暖かくなり、さらに

暑くなりつつある季節。

 

動物たちが活発に、

時に荒ぶる時期ではないでしょうか。

 

 

 

みなさん、こんにちは。

本日のご機嫌はいかがですか。

 

 

 

我が家の飼い猫、

ぼちゅは10歳のオス猫です。

そうか、お前を隣の公園で拾って以来

もう10年も経ったのか。

 

 

この荒ぶりシーズンになると

てきめん、ワガママになり

自分の思い通りにならないと

(雨が降って散歩に行けないとか

 つまんないのに人間が遊んでくれないとか

 人間が僕を置いて出かけやがったとか)

それを悪いことだ、と十分にわかった上で

悪いことをします。

 

なぜわかるのかというと

オイタをしたあと私の顔を必ず凝視して

おもむろに逃げてゆくからです。

 

 

 

猫って

賢いですね。

 

 

 

 

 

 

 

ワガママが目に余ることもあるのですが

ほとんどの場合、ぼちゅは

私たちがかまってくれたり

ご飯をくれたり

お気に入りの缶詰や焼いたイワシをくれるのを

辛抱強く待っています。

そして望みが叶うと

全身でその喜びを味わい、

 

人間たちはその姿を見て目を細めるわけです。

幸せだなあ、と思います。

 

 

そんなある時。

突然、

ぼちゅが私を避けるようになったことがありました。

撫でようとしても逃げ、

遊んでやろうとしても逃げ、

挙げ句の果てには

彼が寝ているところに近づくと

すぐさま起き上がって姿を隠すようになりました。

 

 

おかしいなあ。

ここしばらくオイタを怒ってもいないし

毎日お世話はしているし

好物の缶詰も買いだめしたところだし。

夫の膝の上では長々と伸びてくつろいでるから

具合が悪いわけでもなさそうだし。

 

 

原因が思い当たらないままさらに数日。

だんだん寂しくなって、

ふん、アンタがそのつもりなら

こっちももう、いいもんね、

1人こっそりすね散らかしていた

とある夜のこと。

 

 

その頃は換毛期でした。

猫が座ったあとの座布団は

いつにも増してふわふわした毛にまみれ

掃除機をかけて雑巾で拭いても

あっという間に、毛玉が廊下を

ふわんふわんと飛ぶ季節。

 

 

ぼちゅはブラシをかけられるのが嫌いで

冬の間、そう頻繁にはブラッシングしませんが

この時期はそういうわけにもいかない。

 

 

最近のつれない態度に怖気付いた私は

毛がごっそりとれる硬いブラシではなく

毛並みを良くしてツヤツヤにするという謳い文句に惹かれて買った

柔らかい(微妙に高い割に効果があるのか今ひとつわからない)ほうの

ブラシを持って近寄りました。

 

 

おや。逃げない。

 

 

めずらしいことに、

彼はぺたんと伏せたまま

大人しくうつむいています。

 

私はできるだけ音をたてずににじり寄り

背中から、首の周り

小さいオデコと

優しくブラシで撫でてやりました。

 

 

喉こそ鳴らしませんでしたが

ずっと静かに、されるがままになって

 

しばらくするとお尻をするりと持ち上げ

ふいっとどこかへ行ってしまいました。

 

 

久しぶりに触らせてくれたなあ。

 

 

たかだか小さな猫1匹の反応に一喜一憂する

自分の小心さに半ば呆れながら

私は布団に入りました。

 

 

 

 

 

 

夜中。

ふと目が覚めると

足元で何かが動く気配がしています。

 

ぼちゅが水でも飲みに行くのかしら、とぼんやり考えた次の瞬間、

あったかくてふわふわして、

なおかつ少し湿った小さな毛玉が

私の左足にもたれて

丸まり直してる・・・!

 

 

私は打ちたかった寝返りも止め、

トイレに行くのも根性で我慢し、

左足先に全神経を集中して

ぼちゅの体温を感じました。

 

 

 

そういえば、最近

たいした用事でもないのになんだかんだと頭がいっぱいで

ぼちゅをちっとも抱っこしていなかった。

 

 

私は抱っこが下手で

抱いてもすぐ降りられてしまうので、

そのころの、自分勝手なせわしなさを理由に

 

「ま。いいかな、

抱っこ担当は夫に任せておけば」

無意識に恐ろしい手抜きをしていた。

 

 

ぼちゅはそれを敏感に感じ取って

相当寂しくて怒って拗ねていたの・・・・?

 

 

 

 

この幸せが一生続くわけでもないのに。

 

 

徐々に強まる尿意に耐えながら

大反省した

初夏の夜更けでございました。