今朝起きた時はさんさんと陽が射していましたが

だんだん曇って、部屋が暗くなってきました。

 

私の育った京都府北部は

「弁当忘れても傘忘れるな」という地方のことわざがあるくらい

お天気はしょっちゅう、急に崩れます。

山陰地方ですからね。

特にこの季節になると、どんよりした日も増え

雪も降りますし、風向きによってはかなり積もります。

 

母はいつも、お天気に文句を言っていました。

雨や雪の多い、すっきりしない天気を、いまいましそうに

「ああ、情けない」と。

 

私にはその「情けない」の意味がわからなかったけれど

羽振りのいいのんきな都会っ子が、結婚して急に田舎暮らしをすることになったら

 

まあ、鬱憤もたまるでしょうね。

それを毎日毎日聞かされる方は心底うんざりでしたけどね。

(あんたが好きこのんで結婚して選んだ生活やろうさ!!と

 自分を高い高い棚の上に放り投げた発言多数⇨不毛な言い争い)

 

 

 

 

私は就職して大阪に住むようになりました。

もちろん空気は爽やかとは言えないし

夏場の暑さは命の危険を感じるけれど

地元に比べて冬場のお天気のいいのに驚き

長靴もほとんど要らないし、洗濯物も良く乾く。

なんと快適なんだろう!と喜んでいました。

 

それが、外出できず毎日毎日家にいる生活を送るようになると

だんだん、その晴天が、いまいましくなってきたんです。

 

 

 

こんなに晴れてもらっても、私はどこにも行けないし、何もできないのに。

 

 

 

晴天を呪って、と言えば聞こえがいいですね。

正味、晴天に逆ギレです。

 

 

 

あまりの晴天続きにイラついた私は、毎朝仕事に出かけるパインを見送った後

カーテンを閉めてしまうようになりました。

そして、薄暗くなった部屋の中で、ようやく一息つくことができた。

 

よく言いますよね、私は鬱と診断されたことはありませんが

(まあこれもたまたまですが)

鬱の人は、セロトニンを増やすために

午前中に日光を浴びると良いと。

 

私は毎日毎日ありがたいお日さまを浴びまくっていました。でも、セロトニンが増えた感ゼロ。

反対に無性に疲れていました。

 

 

その、日光を浴びるをはじめ

巷にはいろいろな健康情報があふれていますよね。

私も御多分に洩れず、いろいろ試しましたとも、ええ、いろいろと。

通院して処方してもらう漢方薬をはじめ、

お灸、瞑想、冷えとり、食養生、体操、入浴、運動・・・・・

 

 

 

 

残念ながら、どれもこれも効果を実感できるものはありませんでした。

 

「こういうときのために、こういう知識が役立つと思っていたのに!!!」

 

またしても逆ギレ。

 

 

何をしても逆効果、これは大げさでなく

私が数年かけてこれらのことを試し、あがいた挙句

出た結論でした。

 

もうどうしたらいいかわからなくなりました。

 

 

 

ちょうどその頃、小園麻貴さんのカウンセリングを受けたのでした。

今でも覚えている、麻貴さんの言葉。

何を試しても全く良くならないんですと訴える私に

 

「それが大好きなら、やったらいいわよ〜

 お灸が気持ちが良くて大好きならね〜」

 

 

 

それって、好き嫌いの問題?

驚きのあまり、それに続く言葉が耳に入ってこなかった(麻貴さんゴメンなさい)。

好き嫌いで選ぶわけ?

それでいいの??

そういうもんなん???

不調を治したくて、やるもんじゃなくて????

 

私が必死でやらかしてきたことは、一体何だったんだろう?????

 

 

 

 

私はそれ以来、いろんな健康法やアドバイスや

今まで「勉強」してきたことなんかを

実践しなくなりました。

親切心からいただくアドバイスも

最小限だけ取り入れ、つとめてスルー、

 

ある時ははっきりと

「他人の人生哲学やメソッドは、今は欲しくないんです」と言いました。

 

 

それを理解してくれる人もいたし

そうでない人もいた。

でも、それでも良かった。

 

 

 

その時の爽快感は忘れないわ・・・

 

 

 

誰がなんと言おうと、しんどいもんはしんどい。

これまで外の意見ばかり尊重して

他人の考えばかり取り入れてきた私は

私が私の言うことを聞く必要がどうしてもあったのでした。

それに気づくまで、何年もかかった。

 

 

 

私は曇りや雨の日が好きになりました。

自分では知らなかったけど、好きだったのでした。

雨の日も、たまの雪の日も寒くて滑ってこけそうになるけど

そんな気候も私の歴史の中に刻まれている。

そういう中で生きてきた。

私の身体やこころも、晴れだけじゃなく曇りや雨や雪でも出来ていて

セロトニンの分泌のための日光浴よりも

今日みたいなどんよりとした、曇りの日を

ぬくぬくとブログなんて書いて過ごせる幸せを噛み締める方が

よっぽど私は安定するのでした。

 

 

 

 

母が情けながったこんな気候。

母がそんなふうにブツクサ言いながらも

田舎の、地元の暮らしをそこそこ気に入っていたのを

 

私は今では知っています。