僕のヒーローアカデミア 第23話 感想 | あずきのアニメ日和

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第23話「轟 焦凍:オリジン」

 

第23話あらすじ

トーナメント戦も2回戦に突入。

第1種目の障害物競走において1位を勝ち取った緑谷出久(CV:山下大輝)

第2種目の騎馬戦で1位を取った注目株・轟焦凍(CV:梶裕貴)の対戦とあって

試合開始前から大きな注目が集まる。

そんな中、最初の一撃目を警戒し、ピリピリと張り詰めた雰囲気を感じさせる出久と轟。

試合開始の合図と共に仕掛けてきた轟は出久に向かって右半身の"氷結"の個性を使う。

一方で出久は轟がどの程度の威力で来るかが寸前まで分からず、

彼の氷結に対応するために出力100%で彼が走らせてきた氷を吹き飛ばすが…

 

 

ネタバレ含みます。

 

第2期が始まってからずっと高いクオリティを保っているヒロアカですが

今回は特に凄かった…!!

 

まだデクが"ワン・フォー・オール"を使いこなしきれていないけれども、

プロヒーローが驚くほど彼らの戦いは学生の範囲からは大きく外れた凄まじいぶつかり合いでした。

デクがワン・フォー・オールを完全に使いこなすことができた時に

改めてまた勝負するところを見てみたくなった。

 

さて、1回戦はデク、轟、塩崎茨(CV:真坂美帆)常闇踏陰(CV:細谷佳正)飯田天哉(CV:石川界人)

切島鋭児郎(CV:増田俊樹)芦戸三奈(CV:喜多村英梨)、そして爆豪勝己(CV:岡本信彦)

以上、8名が勝ち上がり、続く2回戦が始まります。

 

2回戦の第1試合に挑むはこのトーナメント戦の中でも注目カードのひとつに分類されるであろう

第1種目、障害物競走の覇者であるデクと、第2種目の騎馬戦の覇者・轟の一戦。

 

麗日お茶子(CV:佐倉綾音)の時同様、デクの勝利条件となったのは如何に近接戦に持ち込めるか

轟はこれまでの戦いを見ても、離れた距離から相手を一発で仕留めていますからね。

まともに戦うことを考えたら警戒すべきは、遠距離からの攻撃。

 

つまり最初の一撃が大事になってくるわけだけど、

一方で轟も轟でデクのパワーを恐れているから、出来る限り好きに使わせたくはない。

となると、やっぱり最初の一撃がかなり重要になってきます。

 

開始の合図と共に仕掛けてきたのは轟。

 

デクは彼がどの程度の威力で来るかが読めないから

瀬呂範太(CV:古島清孝)が受けた最大の威力でも対応できるように

常に出力は100%にしなければなりませんでした。

 

おかげで指とはいえ、ちょっと個性を使っただけで一本使えなくなっちゃいましたよ…

 

毎回思うけど、たった一撃で指の色があんな変色するって相当な負担がかかってますよね。

いくら力の使い方が分かってきたとはいえ、痛いの分かってて使うのは怖いわ…

 

その辺、躊躇することなく、個性を発揮しているところからして

デクの覚悟は痛みよりも勝っているってことなのかもしれません。

 

ま、轟に対して100%で挑まなければならない理由としては

単純に彼がどの程度の力を出してくるか分からないっていうのもあるけど、

デクが轟の次の攻撃を読み取るにはあまりにも情報が不足していることも理由として挙げられるかと。

 

これまでの戦いを見ても、轟はほぼ一発で相手を仕留めているので

長期戦って描かれたことがないんですよね。

個性ってみんなどこかしら欠点みたいな部分があるわけだけど、それすら分からない。

 

隙を作るにしても情報が無さすぎて轟に対してどう対応すればいいのかが難しい。

 

デクの戦い方はワン・フォー・オールのみならず、収集したデータを如何に活かしていくか

それだけに情報なしで戦うっていうのはかなり厳しいことだったり。

特にワン・フォー・オールが完全には使いこなせていない現状で実力者とのガチンコバトルは…

 

デクとしては出来るだけ長期戦に持ち込んで、相手の情報を入手したいところでしょうが

出来るだけ早い段階でケリを着けたい轟は容赦なく氷結の個性を使ってくる。

そのたびに対応せざるを得ないデクは指を犠牲にしてワン・フォー・オールを使い続けることに。

 

デクもワン・フォー・オールを使い続けるのには限度があるみたいだし、

相手の攻撃を防ぐために酷使していたら、それだけで限界は訪れる。

 

出来るだけ早い段階で現状を打破する一手を見つけたいところかとは思うけど、

個性のみに限らず、状況を瞬時に把握し、その時その時に適した攻撃を仕掛けてくる轟の戦い方は

デクに付け入る隙を悟らせてはくれませんでした。

 

