母と同じだ。


そう思い至った瞬間、

わたしはゾッとしました。




わたしが輝く服を着よう

RookMIe(ルックミー)

お針子ルミです。

みなさんいかがお過ごしですか。


わざわざ足の上に座る




今年のゴールデンウィークも終わりましたね。


この時期は毎年、仕事していることが多いか


パニック発作と、それに伴う心身のダメージで

寝たきりになっていたかで

少なくともここ15年ほど

旅行やレジャーに行くことはありませんでした。




今年は仕事も休み、

身体も動く

不思議な連休でした。

パイン(夫)ももちろん、休みでうちにいます。




ここしばらく

パインはとても頑張って

ミシン台を作ってくれたり

テレビ台を作ってくれたり

ペンキを塗ってくれたり

塗り直してくれたり



おとといなんて、前々から言っていた

天袋の断捨離までしてくれていて

(まあ自分の古い荷物なんだけど)






あさごはんを食べているときなんか



いつもはトーストを持ち上げて

組んだ足の上でモグモグ食べるせいで

テーブルや椅子の下にパン屑がガッツリ散らばって

掃除した直後のわたしの神経を逆撫でしていたのに




チラッと見たら

膝の上に皿をのせて食べてて




まあこれも、

夏日、いや外の温度計は真夏日で

最上階南西開口部の

熱気のこもった部屋で

根を詰めて作業しなきゃいけないことがあって

かなり疲れて不機嫌だったわたしに気を遣ったからの行動なんだけど



そんなにも、気にしてたくさん力を尽くしてくれてたのに




使い終わった布巾

絞らず濡れたまま

調理台に放置した

ただそれだけで

(まあこれも、軽く15回は、布巾がカビるからしっかり絞ってくれと繰り返し頼んでいたのだけど)




わたしのイライラはピークに達し

ネチネチとひどい言葉で

パインを長々と責め立ててしまいました。





眩しさは鞄のハンドルで隠せばちょうど良い





パインは長年培ったスルー技術を駆使して

ストレスですぐ癇癪をおこすわたしにも

寝たきりのわたしにも

調子に乗って浮かれているわたしにも

絶望しているわたしにも

態度を変えず付き合ってくれてきたのに




たった布巾1枚で

この日ばかりは

そのパインの大きな手がぶるぶる震えて

あんなに食べるのが大好きなくせに

ご飯要らない、と

放心したような、

それでいて鬼気迫る表情で

ジッと座っていた。




あ、これはまずい



その顔をみた瞬間血の気が引きました。










布巾1枚を

絞る絞らないの

ただそれだけのことで


おおらかなパイン(夫)を

とことんまで追い詰めた




その原因は全部

急なひどい暑さと疲労と

わたしの勝手な都合でした。




これはいくらパインの耳がちくわでも

今回ばかりはわたしが悪かった。




家の中を平和にしようと決意して

偉そうにこの前ブログにだって書いていたのに

何週もしないうちにこんな有様。




パインがあんな風にショックを受けるなら


恥をかき、損をし

他人をがっかりさせても

そんなわたしの都合なんて放り出せば良かった。





変なプライドを捨てられず

他人の期待にこたえようと

いつまでも現段階での、

最終の決断をしなかったわたしが

今回は本当に悪かった。




そして、なんとかその場を収集しようとし始めたわたしにパインが言ったこと。





「どれだけお前を助けよう、守ろう、

 喜んでもらおうと頑張っても

 何をやっても足りんのや

 俺のやることは、

 いつまでたっても充分じゃないんや」




それを聞いて、わたしは




「母と同じだ」



今のわたしのしていることは

長年受け入れられなかった

母のしたことと全く同じだったのでした。





わたしは母ソックリだった。

こんな人にはなるまいと

あんなに繰り返し心に誓ったのに



長年憎み、軽蔑していた人と

同じ思考回路でモノを見ていた。


心底ゾッとしました。




怒らないで、と言ってるみたいに鳴いたぼちゅ




ただ、





その日洗濯したパインの枕カバーや

(彼に少しでも気持ちよく眠って欲しくて)

掃除機をかけ、雑巾掛けした部屋のことを思い出して

(彼のアレルギーの鼻詰まりを和らげたくて)





ああ、母も

わたしを大切に思っていなかったんじゃないんだと



その時々の事情や

持て余す気持ちや

相手に関係の無いストレスが

あっただけなのかもしれないと



母も、パインも

そしてわたしのことも


精一杯生きてる

なかなかよくやってる、

えらいえらいと


やっと冷静になれたのです。




凍りついていた空気が少しだけ動き



わたしは、休みなのにアレコレとよく働いた

寝ているパインの腕を少しだけマッサージしてあげることができ


わたしもそれから

眠ることができたのでした。






父はここのところ元気に畑仕事



そして昨日



お正月あけに帰省したとき

一緒にスーパーに行き

好きなの選んでいいよ、と

母が買ってくれたのど飴が

仕事用の鞄の中に

いくつか残っているのをみつけました。



休憩時間にその飴を舐め



今夜はたくさん笑おうと思ったのでした。




ふとした出来事で

自分も他人も

過去も未来も

癒される、許せる



全てが一気に解決するわけではないけれど。




そのままみんなが

生きていけば、

ただそれだけでいいのかもしれないなと

感じたお話でした。



今日も大阪はいいお天気です!