監督/ベルナルド・ベルトルッチ
製作/ジェレミー・トーマス

原題/The Last Emperor
1987年/イタリア・イギリス・中国合作
163分




時代の波に翻弄され続けた清朝最後の皇帝、愛新覚羅溥儀あいしんかくらふぎ

その激動の生涯を自伝に基づいて描いた巨匠ベルナルド・ベルトルッチ畢生の大作。



STORY





1950年、共産主義国家として誕生した中華人民共和国の都市・ハルピン。

中国人戦犯でごった返す駅の中で、手首の血管を切り、自殺を試みようとする男の姿があった。

彼こそは清朝最後の皇帝・溥儀(ふぎ)。

薄れゆく意識の中で、溥儀の脳裡にさまざまな過去が蘇えるー


1908年、北京。

清の皇族に生まれた溥儀は、西太后の任命によってわずか3歳で清朝皇帝の地位についた。

近代化の嵐にもまれ、孤独な日々を送らざるを得なかった溥儀は、即位してから文化大革命以降に至るまで、激動の生涯を歩んでいく。



■第60回アカデミー賞 作品賞・監督賞・脚色賞・撮影賞・作曲賞・美術賞・衣装デザイン賞・音響賞・編集賞受賞






感想です



凄く面白かったです(,,>艸<,,)



そしてスケールの大きさに圧倒されました。

もっと早く観れば良かったなって後悔した。

おばあちゃんが映画観に来るよ~って言ってた気持ちわかりました。





激動の…ってよく使われるけど、マジで激動も激動だなって思いました。


溥儀が歩んだ道のりはまるでジェットコースターのようでした。


紫禁城での生活は、外へ出ることを禁じられ、心の支えは乳母だけ。

乳母以上に初恋の人でもあった彼女もやがて居なくなり、本当の孤独になった溥儀。

その頃、家庭教師としてやって来たレジナルド・ジョンストンから数学やテニスなどの西洋の文化を学びます。

彼だけが溥儀の唯一の友人でした。






やがて15歳になった溥儀は17歳の婉容を皇后に、12歳の文繍を第二の妃に迎えます。





そして1924年、中華民国の軍人である馮玉祥のクーデターで溥儀ら一族は紫禁城からの1時間以内の退去を命じられます。

ジョンストンはイギリス大使館へ連絡して庇護を求めますが、国際問題になることを恐れ受け入れず、結局溥儀に手を差し伸べたのは、同世代の天皇もおり親近感もあった大日本帝国のみだった。



っていう感じでお話は進んでいきます。





時代の波に翻弄されたのは溥儀だけではなかったのだなと観ててしみじみ感じました。

民主主義に目覚め溥儀の元を去った文繍も、子供を殺され廃人のようになってしまった婉容も、ピストル自殺で最期を迎えた甘粕大尉も、溥儀ほど激動ではないにしても、幸せとは程遠い人生だったのではないのかなって。




溥儀を利用するだけ利用した悪い人(にジョゼには見えた)甘粕大尉。
この中の彼しか知らないので本当はどんな人なのかは存じませんが、甘粕大尉を演じた坂本教授お若い。
そしてかっこいいですラブラブ




溥儀による自伝『わが半生』も、劇中で収容所の所長が読んでいたレジナルド・ジョンストンの著書『紫禁城の黄昏』も読んだことありませんが、このレビューを書くにあたり溥儀の事を少し調べましたら、史実を敢えて変えてあったり省略している部分がある事を知りました。





歴史苦手なジョゼですが、実在の人物が辿った生涯を通して歴史を振り返るって、有意義な時間だったし楽しいなって思いました。

日本の歴史より中国の歴史の方が面白いし好きです。




1967年10月17日、溥儀は腎臓がんによる尿毒症で死去。

享年61。最後は一市民として、その数奇な人生に幕を下ろしました。

この時、中国は文化大革命の真っ只中だったそうです。


病身の晩年に食べたいものを尋ねられると、溥儀は「日本のチキンラーメン」と答えたとか。

朝日新聞(2005年05月27日夕刊)は「素朴な味を好み、日本から送らせていたそうだ」と伝えています。


「チキンラーメン」を開発した日清食品の創始者、故・安藤百福(ももふく)氏は2000年7月、北京の故宮(旧紫禁城)を訪ねた際に「チキンラーメン」を玉座の前に供えたのだそうです。





3歳の溥儀がめちゃめちゃ可愛かったので、彼のシーンをもっと観ていたかったな。

3歳の溥儀の「お家に帰れる?」が切なかった(;;)





” 歴史劇としての壮大なスケール、人間ドラマとしての複雑で細やかな機微、ヴィットリオ・ストラーロによる構図美・色彩美、日本人初のアカデミー賞作曲賞に輝いた坂本龍一の劇伴音楽。

すべてが噛み合い絡み合った、これぞ映画、これぞ傑作 ”



と称えられている通りの作品だなって思いました。

これぞ映画👀🍿*゜





ラストのちょっとファンタジーな終わり方も好きです♡
コオロギ生きてる訳ないけど、え?もしかして…って思ったり。

でも多分コオロギは、やっと自由になった溥儀の象徴なのかなって思いました。





今更、私が名作だとか言っても誰しもが思ってる事で周知の事実だと思うのですが、めちゃめちゃ良い作品でした!
自分の記録用に残しておきます。
お読みいただきありがとうございます。
では股(o'∀'o)ノ))マタネ-ラブラブ

画像は全てお借りしております。