僕のヒーローアカデミア 第30話 感想 | あずきのアニメ日和

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第30話「決着」

 

第30話あらすじ

"ヒーロー殺し"ことステイン(CV:井上剛)への復讐に囚われ、

目標を見失った飯田天哉(CV:石川界人)は自分のためでなく、困っている誰かのために戦う

緑谷出久(CV:山下大輝)轟焦凍(CV:梶裕貴)の姿にステインから突きつけられた

「ヒーローとして相応しくない」という一言があながち間違いではないことを自覚する。

憧れの兄・インゲニウムこと飯田天晴(CV:北田理道)の名を利用してしまったこと

本来無関係なはずの友人を巻き込んでしまったこと

自身の身勝手な行いに怒りの矛先は自然とステインではなく、己自身へと向けられた。

受け継いだインゲニウムの精神を守るために、憧れに近づくために再び立ち上がるが…

 

 

ネタバレ含みます。

 

VSステインもついに決着の時を迎えましたが、綺麗に終わったというよりは

どこまでも自分の考えを曲げないステインの信念の強さに圧倒された回でした。

 

ステインの個性は相手の血を摂取することで動けなくするというものでしたが

血液型によって拘束時間に変化が生じるという欠点をデクに暴かれたことで

多少なりとも勝機が見えてきた前回。

 

けれども、個性に欠点部分があったとしてもそれを補えるだけの実力を兼ね備えていたため

個性の使い方をマスターしつつあるデクと最強の個性を持つ轟の二人がかりでも大苦戦するという。

 

多数のプロヒーローを殺害してきただけあって場数も相当踏んでいますしね。

 

お互いにステインからの攻撃を極力避け、血を摂取されないように注意しながらの戦闘だっただけに

相手の動きを警戒しつつ、確実な一手を与えるというのはなかなかに難しいものでした。

 

ちょっとでも油断してたら目の前にステインが接近してることもあったくらいですし。

デクも二度に亘って血を摂取されて、拘束状態に陥っていました。

 

幸いにも血液型が最も拘束時間の短いタイプだったため、復活は早かったのですが。

 

とはいえ、一度拘束されてしまうとしばらくは動けない。

その間、ステインを相手に轟が一人で頑張っていてくれていましたが、

二人ですら厳しい相手を一人では無謀でしかない。

 

ステインが轟をプロヒーローの器として認め、殺さないことは分かっていたものの

目的達成を邪魔されないように拘束しようと相手も向かってきていましたからね。

 

拘束されないように細心の注意を払いつつ、相手に致命傷を与えるのはプロでも難しいかと。

 

かといって相手を近づけさせまいと遠距離攻撃を与え続ければいいというものでもなく

体育祭で暴かれた攻撃が大雑把という弱点を見抜かれて、轟もかなり苦戦していたような…

 

いくら将来有望な二人とはいえ、実戦経験が豊富で、実力もあるステインを相手にするには

まだプロでもない未熟な二人だけでは役不足と言わざるを得ないかもしれない。

 

それくらいステインは実力の全然底が見えない、感じさせないくらい強かったです。

 

応戦するにも限界がある。

どうしようもない場面で状況を打破するために二人が求めたのはもう一人の力。

天哉にヒーローを志す仲間として立ち上がってもらうことでした。

 

無関係にも関わらず助けに来てくれた二人の姿に、目的を見失った自身へ二人がかけた言葉に

自分が"インゲニウム"の名を復讐のために利用していたことを思い知る天哉。

 

「君たちには関係ないだろう」「手を出すな」と二人を戦いから遠ざけようとしたこともありましたが

彼ひとりでは復讐どころかあっさり殺されていたに違いない。

己の未熟さを痛感し、自分のことしか見えていなかった、視野が狭まったことを自覚したように思います。

 

自身が何のためにヒーローを目指したのか

ヒーローを続けられなくなった兄がどんな思いで"インゲニウム"の名を託してくれたのか

何もかも無視して、罪を償わせるためだけにステインを探して、

望まれてもいないのに復讐に手を染めようとして。

 

ヒーローに相応しくないと突きつけたステインの意見があながち間違っていないことを

自身の身勝手な行動から感じ取ったのではないでしょうか。

 

勝手に事を大きくして、ピンチに陥って、助けられて、守られて。

冷静になって考えてみたら、ヒーローに相応しくない行動ばかりでしたからね。

 

「何をやっているんだ」って怒りの矛先が自分に向くようになっただけ良かった。

失敗することは誰にだってあるし、失敗からちゃんと気づいて、学ぶことができただけ

それは今後の成長に大きく繋がるものを得たことになるのではないかと。

 

