著者 : 石田衣良
集英社
発売日 : 2018-04-05
松坂桃李主演映画化「娼年」の最終章。「娼年」三部作完結編『爽年』。
「call boy」リョウが戻ってきました。7年の時を経て、大人になって……。
綺麗な描写は相変わらず。透明感のある性描写。独特の世界。リョウの視点からの描写は、セックスをとても美しく描いています。
リョウは身体を売ってはいるけど、その時々に、相手の女性を思いやる。それは女性そのものに対して持つ、リョウの優しさ。女心をよくわかっているところが素晴らしい。
お客(女性)の持つ心の寂しさ、満たされぬ思いが伝わる作品。
リョウと同じ娼夫・アズマの死と新しい命の交差。生と死は隣り合わせということだろう。
生きる意味を見いだすリョウ、愛を知るリョウ。リョウがパパになる日も近い。素敵なパパになるのだろう、と想像をしながら読み終えました。

*****

石田衣良の新作「爽年」。「娼年」「逝年」そして「爽年」。これが娼夫リョウの物語の完結。
「逝年」を読み終えたあと「爽年」を読みました。

リョウの青春時代を垣間見る感じ。彼は幸せなのだろうか。
いや、幸せなのだろう。たぶん。
人より多くの女を知ることで、リョウの中には「女性に対する優しさ」「女性を敬う」気持ちが育まれていったと思う。

石田衣良の作品は、ジャンルが多才。「池袋ウエストゲートパーク」とは全然違う。いわゆる恋愛小説。
セックスシーンだけを楽しみに読むのではなく、登場人物の心のひだまで詳細に描かれているので、そこに視点をあてて読むことをオススメします。
 
<アマゾン・内容紹介より>

映画化(R-18指定)で話題の「娼年シリーズ」最終章
最後の、夜。

―始まりはこのバーだった。
娼夫として7年もの歳月を過ごしたリョウ。御堂静香の後を引き継ぎ、非合法のボーイズクラブLe ClubPassion(「クラブ・パッション」)の経営を一手に引き受けるまでに。男性恐怖症、アセクシュアル…クラブを訪れる女性たちにも様々な変化が。
リョウは女性の欲望を受けとめ続ける毎日の中で、自分自身の未来に思いを巡らせ始めた。
性を巡る深遠な旅の結末に、リョウが下した決断とは……。
大ヒットシリーズ『娼年』『逝年』続編。

【著者略歴】
石田 衣良(いしだ いら)
1960年生まれ、東京都出身、成蹊大学卒業。97年、『池袋ウエストゲートパーク』で第36回オール讀物推理小説新人賞を受賞。以降、2003年『4TEEN フォーティーン』で第129回直木賞を、06年『眠れぬ真珠』で第13回島清恋愛文学賞を受賞。13年には、『北斗―ある殺人者の回心』で第8回中央公論文芸賞を受賞。