繰り返される氷結とワン・フォー・オールの使用で巻き起こる強風

互いに相手を傷つけるには至らず、一見、互角の攻防が繰り広げられているようにも感じられますが

防ぐだけで手一杯のデクに対して仕掛ける側の轟には余裕が感じられる。

 

デクは防ぐのでいっぱいいっぱいで自分から仕掛ける余裕は全くない。

身を守るために指を酷使しすぎて二本、三本と指が変色していってる。

それでも、腕一本を犠牲にしていたら、もっと状況はヤバかったみたいですけどね。

 

デクのパワーを恐れ、場外に出されないよう背後に用意された氷の壁が轟を守り、

また、いつでもデクを仕留めに行けるように態勢は常に整えられている。

腕一本ダメにしてたら、もっと早い段階で決着をつけられていたかもしれない。

 

その点、指に留めておいたのは正解だったと思うけど

轟が仕掛けてくるたびに一本ずつ犠牲にしてきたから、

さすがに4本目ともなってくると、指のほとんどが使い物にならなくなっているわけで

痛みに悶える姿も見られるようになってきました。

 

その一瞬の隙を逃さず、攻めてきた轟に対応するために

デクもそれ以上痛みを気にしている余裕はなく、近距離で放たれた氷結と

目の前まで迫ってくる轟との距離を再び引き離すために腕一本使うほかなかった。

 

やっぱり、いつでも攻められるようにしていたっぽい。

さすがは推薦入学者だけあって油断も隙もないですね。

 

が、繰り返し氷結を使い続けて轟にダメージがないわけでもなく

みんな個性にどこかしらの欠点があるように、

轟も氷結を使い続ければ、体に霜が積もって体は震え、威力は衰えてくる。

 

かっちゃん曰く「ゲームで言うところのMP」ってことだけど

どんな個性でも万能ってわけではなくて、それなりに限度っていうものはあるらしい。

だから、コスチュームで欠点を補ったりするわけですが、

轟の場合はコスチュームなしでも欠点を補えるもう一つの個性があるわけで…

 

本来、左半身に宿っている熱を使えば霜はどうにでもできる。

ってことは、両方の個性を使えば本当の意味で隙がなくなって、デクは一気に不利になるわけですよ。

 

けれども、父親・エンデヴァー(CV:稲田徹)を否定するために意地になって使おうとしない。

だから、デクにとっては今の状況って轟に勝てる可能性があるってことでもあるわけだけど

本人的には全力の轟と全力で勝負して勝ちたいって気持ちもあって、納得いっていないみたいですね。

 

確かに今の轟は氷結だけで勝てるって相手をナメているようなものだし、

彼の視界には目の前のデクではなく、エンデヴァーしか映っていない。

それって本気で挑んでるデクに失礼だとは思う。

 

この大舞台、みんなプロになる夢を叶えるために本気で挑んでいて

自分の個性をアピールしようと今出せる力の全部を出し切るつもりで臨んでいる。

なのに、轟は父親に反発するためだけにあえて自分に枷をつけて、

それでも勝てるって思ってるのはちょっと周りをナメすぎじゃないかい??

 

これだけ頑張っても意識してもらえないって

デクが「どこ見てるんだ!!」ってキレるのも無理ないわ…

 

 

轟の家庭の事情は複雑だし、彼が父親を否定したい気持ちは理解できなくもないけど

それと本気で挑んでくる相手をナメてかかるのは違うよね。

その点、かっちゃんは相手に誠意を持って応えていたと思う。

 

なによりも氷結だけで勝てると決め付けるのはどうかと…

デクは一筋縄ではいかないよ??

 

その証拠に痛い思いをすると分かっていても彼は痛みの中に自ら飛び込んでいった。

 

リカバリー・ガール(CV:小桜エツコ)に治してもらえるとはいえ、痛い思いをするのは誰だって嫌だし

出来る限り怪我をしないくらいに制限するのは普通だと思うんだよね。

痛い思いをしても構わないったって気持ちとは裏腹に体が躊躇ってしまうことだってあるし…

 

何がそこまでデクを突き動かすのか…

 

それはやっぱりオールマイト(CV:三宅健太)のようなヒーローになりたいっていう夢が

彼を痛みを伴うことになると分かっていても突き動かしているわけだけど、

「なりたい」って気持ちだけで真っ直ぐに突き進めるって凄いと思うわ。

 

その真っ直ぐな気持ちに轟がどう向き合っていくのかって話だけど

彼も最初から父親を否定するためだけにヒーローを志したわけではない。

むしろ、原点はやっぱりオールマイトで、純粋にカッコイイヒーローに憧れたから。

 