自身が憧れた小さなことでも困っている人を助けたいっていうインゲニウムの精神を守るために

再び立ち上がった天哉。

 

そこからはレシプロ バーストでピンチの轟を救う大活躍っぷりを発揮ですよ。

あと少し遅れていたら轟の片腕がなくなっていたかもしれなかったし…

 

とはいえ、勢いよく相手の刀を折って無傷とはいかず…

天哉もそれなりに血を流すくらいの怪我は負ってしまったわけですが。

 

無傷で済まないことくらいは覚悟の上だったとは思うけどね。

 

しかし、冷却装置の故障でレシプロも限界に。

これを対処するために轟に冷却してもらうっていう発想に至ったところからして

普段の天哉に戻りつつある感じがありました。

 

邪魔者の轟を排除しようとステインがナイフを投げてきた時も身を挺して轟を庇ったし、

自分が本当になりたかったもの、

追いつきたいものが今度はちゃんとその目に映っていたように思います。

 

 

決定打は一発当てられたらそれでいいと渾身の一撃をデクと天哉が同時にお見舞い。

 

拘束時間が解けたデクも足が限界を迎えていましたが、

お互いに腕や足が使い物にならずとも、一発入ればそれでいいと

たった一回の攻撃に力のすべてを注ぎ込んでいました。

 

応援が到着する前に天哉とネイティヴ(CV:KENN)を始末したかったからか

轟曰くステインは焦っていたって話でしたし、そのせいかデクの拘束時間は見落としていたらしい。

 

目の前の天哉の攻撃を防げればそれでいいと思っていたわけだけど、

横からデクまで攻撃態勢に入っていたものだから、不意を突かれて両者の攻撃がうまく決まった形に。

 

想像を超えてくるっていうのもヒーローにとっては必要な要素の一つかもしれませんね。

 

一方で、脳無(CV:最上嗣生)を追って保須市に入ったグラントリノ(CV:緒方賢一)

複数の個性を持つ脳無に苦戦しながらも、駆けつけたエンデヴァー(CV:稲田徹)と共闘して撃破。

あの一瞬で複数の個性を持っていることに気づいたグラントリノもさすがでしたね。

 

あと、意外とちゃんとエンデヴァーもヒーローをやってるんだな~って思ったり。

 

体育祭では印象が悪かったですけど、プロヒーローとしての自覚はちゃんと持っていて

人助けもちゃんとしますし、瞬時に状況に応じた対応能力を見せていたようにも思いました。

 

大雑把に炎で牽制したり、浴びる一方の轟に比べて、炎の扱い方はやはりエンデヴァーの方が上。

熱でコンクリートの壁を一部だけ溶かして登ったり、炎を矢の形に変えて飛ばしてみたり、

今まで轟が使ったことのない個性の使い方を示してくれました。

 

こちらもやはり場数を踏んでいるからか、ただ炎を撒き散らすのではなく、

あらゆる手段を用いていた経験の差を感じる戦い方が展開されていたように思います。

 

ということは、いつかは轟ももっとうまく炎を操ることが可能だってこと。

氷の個性だって使い方次第でもっと変わってくるんじゃないかな??

 

ただ、本来それを見せたかった相手がこの場にいないのは残念でもあるだろうけど。

 

「あんたなら一人でも大丈夫だろう」って言われちゃあ、大丈夫だと証明するほかないけどね。

プロヒーローとしての実力はちゃんと買ってくれているっていうのが良く分かるシーンでした。

 

「携帯じゃなくて俺を見ろ」は笑ったけど。

 

エンデヴァーが自分のためにヒーローになることを強要してきただけに二人の間には

不満ばかりでまともに向き合うってこともしてこなかったと思うのだけど、

体育祭を経てなんとなく二人の間に漂う雰囲気も柔らかくなったような気がしますね。

 

それと、エンデヴァーも轟が残した場所の情報をグラントリノや他のプロヒーローに伝えたりと

なんだかんだで息子に対して信頼を置いているのかな??と思う部分もありました。

 

単なる位置情報だけが送られてきて、そこに何があるのか分からないというのに、

何かあったに違いないって迷いなく応援に駆けつけようとする轟の姿に

それを信じて、プロの応援を寄越そうとしてくれてたわけですし。

 

 

グラントリノが駆けつけた時にはステイン戦も終わってたわけですけどね。

気絶したステインから武器を奪い、拘束までしっかりしていたあたり、判断も優秀でした。

 

天哉は戦いが終わった途端にボーっとしていた様子だったけど、

デクと轟は戦いが終わったから全部終わりじゃなくて、

引渡しのことまで考えて動けるあたりがちょっとした差を感じさせます。

 

