私はいつも、道の駅でお花を買う。

今日のようなお天気の良い日曜日は

家族連れでいっぱいだ。

みんなみんな、楽しそうに見える。

 

ここではカウンターに座って、ソフトクリームや、

ワッフルを食べることができる。

 

いつもは誘っても来ないきなこ饅頭(娘)が

あの夏の日、珍しく

「ソフトクリーム、食べたい。」と言い、ふたりで買い物にきた。

他のお店の商品も色々並んでいて

きなこ饅頭は、お菓子の袋を私に見せて

「これこれ、結構有名やねん。美味しいかな?」

私は買おうと言ったけど、きなこ饅頭は

「ここじゃなくて、ちゃんとそのお店で買わんと

あかんやろ~。」と妙なこだわりをみせ

結局買わなかった。

 

ふたりでカウンターに座って、ソフトクリームを食べた。

窓の外を見ながら

「緑がきれいなあ。」って、何気ない話をしながら

並んで食べた。

 

今、私は

道の駅に行っても、カウンターを見ないようにしている。

見たら思い出して、どれだけ大勢の人がいても

不審がられても、私は泣いてしまうから。

 

あの時、無理にでもあのお菓子を買えばよかった。

食べさせてあげなかったこと、とても悔やむ。

美味しかったソフトクリーム。

ちゃんとふたりで食べたのに、なんでこんなに悲しいんだろう。

 

食べても食べなくても、買っても買わなくても

どっちにしても、悲しいんだ。

大切な人を失うって、こういう事。

何気ない日常も全部、全部・・・。

 

きなこ饅頭。しんどかったんやろ。

でもな、残された者も、大変やねんで。

 

「今更、あたし、関係ないし。」

そんな声が聞こえてきそう。

お母さんの大切な、ツンデレきなこ饅頭。

 

今日の私は、とても泣き虫。

 

気持ちを入れ替えて

明日からお仕事、頑張らなくっちゃねニコニコ