監督/犬童一心
脚本/渡辺あや
原作/田辺聖子
2003年/日本/116分
田辺聖子の短編小説を犬童一心監督が実写映画化。
妻夫木聡と池脇千鶴が共演し、足の不自由な少女と平凡な大学生の切ない恋の行方を描く。
STORY
ごく普通の大学生・恒夫(妻夫木聡)がアルバイトする麻雀店では、近所に出没する謎の老婆の噂が話題となっていた。
その老婆は決まって明け方に現れ、乳母車を押しているのだという。
明け方、恒夫は坂道を下ってくる乳母車に遭遇。近寄って中を覗くと、そこには包丁を振り回すひとりの少女(池脇千鶴)がいた。
ジョゼと名乗るその少女は足が不自由で、祖母に乳母車を押してもらい散歩していたのだ。
不思議な魅力を持つジョゼに惹かれた恒夫は、彼女の家をたびたび訪れるようになる。
妻夫木くんが若くてかわいい。
そしてめちゃめちゃ美味しそうにご飯を食べる。
良い映画の特徴は、ご飯が美味しそうなことだって聞いたことがあります。
これ観ると必ずだし巻き玉子食べたくなる( 'ч' )
ジョゼがなんでジョゼと名乗っているかというと(本名はクミコなのに)、おばあが拾ってきたサガンの「1年ののち」を気に入って読んでるんですが、その本の登場人物・ジョゼが好きだという事からそう名乗っているようです。
そして、おばあの死をきっかけに二人はお付き合いを始めます。
この二人の初めてのシーン好きです。
妻夫木くんのチューが反則でしょ!?って位にキュンてさせる(๑´ω`๑)
動物園で虎を見たり、海へ行ったり・・・
ですが、結局恒夫にはジョゼを受け入れる度量がなくて別れてしまいます。
でもジョゼは、2人の関係がずっと続かないことをわかってたと思うのです。
うちは深い深い海の底から泳いできたんや
あんたとこの世で一番えっちな事するために
そこには光も音もなくてシーンと静かやねん
別に寂しくはない
初めから何もないねんもん
うちはもう二度とあの場所には戻られへんのやろ
いつかあんたがおらんようになったら迷子の貝殻みたいにひとりぼっちでコロコロコロコロ海の底を転がり続けることになるんやろ
でもまぁそれもまた良しや
恒夫は、別れの理由を「僕が逃げた」って言ってたけど、それも無理ないかなって思うんです。
22とか23歳位の子に覚悟とか求めるのは酷かなって思うし。
だって障害のある人を支えるのは、家族でも大変な事だから。
「別れても友達でいられる人もいるけどジョゼとは友達にはなれない、もう会うことはない」っていう恒夫の言葉は、彼にとってやっぱり彼女は特別な存在だったんだろうなって聞いてて思いました。
とあるブロガーさんが、この映画のことを「むき出しって感じ」と言ってたんです。
人の脆さ、弱さ、ずるさ、強さ、たくましさ
そういうものをひしひしと感じる作品だからなのかなって思います。
颯爽と電動車椅子で走っていくジョゼのたくましい後ろ姿に感動したからアメブロでのハンネを『ジョゼ』にしました。
この自立した後ろ姿にグッとくる・・・( ;꒳; )
ラストがめっちゃ良いです!
恒夫がいなくなろうが、ひとりぼっちになろうが、ジョゼはジョゼなんだなって思えるラストでした。
やっぱりダイブε-(/・ω・)/ トォーッ!!
そしてエンドロールと共に流れるくるりの『ハイウェイ』も最高です♡
ジャンル的には重いテーマだと思うんです。
痛いし、切ない。
でも暗くなりすぎずに観られる良作だと思ってます。
観たことない方はぜひご覧ください♬