戦いの時から天哉本人も感じていたことではあるけど、

同じプロを目指す生徒の中でも少しずつ差が表れ始めていて、

ちょっとでも気を抜いたらあっという間に置いてかれてしまう。

 

今回の一件で特にデクと轟との間に大きな差を感じたのではないでしょうか。

 

けど、彼なりに追いつきたいと思えたことが最後の攻撃に繋がったと思うし、

身勝手な行動で友人を危険な目に遭わせてしまった責任は戦いの後の様子から痛いほど感じた。

反省もしてるし、改めて自分が目指すべきものに気づけたのは大きな成果だったとも思います。

 

失敗を経て得たものが天哉の今後にどう繋がっていくのか

職場体験後に見えてくるであろう成長が楽しみです。

 

ま、勝手な行動というのであれば、グラントリノの言いつけを破って

ステインとの戦闘に参戦したデクもデクだけど…

 

行動の動機が困っている人を助けるためなのか、それとも個人的な理由なのかで

ヒーローとしての振る舞いとしては評価が分かれるところではないかと思います。

少なくともデクと轟の判断はヒーローの行動としては間違ってはいなかったかもね。

 

しかし、これで一件落着とはならなかったようで、

エンデヴァーが逃した脳無がデクを連れ去ってしまうという。

 

足を怪我してまともに戦えなかったデクでは脳無から逃れることはできない。

 

グラントリノも相手があまり上空に行き過ぎると個性では届かないようで、

空を飛べる脳無との相性はあまりよろしくはありません。

 

突然のことすぎて誰もすぐには反応しきれませんでしたし、

デクが上空に連れてかれたのは一瞬の出来事でした。

 

それにも関わらず対応できたのは意外にも捕らえられていたはずのステイン。

 

武器は全部奪ったと思っていたけど、実は一つだけ隠し持っていたやつがあったらしい。

それで縄を切り、デクを連れ去ろうとした脳無を一撃で。

 

元いた位置からさほど離れていなかったことから考えても、ここまでほんの数秒。

プロですら反応できなかった一瞬で行動してみせたことからしてもステインの実力は別格ですね。

 

彼を突き動かしているのは紛れもなくヒーローへの憧れや

譲ることのできないヒーローのあり方っていう強い信念。

 

あの場にあれだけのプロヒーローがいながら、助けたのがヒーロー殺しというのも不思議ですが

ヒーローはこうあるべきだっていうものをずっと主張してきただけあって

ヒーローとしての心得的なものはステインの中に深く根付いているような感じがします。

 

実は誰よりもヒーローらしさを兼ね備えてはいるんだよね。

 

ただ、ヒーローが人気職になったことでヒーローっていうかっこいい響きに

単純に憧れてなった人間も少なくなくて、ヒーローの質っていうものは確実に低くなっていたと思うし、

本来あるべきヒーローの姿を守るためには自ら悪役になることも厭わなかった。

 

たとえそれで自分がヒーローによって倒されることになったとしても本望。

本来あるべきヒーロー社会の姿が戻るのであれば、汚れ役を買っても構わない覚悟がそこにはあった。

 

その覚悟の重さはエンデヴァーやグラントリノですら気圧されてしまうほど。

 

ここまで真っ直ぐな人間はいただろうかっていうくらい

敵ながら自分の行動に責任を持ち、覚悟の上で挑んでいるのは

不覚にもかっこいいと思ってしまいましたね。

 

ちなみにエンデヴァーもステインの中では偽者の枠に入るようで、

エンデヴァーの姿を見るなり、認めないと全身で物語っていたような気がしました。

 

確かに最初の動機は分からないけど、エンデヴァーの目的は困っている人を助けたいっていう

純粋なヒーローとはかけ離れて、自分が一番になることになっちゃってますし、

そのために家族を利用することも厭わない。

 

世間がいくら評価しようとも、自分自身のことは二の次にしなければならない

誰かのために活躍するヒーローに相応しくないと思われても仕方ないかも。

 

偽者を排除し、正しいヒーロー社会を取り戻す。

 

ステインはその揺ぎない信念をもってヒーロー一人一人を厳しい目で見ているけれども、

認めた相手に対しては自分を省みず救うこともあって、

デクを助けたことからも彼が将来的に正しきヒーローとして期待されていることが窺えました。

 

なんでもデクを助けた時は折れた肋骨が肺に刺さっていたとか。

 

その状況で一筋縄ではいかないはずの脳無からデクを助けたことを考えると

そこらのプロヒーローよりずっとヒーローでしたよ。

 

どうにも憎めない、誰よりもヒーローらしさを持つ悪人でした。

 

次回「「ヒーロー殺しステイン」その余波」

 

 

 

 

 

 

 

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