3年ほど前に、

「エプロン作ってよ。

 ボランティアで調理仕事する時に使いたいの、

 真っ赤がいいわ」

と言われたことがありました。

 

ですが、

「安く作ってね」というようなことを言われ

その方がいわゆるリッチな奥様で

身につけるものは吟味厳選し

コレ、と思うもの以外は容赦なく処分されるのを知っていたので

仕入れに行く気をなんとなく無くしてしまい。

 

もちろん安くていいものが無いとは言いません、

うまくバーゲンセールを利用するとか

事情があってお安くされるタイミングを見計らうとか。

あとは値段が高いものも

質以外に、希少価値とかブランド人気とか

他の理由もありますから。

 

ただ、実用的にしょっちゅう使う

布製品を作るとき、

その素材の基本的な価格は

ある程度、質と比例すると

私は思っています。

 

 

お手製マヌルネコ柄クッションカバーとうちのキジトラ猫

 
 

その後まもなく奥様は遠くへ引っ越され

エプロンの件は

それきりになってしまいました。

 

が、しばらく前

本当に久しぶりにお目にかかる機会がありました。

楽しくおしゃべりしていると

ふと思い出したように、

「ねえ、あなた

 エプロン作ってくれない?」

と、また奥様がおっしゃったのです。

(あー・・・そういえば

 昔頼まれたのがそのままになってたな)

と内心気まずい気持ちでいたところ

「やっぱりねえ、台所仕事する時

 エプロンが無いと不便なのよ」

どうやら奥様は、

私に以前同じリクエストをしたことを

すっかり忘れておられる様子。

今回は安くしてねのひとこともなし。

 

そして、じゃあこれから用事で出かけるからと

着替えられたのですが

 

水色と白のストライプのシャツに

真っ赤なニットを重ね、

赤い口紅をつけて

身支度を整えてお部屋から出てこられました。

 

とってもとっても素敵でした。

 

それを見て、3年越しのエプロンをプレゼントしようと

作ったものがこちら。

 

 

 

 

私、エプロン、初めて作りました。

 

生地はこちら

 

リネンとウールとコットンの混紡で

柔らかい手触りながら

丈夫そうな厚みもあるし、

これなら洗濯してもちょっとやそっとじゃ傷まないだろうと。

 

そしてこの赤色が、その時お店に展示してあったものの中で

彼女の雰囲気に一番、ぴったりでした。

 

 

バイアステープ始末、水色の鉛筆柄を笑ってくれるだろうか・・・

 

 

実のところもっともっとリーズナブルな生地もあったんです。

そんなに高級なお洋服用ってわけでもないし

どっちみち汚れるものだし

エプロンなら正直これくらいで十分じゃないの?と

一瞬思ったのですが

並べてみるとその差は歴然。

 

せっかくプレゼントするのに

ケチると後で後悔するし。

ついでに端切れでコースターも作れるな。

そういえば、彼女がいつも使っているランチョンマットも

こんな雰囲気の赤色だし。

 

 

近々、これと

奥様の好物のどら焼きを持って

夫婦で訪ねる予定です。

気に入ってもらえるか、

お世辞を言わない方なので

軽く緊張しつつ・・・

 

それにしても、プレゼントを選ぶってほんと楽しい!

私は相手の好みや使い勝手や、

その他あれこれを真剣に考えすぎて

「そんなもん、何でもええねん。気持ちやろ」と

よく夫氏に笑われますが

どうせなら、ストライクゾーンを狙って攻めたい

そして相手が喜ぶ顔を見る、その時の密かな達成感ときたら!!

外した時は、その原因究明と対策をことこまかに練り

次のチャンスを虎視眈々と待つ。

 

贈り物選びは常に真剣勝負です。

 

ちなみにどら焼きは食いしん坊大臣、夫氏の担当です。

頼んだぞ。