宗久和尚のの本はこれまでに何冊も読んでいて、その都度不思議な感動を与えられてきたが、今回は最も心を打たれた。

一篇一篇淡々と四雁川周辺に暮らす人々の物語を綴っていくのだが、その文章と世界は静謐にして深遠で、言葉では言い表せない感動をもたらす。静かに心打たれるのだ。


玄有和尚の深くて暖かい眼差しを感じるからだろうか。私自信の心も落ち着いて安定するのだ。


一度直にお会いして、お話をお聞きしてみたい。


最近はいい本に巡り合う確立が高い。

(こちらの感覚が鋭くなっているのだろうか)



TUDO AZUL ao Infinito-江戸の老人力

細谷正充氏がテーマ毎に選んだアンソロジー。

「・・・の老人力」の他に「満腹力」、「商人力」も読んだ。

素晴らしい作家達が描く江戸の人々と生活。人情と情け、したたかなのにどこか抜けていたり。

面白かった。特に「老人力」は、昔も今も変わらぬご高齢者のパワーを感じた。生きる力をもらったようだ。


本を手にして活字を目で追う、というのはなんと嬉しく楽しいことか。そして素晴らしい文章、見知らぬ世界に巡り合うことのできる幸せ。生きててよかった。


知り合ってから25年来の友人。四半世紀も途切れることなくつながっている関係。

遠く住む場所が離れたり、長く音信不通の時期もありながら、ふと、どちらからともなく連絡を取り合う。

すると、時や空間という隔たりがまるで嘘のように、変わらぬ会話が始まるのだ。

それは我々にとってはあまりに自然なこと。傍から見たらおかしいかもしれないけれど。


そんな友人と映画を見た。「食べて、祈って、恋をして」。

映画自体は少々詰め込みすぎの感。結婚、恋愛にうまくいかない主人公の女性がイタリア、インド、インドネシアを旅して自分を見つめ直そうとするのだけど、一つの場所をもっとじっくり描いてほしかった。訪れるロケーションが素晴らしいだけに残念。


しかし、旅はいい。

そういえば友人とも旅をした。懐かしい、大切な思い出。

時空を超えて、再び旅に出たくなった。


夜明けとともに目覚める。窓をあけると、黒々とした空が少しずつ赤みを帯びつつある。


再びひんやりとした大気の中に足を踏み出す。


朝靄立ち込める田畑。夜露に濡れた草花はその重みに首を垂れている。


太陽の光を受け、空は白々と青みを増し、田圃の向こうに聳え立つ高層マンションは赤く輝き始める。


清清しい朝の空気を全身に吸い込んで歩く。至福の時。

なんという贅沢。