そんな純粋な夢ですら、抱くことを許されない環境に生まれてしまったことは可哀想だけどね。

5歳から厳しい教育を受けさせられて、将来を決められて、やめることも許されなかった。

 

それでも彼の母親(CV:根谷美智子)は彼がヒーローになることを夢見ていると知っていたからこそ

轟に「お前が思うヒーローになればいい」って背中を押してくれましたが、

そんな唯一の拠り所だった母もエンデヴァーに精神的に追いつめられて、

轟を傷つけてしまうほど病んでしまった。

 

幼いながらに母の気持ちを察したのでしょうね…

だから、恨む矛先も自身を傷つけた母ではなく、追いつめた父に向いた。

母への愛情が、今の轟を作り上げていることは確かです。

 

けど、父への恨みに囚われているだけでは轟はきっといつまでも前に進むことができない。

どこかで自分は父親とは違うってことをエンデヴァーに突きつける必要はあるだろうけど

果たしてその方法が父の個性を使わずに勝つことなのかと言われるとそうではないような…

 

母から受け継いだもの、父から受け継いだもの

それらを駆使してその上で自身がどうその個性を活かしていくのかを示すべきなのでは??

 

元を辿れば、轟がヒーローを志したのは

「個性は親からの産物ではあるけれども、大事なのは繋がりではなく、

個性を自分の一部として認めてあげること」って

オールマイトの言葉に心を突き動かされたことがきっかけでもある。

 

母親がヒーローになりたいと思う轟の背中を押したのも

彼がなりたいと思うヒーローになってもらいたいと思ったからこそだし、

自身がどんなヒーローになりたいのかってことを戦い方で示すことが一番いいのだと思う。

 

デクも「君の力じゃないか!!」とエンデヴァーの力ではなく、"轟焦凍の力"として受け止めていましたし。

 

デクとの戦いの中で忘れていた初心を取り戻した轟。

ついに使わないと決めていた左半身に宿る燃やす個性を発動させちゃいましたね。

使わざるを得ない状況にデクが追いつめたというか、轟の心を突き動かしたからこそだと思うけど

状況的にはデクが一気に不利になるという…

 

霜で鈍っていた動きも熱で元通り。

敵に塩を送ったことが果たして良かったのか悪かったのか…

 

でも、困っている人を助けるのがヒーローの仕事ですから、

デクが轟の心を救ったのは結果としてヒーローとしては間違っていない行動だったと思う。

 

 

そこからの勝負は凄まじかったですね!!

最大限の氷結をデクに向かって放ち、その氷を熱で一気に溶かして膨張させ、強力な爆風を生んだ轟と

左足と右腕に力を回し、出力100%で立ち向かったデク。

 

セメントス(CV:大隈健太)が二人の間に壁を何重にも用意しなかったら、

会場の被害は爆風に見舞われるだけでは済まなかったかもしれない…

 

お互いの全力の一撃で何重にも立てられた壁がバラバラになるくらい凄かったですしね。

小柄な峰田実(CV:広橋涼)なんて会場の外に吹っ飛びそうになっていましたよ。

 

当然のことながら、当の本人たちもそれなりに被害は受けていたようで

デクは爆風に吹っ飛ばされて場外になってましたし、

轟も決して無事というわけではないくらいにはボロボロ。

それでもデクよりは全然ピンピンしていましたが…

 

互いの全力をぶつけ合い、勝利したのは轟。

 

ここで主人公が敗れるという少々意外な展開にはなったものの、

まだまだ未熟ながら自分に出来ることを精一杯デクは頑張ったと思うし、

なにより轟の心を救ったのは大きい。

 

勝敗が決まる寸前の攻撃で轟がデクに対して「ありがとう」と言ったことからも

彼が自身を救ってくれたデクに感謝している気持ちが伝わってきました。

 

これからはもっと違う形で自分がなりたいヒーロー像を目指していくんじゃないかな。

その中できっと父親を納得させられるようなヒーローになってくれると思います。

 

あながち、エンデヴァーが「お前はここからだ」と言ったのは間違いではないかも…

意味合い的には彼が言っているのとは全然違うと思うけどね。

 

あとは病院に入れられている母親とどう向き合っていくか、かな。

なんにせよ、今回の一件を通じて轟がどう変わっていくのかが楽しみになりました。

早く次の話が見たい…!!

 

デクもまた大怪我を負った上に2回戦敗退という結果なったわけですが

この結果をどう受け止め、次へと繋げていくのか

彼の今後と、オールマイトとのやり取りも気になるところです。

 

いや~、控えめに言って神回だった!!

 

次回「飯田くんファイト」