監督/ミミ・レダー
原題または英題/Pay It Forward
2000年/アメリカ/123分
11歳の少年トレバーは、社会科の授業中、担任のシモネット先生から「もし君たちが世界を変えたいと思ったら、何をする?」と問い掛けられる。
悩んだ末にトレバーはあるアイデアを思いつく。
それは ”ペイ・フォワード”。
他人から受けた厚意をその人に返すのではなく、まわりにいる別の人へと贈っていく…という奇想天外なアイデアだった。
やがて、少年の考えたユニークなアイデアが広がり、心に傷を負った大人たちの心を癒していく…。
『ペイ・フォワード』の意味は、この映画の中では「次へ渡せ」という言葉の翻訳になっています。
人から受けた親切を他の人へ回す。
親切にされた人はまた他の誰かに親切をする。
そのサイクルが次へ次へ渡っていき、恩が次へ次へと送られていきます。
このアイデアを発表した時、トレバーのクラスメイトの女の子は「みんなズルをする」と鋭い意見を述べました。
次の人へ恩を渡すかどうかは、その人に委ねられている訳で、どうするかは自由だからです。
主人公のトレバー(ハーレイ・ジョエル・オスメント)はアルコール依存症の母と同じく依存症の父(そしてDV加害者でもある)の間に生まれました。そんな家庭環境で育ってきた彼には
世の中はクソだと思えて仕方がない。
学校に行けばいじめの現場を目撃し、母はアルコール依存症でストレスを感じると隠していたお酒をこっそり飲んでいる。
そんな生活を送る中、社会科のシモネット先生から出された『世界を変えるにはどうするか』の課題。
そこでトレバーが考えたのが恩を3人に渡し、渡された人は別の3人に恩を渡すというものでした。
トレバーはホームレスの男性、いじめられっ子の友達・アダム、そして母・アーリーンに向けて恩を渡すことにしますが、ホームレスの男は薬物がやめられず、友達をいじめから助けることができず、母への恩もなかなか成功しません。
結局、世界を変えることなんてできないと落ち込むトレバー。
しかしトレバーの知らない所で『ペイ・フォワード』は全米に広がっていて、その恩恵を受けた記者から取材を受けることになります。その時のトレバーの言葉が泣ける(ᐢ⸝⸝>̶̥̥̥᷄ ·̫ <̶̥̥̥᷅⸝⸝ᐢ)꜆꜄
努力の甲斐あって母への恩を渡すことに成功したトレバーですが、その矢先悲劇が…っていうお話になっております。
なんでなんでなんでなのって思ったの私だけじゃないはず.˚‧º·(ฅдฅ。)‧º·˚.ウワ-ン
せっかく勇気出したのにこんなのって悲しすぎる…
こちらの映画、登場人物たちが皆ステキです。
トレバーはお母さん思いの健気で優しい子で、アイリーンはアルコールがやめられず苦しんでいますが明るくて愛に溢れた人で、シモネット先生は過去のトラウマから色々な事に臆病なのですがデートに40分以上遅刻してきたアイリーンに「時間どおりさ」と言ってくれる優しい人。
トラウマや依存症に苦しみながらも一生懸命生きている人達なのです。
終始楽しいお話ではないです。
心に傷やトラウマを持った大人たちの姿は観てて痛々しいですし、やるせない気持ちになります。
でも見ず知らずの人に手を差し伸べる姿は、温かかくて、感動します。
人間っていいなって思えます。
世界って美しい、クソじゃないんだって思えます。
自分、シックスセンス大好きなんでハーレイ・ジョエル・オスメントくん出てるの嬉しかったです。
観たことない方にはぜひ一度観てほしい作品です。
今日もお読み頂きありがとうございます。