夫の職場の敷地内で

子猫が亡くなりました。

 

どうやら、近くで車にはねられたようで 

怪我をした状態で迷い込み

息を引き取ったようだと

帰宅した夫は言いました。

 

 

 

前回も書きましたが

我が家には10年前に拾った猫がおりますので

見ず知らずでも

そういったたぐいのニュースには

ひどく心が痛みます。

 

 

こんな時、必ず思い出す短歌があるのです。

 

 

 

愛された犬は来世で風となりあなたの日々を何度も撫でる

 

 

「あなたのための短歌集」 より

 

 

 

木下龍也さんという歌人に

メールでお題をリクエストすると、

木下さんがそのお題を元に歌を詠み

便箋に書いて封書で送る、という企画で作られた歌のうち

100首選んでまとめられた歌集です。

 

たくさんの歌が詠まれていますが

その中でもこれは、

読んだその日から忘れられません。

 

 

 

私が子どもの頃、

両親が動物嫌いだったこともあり

金魚やカブトムシより大きな生き物を飼うことは許されませんでした。

 

一度でいいから猫を飼ってみたい、

その夢は30歳を超えてから突然叶えられました。

我が家のオス猫ぼちゅは

私の初めての猫なのです。

 

そしてまだ、ペットとの別れを経験したことはありません。

 

 

でも必ず来るんです。

 

 

これはいくら頭でわかっていても、覚悟しようとしても

その時はどうにもならないほど悲しむだろう。

悲しんで悲しんで、

ひたすら悲しんだあとに

この歌の「犬」を「猫」に置き換えて

生きていこうということだけは今、決めています。

 

 




 

そして今は朝起きて、ぼちゅにおはようの挨拶をするとき

ぼちゅにしか聞こえない大きさの声で

「生きててくれてありがとう」

と言うのです。

 

 

 

10分後に台所で、とっても悪いオイタの後を発見し

「この悪ガキ!!!」とお尻ぺんぺんすることに

なったとしても

やっぱりそれは本心なのです。